看護師の過去問
第104回
午後 問221
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問題
看護師国家試験 第104回 午後 問221 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文を読み、問いに答えよ。
Aちゃん(生後4か月、女児)は、4、5日前から鼻汁と咳嗽とが出現し、今朝から38.0〜39.0℃の発熱があり水分摂取が困難になったため受診した。検査の結果、RSウイルス抗原陽性で急性細気管支炎(acute bronchiolitis)と診断され入院した。入院時、口唇色と顔色はやや不良、呼吸数60/分、心拍数150/分、血圧90/52mmHgで、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉88%であった。血液検査データは、赤血球480万/nL、Hb12.8g/dL、Ht39%、白血球12,000/nL、CRP5.5mg/dL。動脈血液ガス分析は、動脈血炭酸ガス分圧〈PaCO2〉45Torr、動脈血酸素分圧〈PaO2〉58Torrであった。胸部エックス線撮影で肺野に異常陰影は認められない。
去痰薬の吸入を1日3回と、口腔内と鼻腔内の吸引を適宜実施するよう指示が出された。去痰薬の吸入後、聴診をすると呼吸数48/分、右上葉の呼吸音が減弱していた。
Aちゃんの排痰を促す適切な体位はどれか。
Aちゃん(生後4か月、女児)は、4、5日前から鼻汁と咳嗽とが出現し、今朝から38.0〜39.0℃の発熱があり水分摂取が困難になったため受診した。検査の結果、RSウイルス抗原陽性で急性細気管支炎(acute bronchiolitis)と診断され入院した。入院時、口唇色と顔色はやや不良、呼吸数60/分、心拍数150/分、血圧90/52mmHgで、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉88%であった。血液検査データは、赤血球480万/nL、Hb12.8g/dL、Ht39%、白血球12,000/nL、CRP5.5mg/dL。動脈血液ガス分析は、動脈血炭酸ガス分圧〈PaCO2〉45Torr、動脈血酸素分圧〈PaO2〉58Torrであった。胸部エックス線撮影で肺野に異常陰影は認められない。
去痰薬の吸入を1日3回と、口腔内と鼻腔内の吸引を適宜実施するよう指示が出された。去痰薬の吸入後、聴診をすると呼吸数48/分、右上葉の呼吸音が減弱していた。
Aちゃんの排痰を促す適切な体位はどれか。
- 仰臥位
- 腹臥位
- 右側臥位
- 左側臥位
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この過去問の解説 (3件)
01
1.✖
生後4か月で仰臥位を保つことは難しいです。
呼吸も安定しないため、舌根沈下による呼吸障害の恐れもあるため適切ではありません。
2.✖
腹臥位が適しているのは背部に痰が溜まっている場合です。
3.✖
右側臥位が適しているのは左の肺に痰が溜まっているときに適しています。
4.〇
重力により、重いものは下に落ちます。水も痰も同じです。痰が溜まている部位を上にすることで気道に流れ着きます。よって右上葉に痰があるとした場合、適しているのは左側臥位となります。
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02
体位ドレナージとは、体位排痰とも呼ばれ、水分が多い分泌物が高い位置から低い位置へ流れる性質を利用して適切な体位をとることで、患者さん自身で気道内分泌物を除去する手助けを行う手法のことです。
重力を利用することで、少ない咳嗽(せき)の回数で痰が排出でき、呼吸苦を軽減したり、体力を温存する目的もあります。
その際はしっかりと呼吸音を聴取し、肺雑音のひどい位置や呼吸音が弱い(肺雑音が出ない=喀痰がない、ではなく完全に分泌物が気管支を塞ぎ、空気が入ってきていない場合に呼吸音が弱くなる場合もあります)位置を的確に太い気管支の入り口よりも上にもっていく必要があるため、気管支の走行位置や向きなどの肺の解剖生理を十分に理解している必要があります。
1:×
仰臥位(仰向け)にしてしまうと、肺の構造の関係から太い気管の出入り口が細気管支よりも高い位置にきてしまうため、喀痰が排出どころかさらに奥に行ってしまう危険性があり、最も不適切な体位です。
その上腹部が重力に押されることで横隔膜が挙上し、肺を圧迫するため、呼吸苦も現れてしまうので、呼吸器症状のある患者には不向きな姿勢です。
2:×
腹臥位(うつぶせ)は背面部に喀痰が貯留している際に行うべき体位であり、今回は右上葉の呼吸音が弱い(吸気が供給されていない)状態のため、不適切です。
3:×
右側臥位(右向き)は左肺に喀痰が貯留している場合にとるべき体位なので、不適切です。
4:○
左側臥位(左向き)は、今回のように右肺に喀痰が貯留していると思われる際に最適な体位です。
上葉の呼吸音が減退(浅い)状態なので、ひとつ枕を挿入するなどして上半身を挙上した左側臥位にしてあげることで本人の呼吸苦も軽減され、また喀痰の排出も促すことができるでしょう。
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03
体位ドレナージを行います。聴診により右上葉に痰の貯留が考えられます。
1(✕)仰臥位では下葉に痰が貯留しやすくなります。
2(✕)下葉に貯留した痰のドレナージに有効な体位です。
3(✕)左上葉に貯留した痰のドレナージに有効な体位です。
4(〇)左を向くことで、重力による痰の移動が期待できます。
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