看護師の過去問
第104回
午後 問230

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

看護師国家試験 第104回 午後 問230 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み、問いに答えよ。

Aさん(52歳、女性、専業主婦)は、夫と2人の息子との4人で暮らしている。Aさんは内向的な性格であり、順番にまわってきた町内会の役員を引き受けたことで悩むことが多くなった。2か月前から食欲不振と不眠が続いている。1か月前から家事ができなくなり、死んでしまいたいと言い始めたため、夫が付き添って精神科を受診したところ、うつ病(depression)と診断された。

入院後2か月。Aさんと夫は主治医と面接し、Aさんは2週後に自宅への退院を目指すことになった。それ以来、Aさんは積極的に病院から自宅への外出を繰り返すようになったが、夕方に外出から戻ってくるとすぐにベッドに入り臥床していることが多くなった。
うつ病(depression)の回復期にあるAさんについて情報収集する項目で優先度が高いのはどれか。
  • 希死念慮の確認
  • 外出時の食事内容
  • 外出時の服薬状況
  • Aさんの家庭の経済状況

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

正解は 1 です

1:○
うつ病の患者で一番注意すべきなのが”回復期”です。
直接的な言葉を使うと、自殺するための準備や行動を起こすための気力や意欲、体力があるため、落ち込んだ気持ちのまま突発的な行動をとってしまう割合が高いからです。

今まで意欲低下で動くこともままならなかった状態から、症状の改善により多少行動範囲が広がり、活動的になります。この時期を”回復期”と呼びます。

うつ病を発症しかけており、今までできていたことがうまくいかずにイライラする"前駆期"や、自殺するための行動を起こすことすらできなかった症状のピークである”極期”よりも、この回復期の自殺率がすば抜けて高いのは、そういった背景があるからなのです。

そのため、外出制限を行うかどうかの判断のためにも、希死念慮(死にたいと思う気持ち)が湧き上がることがあるかどうかという、直接生命に関わる危険性が高いこの選択肢がもっとも優先されることになります。


2:×
Aさんの入院要因はうつ病であり、過食や拒食ではないため、よほどの体重の増減や食欲の変化がない限り、特に確認の必要はなく、優先度は低いです。


3:×
薬剤を看護者が管理しない状況で、きちんと服薬できているかは確かに確認すべきですが、まずは何よりも直接生命に関わる危険性のある選択肢1の方が優先されます。


4:×
設問中には特にAさん自身や夫などの治療行為を継続するにあたっての不安言動などの情報はありませんので、この選択肢の優先度は最も低くなります。

参考になった数1

02

正解は1です。

うつ病の回復期には、気分の落ち込みなどはそのままなのに、身体が動けるようになるため、突発的に自殺企図を起こすことがあるので、要注意です。

参考になった数1

03

1.〇
うつ病の回復期にいて一番注意したいことが希死念慮です。心も体も回復してきた中で、完全に解消されていない自分は役に立たない人間なんだという気持ちが自殺へと行動化しやすくなります。夕方にベッドに入って休むことが多くなったことは、疲労からくるものなのか、精神的に落ち込んでいるのか状況の把握が必要となる。危険度は高いと言えます。
2.✖
優先度は低いです。
3.✖
優先度が低いです。
4.✖
優先度が低いです。

よって正解は1です。

参考になった数0