看護師の過去問
第104回
午後 問234
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問題
看護師国家試験 第104回 午後 問234 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文を読み、問いに答えよ。
Aさん(35歳、男性、建設業)は、両親と3人で暮らしている。3年前の仕事中に屋根から転落して、第12胸髄を損傷した。1か月前から車で作業所に通い、作業中はほとんど車椅子に座っている。週1回の訪問看護を利用している。
訪問時、仙骨部に軽度の発赤を認めた。
褥瘡悪化予防のためにAさんに勧める内容で最も適切なのはどれか。
Aさん(35歳、男性、建設業)は、両親と3人で暮らしている。3年前の仕事中に屋根から転落して、第12胸髄を損傷した。1か月前から車で作業所に通い、作業中はほとんど車椅子に座っている。週1回の訪問看護を利用している。
訪問時、仙骨部に軽度の発赤を認めた。
褥瘡悪化予防のためにAさんに勧める内容で最も適切なのはどれか。
- 仙骨部のマッサージを行う。
- リクライニング式の車椅子を利用する。
- 作業中にプッシュアップ動作を取り入れる。
- 座るときは膝関節と股関節を60度に曲げる。
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この過去問の解説 (3件)
01
発赤があることから、軽度の褥瘡が考えられます。マッサージは褥瘡を悪化させるため、好ましくありません。
2.✖
仙骨部への負担軽減は得られにくいため、最善な方法ではないと考えられます。
3.〇
プッシュアップ動作を定期的に行うことで、仙骨部の褥瘡悪化予防を行うことが出来ます。
また、プッシュアップにより除圧が出来ます。
4.✖
60度では角度が足りません。90度の屈曲が必要です。
よって正解は3です。
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02
1:×
数十年前の褥瘡治療の方法であれば、軽度褥瘡の改善のために発赤部分をマッサージすると良いと言われていました。
ですが、現在の褥瘡治療ではそれは逆効果であり、発赤部に刺激を与えてしまい、皮膚剥離の危険性もあるという考え方が一般的ですので、この選択肢は誤りです。
似たような「昔はよいとされていたが、現在では逆効果」とされる治療法には円座の使用もあります。(仙骨部の圧は取り除けるが、それ以外の部位に通常ではかからない圧がかかり、坐骨結節部などの褥瘡の危険性が増すため)
2:×
リクライニング式の車椅子に変えたところで、仙骨部や臀部にかかる圧が変わるわけではないので、誤りです。
その上、せっかく座位を保てるだけの腹筋の力があったものを、リクライニング式の姿勢をとり続けることで、筋力低下を招き、自立度が下がる恐れもあるので、そういった意味でも好ましくありません。
3:○
プッシュアップ動作とは、分かりやすく言えば車椅子からの立ち上がり運動のことです。
褥瘡の一番の予防は、一定時間ごとの体位交換で圧を取り除き、圧迫されていた部分に血流を流すことです。
車椅子で生活している以上、座位が長時間行われることは避けられませんが、一定時間ごとに立ち上がり、除圧と血流を促すことで効果的な予防となるでしょう。
胸髄損傷にて下肢の感覚がないことが予測されるので、動作を行う目安は「下肢が痺れたら」など主観的なものではなく「2時間おき」など客観的な情報で定めます。
4:×
膝関節と股関節を60度に曲げた際にとられる姿勢はリクライニング車椅子に座っているのと似たような姿勢になります。
座位をとる際に望ましい股関節と膝関節の角度は共に90度です。
それでも臀部にかかる圧という問題は変わらないため、選択肢3が最も効果的な対処法となります。
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03
1.(✕)発赤は毛細血管が拡張した結果できます。マッサージをすることで、さらに毛細血管が破壊され、発赤が悪化するので避けます。
2.(✕)リクライニングすることで、仙骨部の除圧は図れるが、AさんのADLの状態では第一選択ではありません。
3.(〇)プッシュアップ動作は、両手で肘かけにつかまり、臀部を浮かせる除圧方法です。
4.(✕)膝関節、股関節は90°で座ります。そうすることで、圧力は臀部から大腿後面に移動します。大腿後面は骨突出もなく、臀部より支持面積が広いことから褥瘡予防につながります。
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