看護師の過去問 第103回 午後 問231

正解：4
(解説)
Aさんは退院を希望していますが、他患者への過度な干渉や自宅への頻繁な電話などの問題行動が持続しており、退院可能な状態でないのにも関わらず、退院を希望しているということは、Aさん自身の病識がまだ乏しいということが考えられます。Aさんには症状を含めた自身の現状を意識してもらうことで、治療の必要性を理解できるような関わりが必要になります。よって、正解は「4」になります。
(補足)
1について：配置換えについては、看護師の立場から介入すべきことではありません。よって正解には該当しません。

2について：他患者への過度な干渉や自宅への頻繁な電話などの問題行動が持続しており、退院可能な状態でないのにも関わらず、退院を希望しているということは、Aさん自身の病識がまだ乏しいということが考えられます。したがって、入院前の言動を本人に指摘することは、自身の問題行動をAさん自身が受け入れられる可能性は薄いと考えられます。よって正解には該当しません。

3について：入院継続への説得を両親に依頼することは家族の負担にもなり、またAさんは病識の欠如が見られることから、Aさんと家族との関係の悪化につながる可能性もあります。入院継続への説得は、医師や看護師などの医療従事者が担う役割です。よって、正解には該当しません。

正解は4です。

1：仕事上の配置転換については、看護師が意見することではありません。また、Aさんはまだ入院が必要な状態であり、医師も退院を認めていないため、配置転換しても意味がありません。

2：Aさんは病識がないため、入院前の言動について説明しても、理解することは難しいです。

3：Aさんの両親はAさんの病気を理解した上で入院させているのであり、両親の説得にて納得するのであれば、入院治療にはなっていないでしょう。

4：まずはAさんの気持ちを傾聴することが大切です。その上で、今できること・できないことを本人と一緒に確認することで、治療の必要性を理解できるよう促していく関わりが必要です。

正解は　4　です


1：本人に相談もしないまま、仕事の内容に口を出す権限は看護師には無い上、本人の同意や希望もなく、職場の人へ連絡するのは個人情報保護違反とも言えます。


2：その入院前の言動が問題で、改善するために入院しているのであり、それをリハビリや行動療法中でもない場面で指摘しても意味はありません。
反対に個人的な攻撃と受け取られ、患者との関係の構築に悪影響を及ぼす危険性もあります。


3：ご家族の説明でどうにかなるのであれば、そもそも入院する必要はなく、わざわざ両親に説明させることが必要とは考えられません。


4：Aさんの希望である職場復帰を叶えるためとして、現時点での問題点を本人と共に洗い出すことで、症状を意識し、治療に対する本人の協力が期待ができます。