看護師の過去問
第104回
午後 問225
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問題
看護師国家試験 第104回 午後 問225 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文を読み、問いに答えよ。
Aさん(30歳、経産婦)は、妊娠40週1日で、妊娠経過は順調であった。本日、午後5時に体重3,900gの女児を正常分娩した。会陰縫合術を受け、分娩時出血量は400mLであった。分娩後2時間のバイタルサインは、体温37.1℃、脈拍64/分、血圧124/70mmHgであった。排尿後の子宮底の位置は臍下1横指、収縮良好で帰室した。Aさんは午後8時に夕食を全量摂取し、寝るまでに水を500mL飲んだ。
翌朝、Aさんは体温36.8℃、血圧116/66mmHgであった。就寝後から朝まで排尿はなく、子宮底の位置は臍高であった。
Aさんの状態で経過観察してよいのはどれか。
Aさん(30歳、経産婦)は、妊娠40週1日で、妊娠経過は順調であった。本日、午後5時に体重3,900gの女児を正常分娩した。会陰縫合術を受け、分娩時出血量は400mLであった。分娩後2時間のバイタルサインは、体温37.1℃、脈拍64/分、血圧124/70mmHgであった。排尿後の子宮底の位置は臍下1横指、収縮良好で帰室した。Aさんは午後8時に夕食を全量摂取し、寝るまでに水を500mL飲んだ。
翌朝、Aさんは体温36.8℃、血圧116/66mmHgであった。就寝後から朝まで排尿はなく、子宮底の位置は臍高であった。
Aさんの状態で経過観察してよいのはどれか。
- 尿意なし
- 脈拍110/分
- 軟らかく触れる子宮底
- 会陰切開縫合部の痛み
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この過去問の解説 (3件)
01
出産後は膀胱括約筋が伸びた状態のため、排尿がしにくくなります。膀胱麻痺も可能性もあるため、定期的に排尿を促す必要があります。
2.✖
出産後に頻脈が見られることは多くありません。
全身状態と照らし合わせ、精密検査が必要な場合もあります。
3.✖
出産後の子宮底は硬く触れます。
そのため、柔らかく触れるということは、子宮復古不全が考えられるため、促すためのマッサージ等必要となります。
4.〇
会陰切開部の痛みがある場合は、出血、血腫、腫脹、感染兆候が認めれる場合は抗生剤投与などの処置が必要となります。
よって正解は4です。
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02
1:×
設問によると、Aさんは今回の出産で3,900gの胎児を正常分娩しています。
体重でいうと高出生体重児の1歩手前の、かなり体格の良い児です。
大きく成長した児を正常(経膣)分娩した際には骨盤が開き、骨盤底にある膀胱括約筋が伸ばされて、一時的に尿意を感じにくくなることがあります。(分娩後膀胱麻痺)
そのため導尿を行う場合もありますが、歩行可能であれば本人に3~4時間おきに意識的にトイレに行って排尿してもらうよう促します。
ちなみに、出生時の体重による分類は以下の通りです。
超低出生体重児 ーー1,000g未満
極低出生体重児 ーー1,500g未満
低出生体重児 ーーー2,500g未満
正出生体重児 ーーー2,500以上 4,000g未満
高出生体重児ーーー4,000g以上
低出生体重児保健指導マニュアル:出生体重からの定義(P3・表1)ー厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/boshi-hoken/dl/kenkou-0314c.pdf
2:×
出産後は基本的に脈拍が大きく乱れることはなく、本来平時と変わらないはずです。(時折一過性で40~60回/分の徐脈が現れる方もいます)
そのためこの脈拍数は異常値なので、原因を追求する必要があります。
3:×
妊娠により大きく膨らんだ子宮は、胎盤が排出された直後から急激に収縮し、一気に臍下5~6cmまで小さくなります。
その後、人によっては痛みを伴いながら(後陣痛と呼ばれます)収縮していき、分娩後12時間では一度臍ぐらいの高さまで変化したのち、臍下一横指(臍の一から指1本分の高さ)、二横指、と下がっていき、本来の位置である骨盤内までもどっていきます。この一連の流れを子宮復古と呼びます。
上記が子宮復古の本来の流れですが、胎盤の残留物が子宮内にとり残されていたり、子宮の収縮する力が足りなかったりすると子宮復古がうまく行われないことがあります。
その状態を”子宮復古不全”といいます。
子宮復古の様子は子宮底の高さや触れる子宮の硬さによって、進み具合が測れるため、定期的に観察する必要があります。
回復途中の子宮底は本来、収縮しているため硬いはずなので、設問のように柔らかく触れるのは収縮不足による子宮復古不全の前兆と考えられます。
経過観察のみではなく、後陣通の有無の聴取や悪露の観察等を行い、必要であれば温罨法やマッサージ、体操などで子宮の収縮を促すための働きかけを行います。
4:○
正常(経膣)分娩、特に体重の大きな児の分娩の場合、通常の分娩体位の際、児の頭が出てくる際(発露)に膣の肛門側に負担がかかり、児の頭が出にくかったり膣内部が裂けてしまうことがあります(会陰裂傷といいます)。
それを予防するため、病院にもよりますが主に膣と肛門を直線で結んだ線上(時計では6時の位置、正中切開という)や、そこからやや右側に逸れた位置(時計の4時の位置、正中側切開という)を切開することがあります。
裂傷であろうと切開であろうと分娩後に縫合を行いますし、その傷口が痛むのは傷である以上は致し方ありません。
痛みの訴えがあった場合はきちんと創部を観察した上で、腫れや赤み等の感染の兆候が見られなければ経過観察とします。
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03
1.(✕)分娩後数日間は尿量が減少しますが、分煙後膀胱麻痺とよばれる一過性の排尿困難がみられることがあります。
2.(✕)産後の正常な脈拍数は非妊時と変わらず60~80回/分です。出血多量、感染、疲労、心疾患の心不全徴候は頻脈につながることがあります。
3.(✕)子宮収縮が良好な場合、硬式テニスボールくらいの硬さを基準とします。
4.(〇)会陰切開の痛みは、悪化がないか経過観察を続けます。
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