看護師の過去問
第104回
午前 問14

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問題

看護師国家試験 第104回 午前 問14 (訂正依頼・報告はこちら)

呼吸困難とはどれか。
  • 脈拍数の増加
  • 息苦しさの自覚
  • 動脈血酸素分圧〈PaO2〉の低下
  • 経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉の低下

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この過去問の解説 (3件)

01

呼吸困難とは自覚している症状のことを言いうので、2が正解です。
HR増加、Pao2の低下、spo2の低下は呼吸困難時に生じている客観的データです。

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02

正解は 2 です

呼吸困難とは、”困難”という文字の通り「呼吸が苦しい」という患者本人の主観的症状のことを指します。
その中には、動脈血酸素分圧(PaO2)や経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)などの客観的データは”含まれません”。

反対に、そういった客観的データが出ている状態のことは「呼吸不全」と呼びます。

そのため、今回の選択肢で呼吸困難として該当するのは 選択肢2.息苦しさの自覚 のみです。

呼吸困難と呼吸不全-斎藤 博久 (国立成育医療センター研究所免疫アレルギー研究部)
http://nrichd.ncchd.go.jp/imal/Publication/0605SaitoDyspnea_ShonikaShinryo.pdf


ちなみに呼吸困難の程度は主観的情報のため、看護記録に記載する際には以下のようなスケールを使用します。

【ヒュー・ジョーンズの分類】
Ⅰ度:同年代の健常者とほぼ同様の労作ができ、歩行・階段の昇降も健康者なみにできる
Ⅱ度:同年代の健常者とほぼ同様の労作ができるが、坂・階段の昇降は健康者並にできない
Ⅲ度:平地でさえ健康者なみには歩けないが、自分のペースでなら1.6km以上歩ける
Ⅳ度:休みながらでなければ50m以上歩けない
Ⅴ度:会話や着替えにも息切れがする、息切れのため外出できない


【MRCスケール】
Grade0:息切れを感じない
Grade1:強い労作で息切れを感じる
Grade2:平地を急ぎ足で移動する、または緩やかな坂を歩いて登るときに息切れを感じる
Grade3:息切れがあるせいで同年代の人よりも平坦な道を歩くのが遅い、 または自分のペースで数分間平地歩行したときに息継ぎのために休む
Grade4:息切れがひどくて外出できない、 または衣服の着脱でも息切れがする

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03

呼吸困難と呼吸不全は同義語でないということを理解しておく必要があります。
呼吸困難は”主観的症状”であり、呼吸不全は”客観的症状”です。

呼吸困難とは、臨床症状のひとつであり、呼吸という生理的行為に対して、苦痛を自覚する状態です。
よって正解は 2 . 息苦しさの自覚 となります。

3 . 動脈血酸素分圧〈PaO2〉の低下
4 . 経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉の低下
は呼吸機能が障害されることにより引き起こされるものであり、”呼吸不全”と診断される指標となります。

1 . 脈拍数の増加は 呼吸困難や呼吸不全は関係ありません。

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