看護師の過去問
第104回
午後 問135

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問題

看護師国家試験 第104回 午後 問135 (訂正依頼・報告はこちら)

貧血の定義で正しいのはどれか。
  • 血圧が下がること
  • 脈拍を自覚すること
  • 立ち上がると失神すること
  • 血色素量が減っていること

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は「4」です。
貧血の定義を押さえておくことがポイントです。

貧血とは、ヘモグロビン濃度が基準値より低下した状態で、赤血球産生減少・赤血球消費量の増大(出血や溶血)・両者の合併がある場合に起こります。

ヘモグロビン濃度が低下すると血液の酸素運搬能力の低下により、微熱・皮膚/粘膜蒼白・心悸亢進・息切れ・収縮期雑音・頭痛・耳鳴り・易疲労感など様々な症状が現れます。
よって「4」が正解となります。

1~3は貧血の症状として自覚することがありますが、貧血の定義や原因ではありません。

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02

貧血の定義として、ヘモグロビン濃度が基準値を下回った場合を定義しています。

血圧が下がること、脈拍が増えること、立ちくらみを自覚するのは二次的な結果であり、貧血以外にも考えられるため、正答は4.となります。

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03

正解は 4 です


貧血はWHOでも明確な基準を定めており、そこにはヘモグロビン(血中の色素量)が成人男性は 12.5g/dl 以下、成人女性は 11.5g/dl 以下、乳幼児は 10.5g/dl 以下(他にも新生児、妊婦、高齢者など細かく規定あり)とはっきり定義されています。

蒼白な眼瞼結膜や爪の状態、皮膚のかさつきなど身体症状も指標のひとつとなりますが、確定診断としては採血によって血色素量を測定して貧血の要因まで特定を目指します。

貧血 - 日本臨床検査医学会
貧血の定義:P87 表1
貧血の確定診断の進め方:P86 図2
https://www.jslm.org/books/guideline/05_06/084.pdf


1:×
血圧が下がることは一般的に「低血圧」の状態とされており、貧血の定義として正しくはありません。
立ち上がった際に感じるふらつきなどの起立性低血圧を「脳貧血」と呼んだり、全身のだるさや息切れなど現れる症状は似通っているかもしれませんが、低血圧は心臓からの血液の拍出力や血圧の保持機能を司る自律神経などの問題、一方貧血は心臓のポンプ機能には問題がなくとも運ばれてきた血液に含まれる酸素量が少ないなどの血液の質の問題のため、全く改善のためのアプローチ方法が変わってきます。


2:×
どう自覚するのかにもよりますが、本人が脈拍を自覚することと貧血はあまり関連がありません。
ふだんより脈が早い、動悸がするという点では貧血によって足りない酸素量を補うために心臓が平常時より拍出数を上げるということは考えられますが、あくまでもそれは貧血による症状であり、またひとくちに動悸といっても原因は貧血以外にも考えられますのでそれを貧血の定義とするのは誤りです。


3:×
立ち上がった際にふらつきを感じたりめまいがしたり、意識が遠のく、失神するというのは貧血の症状が長期におよんだり重症度が増したりしたときに現れる症状でもありますが、選択肢1でも解説した通り起立性低血圧でも見られますし、三半規管に問題があり平衡感覚に障害を引き起こし、ひどいめまいによって気分が悪くなるなどの原因も考えられます。
一概に起立時に失神したからといって貧血と決めつけるのはあまりにも短慮ですし、医療者として相応しい行動ではありません。


4:○
冒頭で解説した通り、貧血の定義には明確に「血色素量」の不足だと定義されています。

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