看護師の過去問
第105回
午後 問184
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問題
看護師国家試験 第105回 午後 問184 (訂正依頼・報告はこちら)
山村部で地震による家屋倒壊と死者が出た災害が発生し、3週が経過した。避難所では、自宅の半壊や全壊の被害にあった高齢者を中心に10世帯が過ごしている。
高齢者の心のケアとして最も適切なのはどれか。
高齢者の心のケアとして最も適切なのはどれか。
- 認知行動療法を行う。
- 自分が助かったことを喜ぶよう説明する。
- 地震発生時の状況について詳しく聞き取る。
- 長年親しんだものの喪失について話せる場をつくる。
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この過去問の解説 (3件)
01
→認知行動療法とは、精神療法の一つで誤解や不都合な認知を修正するものです。うつ病やパニック障害、強迫性障害等の治療に用いられる為、災害後の対応としては適切ではありません。
2.×自分が助かったことを喜ぶよう説明する。
→災害発生から3週間は、亜急性期となり、災害によるストレス等への精神的配慮や傾聴等が必要な時期です。よって、対象者の立場となり親身な対応が重要となる為、上記は適切でありません。
3.×地震発生時の状況について詳しく聞き取る
→対象が想いとして表出した際の傾聴は必要ですが、精神的不安から突然PTSDを発症しやすい時期でもある為、この時期に当時の状況を聞き出すのは心のケアとして適切ではありません。
4.○長年親しんだものの喪失について話せる場をつくる。
→災害から3週間後の亜急性期では、対象が災害の場以外の地域から孤立しているような感覚が生じやすく、不安や怒り、悲しみ等が出現しやすくなります。その為、感情を表現したり、分かち合ったりする場の提供は被災者の精神面での対応として適切です。
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02
×1 .認知行動療法を行う
…認知行動療法は、うつ病や心的外傷後ストレス障害などの治療法です。
災害を契機に、うつ病や心的外傷後ストレス障害を発症する方もいますが、現段階では最優先で行う治療方法ではありません。
×2 .自分が助かったことを喜ぶよう説明する
…都会と比較して、山村部は地域のつながりが比較的濃いと言われています。
身近な人や、自分より若い世代がこのたびの地震で亡くなられているかも知れません。
これからの世代が亡くなり、高齢者の自分は助かってしまったことを罪悪感にとらえる高齢者は多く、よかったと喜ぶよう強いることは適切ではありません。
×3 .地震発生時の状況について詳しく聞き取る
…現時点での詳しい聞き取り調査は、心のケアとの関連を見出せません。
○4 .長年親しんだものの喪失について話せる場をつくる
…高齢者であれば、長年その地に暮らし、地域でのコミュニティを築いてきた方が多いと推測されます。
半壊や全壊といった被害は、それまでの暮らしを一変させるという事実です。
抱いている悲しみや苦しみを吐露し共有することは、被災者の心的辛さの軽減につながると思われます。
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03
認知行動療法とは、物事に対する捉え方を修正し、気分や行動を変化させる療法です。そのため、この場では不適切です。
2 .× 自分が助かったことを喜ぶよう説明する。
災害から3週が経過しており、生き残った事に救われた気持ちと家族や友人を失った悲しみと罪業感が強く出ることがあります。その時期に喜ぶよう説明するのは不適切です。
3 .× 地震発生時の状況について詳しく聞き取る。
災害からまだ3週であり、地震発生時のフラッシュバックや恐怖を思い出す可能性があるため不適切です。
4 .○ 長年親しんだものの喪失について話せる場をつくる。
災害発生から3週の時期は、抑えられていた感情が湧き出してくる時期です。感情や思いを表出することができる場を設けることが大切です。
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