看護師の過去問
第103回
午後 問235
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問題
看護師国家試験 第103回 午後 問235 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文を読み、問いに答えよ。
Aちゃん(2歳4か月、女児)は、母と会社員の父と3人で暮らしている。Aちゃんは、脳性麻痺で寝たきりのため全介助で在宅療養をしていた。3か月前に、誤嚥性肺炎(aspiration pneumonia)を発症して緊急入院し、気管切開をして人工呼吸器を装着した。現在、呼吸状態は安定しているが、啼泣時に気道閉塞があるため、夜間のみ人工呼吸器で呼吸管理を継続することになった。Aちゃんは自宅に戻って訪問看護を利用する予定である。身体障害者手帳(肢体不自由1級)を所持している。
Aちゃんの家族に必要な人工呼吸器による呼吸管理の指導の内容について適切なのはどれか。
Aちゃん(2歳4か月、女児)は、母と会社員の父と3人で暮らしている。Aちゃんは、脳性麻痺で寝たきりのため全介助で在宅療養をしていた。3か月前に、誤嚥性肺炎(aspiration pneumonia)を発症して緊急入院し、気管切開をして人工呼吸器を装着した。現在、呼吸状態は安定しているが、啼泣時に気道閉塞があるため、夜間のみ人工呼吸器で呼吸管理を継続することになった。Aちゃんは自宅に戻って訪問看護を利用する予定である。身体障害者手帳(肢体不自由1級)を所持している。
Aちゃんの家族に必要な人工呼吸器による呼吸管理の指導の内容について適切なのはどれか。
- アラーム音は即座に消音する。
- 人工呼吸器の設定は変更してもよい。
- 加湿器の滅菌蒸留水は2日ごとに交換する。
- 気管カニューレ抜去時は新しいものを挿入する。
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この過去問の解説 (3件)
01
(解説)
気管カニューレ抜去時は、新しいものを挿入する必要があります。使用済みのものを使用することで、感染症のリスクが高まる恐れがあるためです。よって、正解は「4」となります。
(補足)
他の選択肢については、以下の通りです。
1について:アラーム音の原因には、回路の損傷や接続の外れなどでおこる気道内圧の低下によるものや分泌物の貯留や回路の屈曲などでおこる気道内圧の上昇によるものなどがあります。アラームが鳴った際は、必ず原因を探り、解決しなければ、換気が不十分となり命に係わることもあります。アラームが鳴った際はすぐに消音にするのではなく、何のアラームなのか確認し、適切に対応するようにしましょう。
2について:人工呼吸器の設定は、患者一人一人に合わせて医師が行っています。許可なく変更してはいけません。よって正解には該当しません。
3について:加湿器の蒸留水は感染防止のためにも毎日交換する必要があります。よって、正解には該当しません。
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02
1:アラームが鳴った際に即座に消音にしてしまうと、アラームの原因がわからない場合があります。アラーム時は、アラームの原因を把握してから、消音にするようにします。
2:人工呼吸器の設定は、担当医によってその人に最適なように設定されています。勝手に設定を変更するのは、病状が悪化する可能性があるだけでなく、命の危険も伴うため、絶対にしてはいけません。
3:加湿器の滅菌蒸留水は基本的には毎日交換します。加湿器に加温器もついており、蒸留水は加温されていることがほとんどです。滅菌蒸留水を使用していても、加温されることにより、菌が繁殖しやすい環境になってしまいますので、毎日交換するよう指導します。
4:気管内は清潔状態と考えるので、気管カニューレ交換時も新しいものを使用します。使用済みのものを使用することによって、肺炎などの感染症を起こすリスクがあります。
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03
1:アラームを即座に消音すると、点灯していたランプまで消えてしまう機種もあります。
そうなると、アラームが鳴った原因が不明なままになるため、軽くても再度連続でアラーム鳴動するか、もしくは最悪の場合装着者の換気不全を招く恐れもあります。
そのため、アラームが鳴っているのを聞くと焦ってしまうかもしれませんが、反射的に消音するのではなく、落ち着いて原因を除去する習慣をつけてもらうようにしましょう。
2:人工呼吸器の設定は医師が装着者の体重や年齢、肺の大きさによる必要換気量などをもとに、緻密に計算して決定しています。
その指導がないまま勝手に変更するのは命の危険も伴いますので、絶対に行わないよう、変更したい場合はその理由を医師に伝えるよう説明しましょう。
3:加湿器内の滅菌蒸留水は常に加温され続ける機種もあり、装着者はそれを直接肺の中に吸い込むことになります。
2日間も交換せずにいると、せっかくの"滅菌"の意味がなくなってしまいますので、必ず毎日交換してもらうよう説明しましょう。
4:気管カニューレは気管切開部に挿入されている、気管支と人工呼吸器をつなぐチューブのことです。
根元にバルーンがついており、ベルトを首に一周させてきちんと固定ははかれるようになっていますが、入浴時や汗、気管支分泌物が溢れて汚れてしまった時などは家族が固定ベルトを交換する必要があります。
その際、不意に咳嗽反応などで気管支内圧が高まると、圧力に耐えられずに抜けてしまう場合があります。
そういった時は抜けたものをそのまま挿入しようとせず、必ず用意してあるはずの予備のカニューレを開けて挿入してもらうよう説明します。
気管支内は外部と繋がっているため、厳密な滅菌状態を取る必要はありませんが、咽頭の切開部は創傷であることは変わりなく、しかも炎症を起こしてカニューレの挿入が難しくなっても、別の部位を再切開というわけにはいきません。
一度体外に出てしまったカニューレはもう、外気に汚染された感染源の塊でしかないのです。
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