看護師の過去問
第105回
午前 問90

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問題

看護師国家試験 第105回 午前 問90 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み、問いに答えよ。

Aさん(64歳、女性)は、慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease)で通院加療中である。1週前から感冒様症状があり市販薬を服用し経過をみていたが、呼吸困難を訴えた後、反応が鈍くなり救急車で搬送された。Aさんは肩呼吸をしており、発汗が著明で口唇は乾燥している。体温38.3℃、呼吸数35/分、脈拍108/分、血圧96/70mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉89%であった。ジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉Ⅱ-30。動脈血液ガス分析では動脈血酸素分圧〈PaO2〉60Torr、動脈血炭酸ガス分圧〈PaCO2〉68Torr、pH7.29であった。

この時点でのAさんのアセスメントで誤っているのはどれか。
  • 脱水である。
  • 意識障害がある。
  • アシドーシスである。
  • ショック状態である。

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この過去問の解説 (3件)

01

1 . 脱水である。
○正しい
「発汗が著明、口唇の乾燥、体温38.3℃=発熱、脈拍108/分=頻脈」という情報から脱水であると考えられます。

2 . 意識障害がある。
○正しい
ジャパン・コーマ・スケールは覚醒の程度によって意識障害を分類したものです。数値が大きくなるほど意識障害が重いことを示しています。
「ジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉Ⅱ-30」という情報からⅡレベルでは「刺激すると覚醒する〜刺激を止めると眠り込む」のが基本的な状態で、30という数値により「痛み刺激と呼びかけを繰り返すと、かろうじて開限する」状態であることがわかります。
意識障害が出ているので、正しいです。

3 . アシドーシスである。
○正しい
「動脈血液ガス分析では~pH7.29」という情報から読み取ります。
pHの基準値は7.35~7.45の間で、7.35以下になるとアシドーシスです。呼吸数35/分であることから、呼吸性アシドーシスであると考えられます。

4 . ショック状態である。
×誤り
ショックとは、様々な原因によって血圧が通常時より大きく低下し、全身の重要な臓器・組織へ十分な血流が保てなくなった状態のことを指します。収縮期血圧90mmHg以下の低下を指標とします。また、交感神経系の緊張から頻脈、顔面蒼白、冷汗などの症状が現れます。
Aさんは血圧96/70mmHgなので、ショック状態とはいえない状態なので誤りです。

よって、4が正解になります。

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02

正解は4です。

1.正解。発汗、口唇の乾燥、体温の上昇、頻脈から脱水状態であることが考えられます。

2.正解。ジャパンコーマスケール(JCS)Ⅱ−30とは「痛み刺激を加えつつ呼びかけを繰り返すことにより開眼する状態」を指し、中程度の意識障害を起こしている状態です。

3.正解。動脈血ガス分析ではpH7.29とあります。正常pHは7.35〜7.45であり、pH7.35以下でアシドーシス、pH7.45以上をアルカローシスをきたします。設問の事例は呼吸数が35回/分に上昇しており、呼吸性アシドーシスが考えられます。

4.誤り。ショックは出血や脱水などが原因でおこる「循環血液量減少性ショック」、心筋梗塞や心筋炎などが原因でおこる「心原性ショック」、肺血栓塞栓、心タンポナーデなどが原因でおこる「心外閉塞・拘束性ショック」、アナフィラキシーや薬物性、敗血症などが原因でおこる「血液分布異常性ショック」の4つに分類されます。
ショックの5徴候には「冷汗」「蒼白」「虚脱」「脈拍微弱」「呼吸不全」があります。また、それ以外の診断基準として、収縮期血圧90mmHg未満または通常血圧より30mmHg以上の血圧下降や、尿量の減少などがあります。
設問の事例は血圧96/70mmHgと、収縮期血圧は90mmHg以上を維持しているため、ショック状態ではありません。

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03

高熱で発汗が著明で口唇は乾燥しているため、脱水であると考えられます。
JCSⅡー30は痛み刺激に加えつつ、呼びかけを繰り返すことにより開眼するので、意識障害は起きています。
アシドーシスとはpHが7.35以下になっている状態を言います。
ショック状態は血圧低下、チアノーゼ、冷汗、呼吸不全などの症状があります。

参考になった数1