看護師の過去問
第104回
午後 問227

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問題

看護師国家試験 第104回 午後 問227 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み、問いに答えよ。

Aさん(30歳、経産婦)は、妊娠40週1日で、妊娠経過は順調であった。本日、午後5時に体重3,900gの女児を正常分娩した。会陰縫合術を受け、分娩時出血量は400mLであった。分娩後2時間のバイタルサインは、体温37.1℃、脈拍64/分、血圧124/70mmHgであった。排尿後の子宮底の位置は臍下1横指、収縮良好で帰室した。Aさんは午後8時に夕食を全量摂取し、寝るまでに水を500mL飲んだ。

産褥5日。Aさんは、体温37.0℃、脈拍66/分、血圧118/60mmHgであった。子宮底の位置は恥骨結合上3横指で、収縮は良好であった。児の体重は3,950g。直接授乳を行っており、授乳後に児はよく眠っていた。Aさんは「本日退院ですが、家で気をつけることは何でしょうか。教えてください」と話す。
Aさんに対する退院後の指導で最も適切なのはどれか。
  • 「浴槽に入って清潔にしてください」
  • 「蛋白質の少ない食事にしてください」
  • 「悪露が増えたときは受診してください」
  • 「授乳ごとに赤ちゃんへ追加のミルクを飲ませてください」

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この過去問の解説 (3件)

01

1.✖
退院後の1か月健診で、会陰切開部の状態や、その他感染等疑われる所見がなくなった時に入浴許可が下ります。
2.✖
タンパク質は制限せず、非妊娠時の女性より多めのタンパク質補給を心掛けるよう指導する。
3.〇
退院後に悪露が増えるなどの症状があったときは受診を勧めるようにする。
4.✖
出生後に新生児の体重は一度減った後、母乳等の栄養により増加を始めます。この段階での体重は出生時を超えていますので、母乳で十分補えていることになります。授乳ごとにミルクを追加する必要は低いと考えられます。

よって正解は3です。

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02

正解は 3 です

1:×
設問内にAさんは会陰縫合術を行なっているとあります。
その場合、創部からの感染を予防するため、退院後の入浴は基本的にシャワー浴ですませてもらい、入浴が可能となるのは傷口が完全に塞がる約3〜4週間後になります。


2:×
厚生労働省の定めた「日本人食事摂取基準・妊婦・授乳婦」では、授乳婦の推奨タンパク質量は妊婦時よりも多く、基準値の10g/日より+20gとなっているため、この選択肢は誤りです。

参考:日本人食事摂取基準 参考資料1 対象特性-妊婦・授乳婦 (P350 表3)
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000114401.pdf


3:○
Aさんの状態は産後5日目であり、そろそろ悪露の性状も鮮血様から茶褐色へ変化していってもよい頃合いです。

その後、子宮内膜が再生するにつれ、子宮の収縮も進み、本来はにおいや悪露の性状も落ち着き、茶褐色から淡黄色へ変化していくはずですが、なんらかの理由で子宮内膜の回復が遅れたりすると、その通りには変化しません。

特にAさんは前の設問で一時的に子宮の収縮不足による子宮復古不全を起こしていますので、今後も子宮内に残っていた残渣等が急に排出され、悪露が増えるという可能性は低くありません。
よって、今回の選択肢の中で最も正しく、必要な声かけはこちらとなります。


4:×
設問中の文章より、児の体重は出生時より50g順調に増加しており、また直接授乳後もよく眠っていた、とあり現在の授乳量で問題ないことが伺えます。(ミルクの量が不足している場合、児がいつまでも乳頭から離れようとせず、極端に授乳時間が長くなったり、授乳直後だと泣いたり機嫌が悪かったりします)
本来、母乳量が足りていれば人口のミルクを足す必要はありませんので、この声かけの必要性は低いです。

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03

正解は3です。

1.(✕)感染予防と、血流増加による悪露の出血を多くしないためにも、浴槽への入浴ではなくシャワ-浴をすすめます。
2.(✕)タンパク質を補うような食事をとるようすすめます。
3.(〇)悪露は出産後1カ月程度続く出血ですが、量は次第に減ってきます。増えるときには、受診をすすめます。
4.(✕)授乳後、児はよく眠っていることから、追加のミルクは必要ないと考えます。

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