看護師の過去問
第104回
午後 問226
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問題
看護師国家試験 第104回 午後 問226 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文を読み、問いに答えよ。
Aさん(30歳、経産婦)は、妊娠40週1日で、妊娠経過は順調であった。本日、午後5時に体重3,900gの女児を正常分娩した。会陰縫合術を受け、分娩時出血量は400mLであった。分娩後2時間のバイタルサインは、体温37.1℃、脈拍64/分、血圧124/70mmHgであった。排尿後の子宮底の位置は臍下1横指、収縮良好で帰室した。Aさんは午後8時に夕食を全量摂取し、寝るまでに水を500mL飲んだ。
産褥2日の午前10時。Aさんは「9時に排尿したとき、3cm大の血の塊がでました。大丈夫でしょうか」と訴えた。このとき、体温37.3℃、脈拍60/分、血圧120/64mmHgであった。子宮底の位置は臍高で軟らかく、後陣痛は増強している。乳管口の開口数は左右3本ずつで初乳がみられ、乳房の発赤、硬結および熱感はない。
Aさんの状態で最も疑われるのはどれか。
Aさん(30歳、経産婦)は、妊娠40週1日で、妊娠経過は順調であった。本日、午後5時に体重3,900gの女児を正常分娩した。会陰縫合術を受け、分娩時出血量は400mLであった。分娩後2時間のバイタルサインは、体温37.1℃、脈拍64/分、血圧124/70mmHgであった。排尿後の子宮底の位置は臍下1横指、収縮良好で帰室した。Aさんは午後8時に夕食を全量摂取し、寝るまでに水を500mL飲んだ。
産褥2日の午前10時。Aさんは「9時に排尿したとき、3cm大の血の塊がでました。大丈夫でしょうか」と訴えた。このとき、体温37.3℃、脈拍60/分、血圧120/64mmHgであった。子宮底の位置は臍高で軟らかく、後陣痛は増強している。乳管口の開口数は左右3本ずつで初乳がみられ、乳房の発赤、硬結および熱感はない。
Aさんの状態で最も疑われるのはどれか。
- 産褥熱(puerperal fever)
- 乳腺炎(mastitis)
- 子宮復古不全(subinvolution of theuterus)
- 妊娠高血圧症候群(pregnancy–induced hypertension)
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この過去問の解説 (3件)
01
産褥熱は、出産から24時間以降で、産褥10日以内に2日以上38℃以上の発熱が認められることを言います。
2.✖
乳管口が開通し、初乳はあります。また、硬結や熱感が認められないので、乳腺炎の可能性は低いと考えます。
3.〇
子宮底の位置が高いということは子宮復古不全を疑います。
4.✖
血圧は正常範囲であるため、妊娠高血圧症候群とは考えられません。
よって正解は3です。
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02
1:×
産褥熱とは「分娩終了から24時間以降、10日以内に2日以上、38℃以上の発熱が続く場合」と定義されており、臨床的には子宮を中心とした骨盤内感染症とほぼ同じ意味として使用されます。
設問の観察内容の通り、Aさんの体温は37℃に留まり、この定義には該当しないため、この選択肢は誤りです。
産科感染症の診断と治療(PDF):産褥熱(N-463)ー日本産科婦人科学会
http://www.jsog.or.jp/PDF/54/5410-457.pdf
2:×
乳腺炎とは、母乳分泌する乳腺が、母乳の詰まりや細菌感染により炎症を起こした状態のことをいいます。
乳腺が詰まった状態(うっ滞性乳腺炎)の場合は乳管口の開口部自体や初乳の滲みがみられず、乳房の腫脹や痛み・発赤・乳房内の硬結が出るはずです。
感染の場合(化膿性乳腺炎)にも、乳房の発赤や疼痛・熱感や硬結があるはずです。
Aさんは体温こそ37.3℃とやや高めですが、設問内の情報では初乳もあり、発赤・硬結・熱感もないとのことなので、乳腺炎の可能性は低いと判断できます。
3:○
Aさんは現在産後2日目、本来であれば子宮底の高さは臍下1〜2横指、悪露は暗赤色をしているはずです。
しかし設問によると、後陣痛はありますが子宮底は臍の高さの上、柔らかく触れています。
後陣痛があるにも関わらず、子宮底が柔らかいのは、子宮の収縮不足を示す典型的な症状です。
その上、悪露は3cm大の塊が出たとのことであれば、それは子宮内に胎盤や卵膜等の残骸が残留しており、そのせいで子宮の収縮が阻害されているということです。塊の悪露は残骸のかけらでしょう。
悪露の状態は人それぞれであり、安直に塊が出た=子宮復古不全と言える訳ではありませんが、今回のAさんの場合はそれぞれの情報をつなぎ合わせることで、おのずと子宮復古不全という判断が導き出されます。
4:×
Aさんの血圧は 120/64mmHg と、特に異常な高血圧とはいえないため、この選択肢は該当しません。
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03
1.(✕)産後24時間以降、10日以内に2日以上にわたり38.0℃以上の発熱をきたすものを「産褥熱」といいます。
2.(✕)乳房の発赤、硬結および熱感はないため、乳腺炎の可能性は低いといえます。
3.(〇)子宮底が軟らかく触れ、血の塊が悪露としてでていることから、子宮復古不全が疑われます。
4.(✕)血圧は正常であり、妊娠高血圧症候群は疑われません。
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