看護師の過去問
第105回
午前 問109

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問題

看護師国家試験 第105回 午前 問109 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み、問いに答えよ。

Aさん(36歳、経産婦)は、夫と長男(3歳)との3人で暮らしている。妊娠40週0日、午前9時にAさんは陣痛開始のため入院した。このときは未破水であった。午後1時、体温36.8℃、脈拍64/分、血圧126/70mmHgであった。Aさんに分娩監視装置を装着したところ、陣痛間欠4分、胎児心拍数基線は140bpmで、一過性徐脈はみられなかった。午後2時、破水感があり医師が診察したところ、子宮口は7cm開大であり、羊水の流出がみられた。

午後2時30分、Aさんは3,300gの女児を正常分娩した。分娩時の出血量は200mLであった。産褥3日、体温37.0℃、脈拍76/分、血圧118/60mmHgであった。血液データは、Hb11g/dL、Ht35%であった。子宮底の位置は臍下2横指で硬く、赤色の悪露がみられた。乳房は左右とも張り、乳管の開口数は3本ずつで黄色の乳汁が分泌している。乳頭の伸びは少なく児が吸啜するまでに時間がかかっている。
看護師のAさんへの対応で最も適切なのはどれか。
  • 鉄分の多い食事を勧める。
  • 子宮底に冷罨法を行う。
  • 乳頭のケアを行う。
  • 授乳を中止する。

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この過去問の解説 (3件)

01

1 . 鉄分の多い食事を勧める。
×不正解
妊娠性貧血はヘモグロビン11g/dl以下、ヘマトクリット33%未満と定義されています。
質問では出血量は200ml、血液データはHb11g/dL、Ht35%です。正常分娩での出血量は500ml未満なので、分娩時の出血量は正常です。また、血液データからも、ギリギリのラインなので、鉄分の多い食事を勧めることは間違いではありませんが、産褥3日目なので、経過観察をする時期です。また、正解の選択肢と比較しても優先順位は低くなります。

2 . 子宮底に冷罨法を行う。
×不正解
この質問では子宮底の位置は臍下2横指で硬く、赤色の悪露も出ています。
産褥3日目の子宮底の位置の目安は臍下3横指です。しかし、明らかに高いわけではなく、硬いので順調といえます。冷罨法は必要ありません。

3 . 乳頭のケアを行う。
○正解
この質問のAさんは、乳房は左右とも張り、乳管の開口数は3本ずつで黄色の乳汁が分泌している。乳頭の伸びは少なく児が吸啜するまでに時間がかかっています。
乳管開口部の数は4本~18本といわれているので、Aさんの乳管は問題のない範囲と言えます。
乳房は左右とも張っていること、乳頭の伸びは少なく児が吸啜するまでに時間がかかっていることから、乳頭のケアをして乳頭を柔らかくすることで新生児の吸啜を促すことが今の段階で大切になります。

4 . 授乳を中止する。
×不正解
Aさんが「授乳しない」という意思があったり、治療等の理由で授乳を中止する必要がある時を除いて授乳を中止する必要はありません。
むしろ、授乳を促す事でAさんの子宮復古も促せますし、新生児との愛着形成のためにも役立ちます。

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02

正解は3です。

1.誤り。妊産婦は妊娠性の変化や分娩に伴う出血により、貧血状態を呈しやすいため、鉄分の多い食事を勧めることは誤りではありません。
しかし、設問の事例において血液データ上はHb11g/dL、Ht35%と貧血は認めず、優先順位は3より低いです。(妊婦貧血診断基準はHb11g/dL、Ht33%未満)

2.誤り。子宮の収縮は順調であり、現在の状態で冷罨法を優先的に実施する必要はありません。

3.正解。乳管の開口数は3本、黄色の初乳も認めており、乳管開通状態は良好です。しかし乳頭の大きさや形、柔軟性には個人差が大きく、乳頭のケアを行い、児が問題なく吸啜できるよう援助する必要があります。

4.誤り。授乳は母子相互作用を密にし、子宮収縮を促すために重要な関わりです。乳頭のケアを丁寧に行い、授乳を継続できるよう対応することが望ましい。

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03

子宮復古も問題なく順調であり、低罨法を行う必要もなく授乳を中止する必要もありません。乳頭の伸びが少なく吸綴するのに時間がかかっているので、乳頭のケアを行う必要があります。

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