看護師の過去問
第104回
午後 問228

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問題

看護師国家試験 第104回 午後 問228 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み、問いに答えよ。

Aさん(52歳、女性、専業主婦)は、夫と2人の息子との4人で暮らしている。Aさんは内向的な性格であり、順番にまわってきた町内会の役員を引き受けたことで悩むことが多くなった。2か月前から食欲不振と不眠が続いている。1か月前から家事ができなくなり、死んでしまいたいと言い始めたため、夫が付き添って精神科を受診したところ、うつ病(depression)と診断された。

Aさんは「いつも体がだるくて、何もしたくない。生きていても皆に迷惑がかかるだけだ」と話す。体重減少と長期間続く不眠のため、疲れ果てた様子をみせていることから、その日のうちに入院し、薬物治療が開始された。
入院当日の観察項目で優先度が高いのはどれか。
  • 清潔状態
  • 水分摂取量
  • 意識レベル
  • 他者との交流状況

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この過去問の解説 (3件)

01

1.✖
清潔状態は感染の面においても必要な観察項目ではありますが、優先度を考えた場合、上位に入るものではありません。(今回の設問内において)
2.〇
うつにより、食事量が低下することがあります。それに伴い水分量の低下も予測できます。脱水は全身状態の低下を引き起こすため、優先的に観察する必要があります。
3.✖
意識レベルは、会話が可能なことから問題ないと考えられます。
4.✖
入院当日というところが大切です。気分や意欲が低下している状態で入院しましたので、他の入院患者と交流がすぐできなくても大きな問題ではありません。
よって正解は2です。

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02

正解は 2 です

うつ状態で入院が必要と判断された患者の場合、多くは何かを行う気力や意欲もなく、目を開けたまま眠っているかと思えるほど活動量が減少します。

そのため、食事や身だしなみ・着替えなどの清潔動作、時には発語すらも行われなくなるため、看護者が注意を払って様子観察し、生命活動に直接影響する項目から優先的に援助します。


1:×
うつ状態の場合、意欲の低下により、髪を梳かす・着替える・洗面・入浴等の清潔動作の一切を行わなくなることもあります。
もちろん、この項目を行えるよう援助する必要もありますが、まずは直接的に命に関わる選択肢2の方が優先度としては高いです。


2:○
うつ状態に伴う意欲の低下と、本人の「生きていても迷惑になる」という発語からも、生命活動を維持するための行動を自発的に行わない危険性が予測されます。
特に設問中にもすでに体重減少があると記載があり、もともと食事量が減っていた可能性も推測できます。

これでさらに意欲が低下すると、食事だけでなく飲水すらも行わなくなり、脱水を引き起こしてしまう危険性もあるため、まずは生命に関わる水分摂取量を観察し、必要とあれば輸液や血液検査による栄養状態の観察を行う必要もあります。


3:×
意欲や自発性の低下から確かに発語は少なくなるでしょうが、現時点では発語もしっかりしており、うつ状態であること以外の兆候も見られないため、意識レベルを観察する必要性は低いです。


4:×
うつ状態になり意欲や自発性が低下しても、感受性まで低下するわけではありません。

特に今回のAさんの場合、設問中でも内向的な性格とあり、もともと他者との交流を積極的に行う方ではなく、また発病のきっかけも町内会役員に選出され、活動する上で悩んでしまうことが多かったからと推測されます。

こういった性格の方の場合、他者との交流が強いストレスとなり、悪化の要因ともなるため、接触は必要最低限ととどめ、まずは精神的な休養を促すほうが先決でしょう。

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03

正解は2です。

1.(✕)全身状態の把握が優先です。
2.(〇)食欲不振、体重減少もみられており、全身状態を把握するため水分摂取量の把握も必要です。
3.(✕)夫が付き添っての受診、自分の思いも話せており、意識レベルの低下はみられていません。
4.(✕)全身状態の把握が優先です。

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