看護師の過去問
第105回
午前 問82
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問題
看護師国家試験 第105回 午前 問82 (訂正依頼・報告はこちら)
慢性腎不全(chronic renal failure)によって起こるのはどれか。2つ選べ。
- 低血圧
- 低リン血症
- 低カリウム血症
- 低カルシウム血症
- 代謝性アシドーシス
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この過去問の解説 (3件)
01
×不正解
腎臓は血圧を上昇させるホルモン=レニンがあります。レニンは輸入細動脈の壁にある傍糸球体細胞から分泌され、血中にあるアンギオテンシノーゲンをアンギオテンシンⅠに変換します。その後いくつかの過程を経て副腎皮質からアルドステロンが分泌される事で腎臓からのナトリウムの再吸収を促し、循環血液量が増加する事で血圧を上昇させます。
慢性腎不全ではそのレニンが過剰に分泌されるため、循環血液量が増加した状態なので、高血圧になります。よって、不正解です。
2 . 低リン血症
×不正解
腎機能が低下するとリンが尿から排出されず、血液中のリンの値は高くなります。高リン血症になるので、不正解です。
3 . 低カリウム血症
×不正解
腎機能が低下するとカリウムが尿から排出されず、血中のカリウム値が高くなります。よって、高カリウム血症になるので、不正解です。
4 . 低カルシウム血症
○正解
腎臓はビタミンDを活性化することで腸から血中へのカルシウムの吸収を促します。しかし、慢性腎不全になるとその機能が低下するため、血液中のカルシウムの値が低くなります。よって、低カルシウム血しょうになるので正解です。
5 . 代謝性アシドーシス
○正解
体内では多くの酸性の物質を作っています。それを呼吸や尿を酸性にすることで排出して体の状態を均衡にしています。
慢性腎不全で尿が排出できなくなると、体が酸性に傾くため、代謝性アシドーシスといわれる状態になります。よって、正解です。
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02
腎臓は血液を濾過し、体に有害な物質(尿素)や余分な水分、余分な電解質(ナトリウム、カリウム、リンなど)を体外に排出することで、調節しています。また、体内で産生された水素イオンを重炭酸で中和して、血液のpHを保つはたらきもあります。
したがって、腎不全により腎臓の機能が低下すると様々な症状をきたします。
1.誤り。水分の排泄が滞り、血液量が増加し、高血圧をきたします。
2.誤り。リンを排泄できなくなるため、高リン血症をきたします。
3.誤り。カリウムを排泄できなくなるため、高カリウム血症をきたします。
4.正解。腎臓はカルシウムの吸収に必要な活性型ビタミンDを産生しています。しかし、腎不全ではこのビタミンDの産生が低下するため、カルシウムを吸収できず、低カルシウム血症をきたします。
5.正解。腎臓の機能が低下すると水素イオンが増加すると血液は酸性に傾き代謝性アシドーシスをきたします。アシドーシスをきたすと体は呼吸によってpHを保とうとするため、頻呼吸や息切れなどの症状が現れます。
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03
腎機能が低下すると、尿中に水素イオンが蓄積し、血液は酸性となり、代謝性アシドーシスとなります。
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