看護師の過去問
第103回
午後 問232

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問題

看護師国家試験 第103回 午後 問232 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み、問いに答えよ。

Aさん(40歳、男性)は、大学1年生のときに統合失調症(schizophrenia)を発症し、精神科病院に20年入院している。今回、退院して両親と同居することになった。入院中は定期的に作業療法に参加しており、日常生活は自立している。服薬は自己管理となっているが、時々飲み忘れることがある。

Aさんは1週間後に退院する予定だが「退院したら薬を飲むのはやめようかな」と看護師に話すことがある。時々幻聴に関して訴えがあり、睡眠が不規則になる。
退院後Aさんが利用するサービスで最も適切なのはどれか。
  • 訪問介護
  • 精神科作業療法
  • 精神科訪問看護
  • 訪問リハビリテーション

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この過去問の解説 (3件)

01

正解:3
(解説)
この問題では、Aさんの「退院したら薬を飲むのはやめようかな」という発言や幻聴や睡眠が不規則になるなどの症状があるということをポイントに考えていく必要があります。
精神科訪問看護では、服薬の管理や副作用症状についてのケアを行います。Aさんの薬をやめるという発言から、内服の必要性についての理解が乏しいこと、幻聴などの症状が現れていることから、統合失調症の悪化を防ぐために、退院後も引き続き服薬管理の支援と症状のケアが必要になってくると考えられます。よって、正解は「3」になります。
(補足)
他の選択肢については以下の通りです。
1. 訪問介護:両親と同居していることや、Aさんは、日常生活は自立していることから、現在は介護が必要な状態ではないと考えられます。よって、正解には該当しません。

2.精神科作業療法:精神科作業療法は、応用的な動作能力や社会への適応能力の回復を行うサービスになります。外来通院による精神科作業療法は必要ないとは言い切れませんが、優先順位を考えると服薬管理や症状のコントロールより優先度は低くなります。よって、正解には該当しません。

4.訪問リハビリテーション:Aさんの日常生活は自立しており、現段階での優先度は低いと考えられます。よって、正解には該当しません。

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02

正解は3です。

統合失調症とは、幻覚や妄想といった精神症状や、意欲・自発性の低下などの機能低下、認知機能の低下などを主症状とする精神疾患です。
思春期~青年期にかけて発症することが多く、男性の方が重症化しやすいといわれています。

1:Aさんは「日常生活は自立している」とあるので、介護を要する機能低下はないと考えられます。よって、訪問介護の必要はありません。

2・4:Aさんは入院中より定期的に作業療法に参加しています。退院後も作業療法やリハビリテーションへの参加はした方がいいですが、今回の問題は、退院後の服薬管理や幻聴への介入が必要であるため、この選択肢の優先順位は低くなります。

3:Aさんは「退院したら薬を飲むのをやめようかな」と話しており、入院中でも服薬は自己管理になっていますが、飲み忘れることがあるとあります。また、時折幻聴もみられています。退院後も継続して内服を行っていけるよう、介入が必要な状況なので、精神科訪問看護は必要であると考えられます。

精神科の訪問看護は、対象者ができるだけ自立して生活ができるように、服薬管理や環境を調整しながらサポートしていくサービスです。
介護サービスとは異なり、要介護認定はありません。医師が必要と判断すれば、支援の対象となります。

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03

正解は 3 です


1:設問中に「日常生活は自立」とあるため、わざわざ介護を受けさせて自立度を下げる必要は全くありません。


2・4:作業療法やリハビリテーションはどちらかというと、日常生活行動や身体の動きに対し働きかけるため、今回の問題点である服薬の確認や病状の観察に対しては効果が薄いと考えられます。


3:訪問看護であれば、ご本人が自宅での生活を続けたまま、服薬の状態や病状の観察などが行えるため、今回の選択肢の中で一番ふさわしいでしょう。

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