看護師の過去問
第103回
午後 問233

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

看護師国家試験 第103回 午後 問233 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み、問いに答えよ。

Aさん(40歳、男性)は、大学1年生のときに統合失調症(schizophrenia)を発症し、精神科病院に20年入院している。今回、退院して両親と同居することになった。入院中は定期的に作業療法に参加しており、日常生活は自立している。服薬は自己管理となっているが、時々飲み忘れることがある。

退院後3か月、Aさんは処方どおりに服薬している。Aさんの母親から「退院してからずっと1日中家の中で何もせず過ごしています。夫は本人に働くよう言っています」と看護師に相談があった。
母親への対応として最も適切なのはどれか。
  • 「もう一度入院を考えてみますか」
  • 「アルバイトを探してはいかがですか」
  • 「Aさんはどう考えているようですか」
  • 「お薬の調整を主治医に相談してみましょうか」

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

正解:3
(解説)
この問題は、Aさんの母親の発言が中心となっていますが、Aさんの母親の発言からは、Aさんが現状に対してどのような思いでいるのか読み取ることができません。まずは、Aさんの思いを確認したうえで、今後の支援の方向性を検討する必要があります。よって、正解は「3」になります。
(補足)
他の選択肢については、以下の通りです。
1について:入院の必要性は医師の判断によります。服薬管理もできていること、重篤な症状もないことから、再入院の必要性は低いと考えられます。よって、正解には該当しません。

2について:Aさんは20年も入院していたため、アルバイトの就労などの社会復帰については、本人のペースを尊重し、無理せず行ってもらう必要があります。場合によっては、ストレスで症状が再燃する可能性もあり、統合失調症の悪化につながる可能性もあります。正解には該当しません。

4について:服薬管理もできており、症状や状態も落ち着いていることから、内服薬の調整は現段階では必要ないと考えられます。よって、正解には該当しません。

参考になった数0

02

正解は3です。

1:入院の必要性については医師が判断するものです。また、Aさんは1日中何もしないで過ごしていますが、きちんと処方通りに服薬もできているため、早急に入院を検討する状態ではないと考えられます。

2:Aさんは20年間も入院生活をしていたため、急に社会に出て働くというのはストレスになることが考えられます。ストレスにより、病状が悪化する可能性も考えられるため、この選択肢は誤りです。

3:まずは本人の意見を尊重することが大切です。その上で、これからどうしたいのか、できることはあるのか、本人と話し合いながら少しずつ環境を調整していくことが望ましいです。

4:Aさんは処方通りに服薬もできており、病状の悪化などの記載がないことからも病状は安定していると考えられます。なので、内服薬の調整の必要はないと考えます。

参考になった数0

03

正解は 3 です


20年の入院を経た退院後の状態で、ご家族の意見だけを受けて、本人の生活を変えるよう働きかけるのは看護側の押し付けであり、本人の負担にしかならず、病状の悪化を招きかねません。
ご家族の心配もごもっともですが、ここはご家族とご本人の意見の橋渡しを行うことが看護師に期待される働きかけでしょう。

そのため、ご家族の不安な気持ちは傾聴し受け止めた上で、ご本人の意見を確認するよう促す選択肢3がもっともふさわしい回答となります。


選択肢1の対応は一番ふさわしくなく、本人の意見や病状を確認しないまま入院が必要と決めつけるのは看護師としては恥ずべき行為です。

選択肢4も同じように本人と接しないまま病状の悪化と決めつけているため不適切です。

参考になった数0