看護師の過去問
第104回
午前 問41

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問題

看護師国家試験 第104回 午前 問41 (訂正依頼・報告はこちら)

慢性膵炎(chronic pancreatitis)の患者の食事療法で制限が必要なのはどれか。
  • 糖質
  • 脂質
  • 蛋白質
  • 脂溶性ビタミン

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は2です。
慢性膵炎は膵臓の中で炎症を繰り返し、消化酵素やインスリンの分泌機能が落ちている状態です。脂質を取ると腹痛を発症する可能性が高いため、脂質の摂取には注意が必要です。
1.✖️
慢性膵炎は病気の進行具合で、「代償期」「移行期」「非代償期」に分けられます。非代償期の場合は糖尿病を併発する可能性があり、その場合、糖質は制限が必要になってくる可能性がありましす。
3 .✖️
タンパク質は筋肉、骨、血液を作る大事な栄養素です。慢性膵炎だからといって制限する必要はありません。
4 .✖️
脂溶性ビタミンは油分に溶けやすいビタミンです。慢性膵炎の方は脂質をとることを制限されるため、脂溶性ビタミンの吸収も減るため、脂溶性ビタミンを制限する必要はありません。

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02

正解は 2 です

慢性膵炎は膵臓に起こる慢性的な炎症で、徐々に膵臓の機能が破壊されます。
膵臓が破壊された際に影響を受ける、内分泌と外分泌の機能を覚えていれば正解は予測できます。

外分泌:脂質を消化するための膵液(リパーゼ)等の分泌
内分泌:血糖調整のためのインスリンの分泌

1:×
膵臓は血糖値を下げるためのインスリンを分泌する臓器として有名ですが、はじめから糖質制限が必須になるわけではありません。
もちろん分泌機能の低下が著しくなり、糖尿病を併発するようになれば後々必要にはなってきます。

2:○
膵液は脂質を消化するために重要な消化酵素、リパーゼを含んでいます。
膵液は十二指腸にて胆汁で乳化され、その後リパーゼにて消化されますが、これには健康な人でも長い時間がかかります。

膵臓に炎症を起こしている患者が脂質を多く含んだ食事を摂ると、ただでさえ機能低下している膵臓にさらに負担がかかる上、その機能を補おうと膵臓が無理に膵液を分泌しようとして痛みを伴います。
その疼痛を防ぐためにも、膵炎を起こしている患者は1日15〜30g以下の低脂肪食にする必要があります。

3:×
タンパク質は筋肉や臓器など、身体の大部分を占める栄養素ですので、むやみに制限するのは望ましくありません。
高タンパク低カロリーの食事を心掛ける必要があります。

4:×
脂溶性ビタミンとは、水溶性ビタミンとは異なり、水分よりも油分に溶けやすく、油分と同時に摂取することで体内へ吸収されやすくなる栄養素です。
ビタミンAやビタミンK、ビタミンDなどがあてはまります。

膵炎の患者の場合、脂質、つまり油分が制限されますので、必然的に脂溶性ビタミンの摂取量・吸収量も減ってしまうため、反対に薬剤などで補う必要があります。

ちなみに、各脂溶性ビタミンの不足に引き起こされる疾病は以下の通りです。
ビタミンA:夜盲症、視力低下
ビタミンD:くる病
ビタミンE:溶血性貧血
ビタミンK:出血傾向

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03

慢性膵炎では脂肪を制限する必要があります。
脂肪はコレシストキニン(CCK)分泌を強く促進し、膵外分泌を刺激することで、膵炎発作を誘発するためです。

よって正解は2 .脂肪となります。

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