看護師の過去問
第105回
午後 問210

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問題

看護師国家試験 第105回 午後 問210 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み、問いに答えよ。

Aさん(28歳、女性、会社員)は、夫と1歳の娘との3人で暮らしている。25歳のときに潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis)と診断され、内服治療を続けてきた。Aさんは27歳で出産後、職場に復帰していたが3か月前から排便回数が増え、便に血液が混入するようになった。1週前から下痢が1日8〜10回あり、腹痛や発熱もみられ、外来受診したところ、潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis)の再燃のため入院することになった。身長158.2cm、体重40.2kg。体温38.3℃、脈拍92/分、血圧108/76mmHgであった。血液検査データは、赤血球340万/μL、白血球9,800/μL、Hb7.8g/dL、アルブミン2.5g/dL、CRP5.5mg/dL。

入院後、Aさんは点滴静脈内注射による持続輸液とプレドニゾロン40mg/日の内服とが開始された。入院翌朝、Aさんが「たくさん汗をかいたのでさっぱりしたい」と話したため、看護師は清拭を行うと提案した。体温38.0℃、呼吸数18/分、脈拍82/分、血圧112/72mmHgであった。下痢は0時から6時までで3回あり、倦怠感が強い。
看護師が入浴ではなく清拭を提案した理由で適切なのはどれか。
  • プレドニゾロンの内服
  • 点滴静脈内注射の実施
  • 急性増悪
  • 貧血

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この過去問の解説 (3件)

01

1 . ×プレドニゾロンの内服
→プレドニゾロンは、ステロイド剤であり、副作用として免疫力低下による易感染状態、消化管出血、消化管潰瘍による嘔気、嘔吐、満月様顔貌(ムーンフェイス)、心筋梗塞、脳梗塞、精神変調等があります。
Aさんはプレドニンを内服したばかりである為、副作用は生じにくいと考えられます。

2 . ×点滴静脈内注射の実施
→点滴は、挿入部を濡れないように保護すれば可能である為、適切ではありません。

3 .○ 急性増悪
→潰瘍性大腸炎の主な症状は、血便、発熱、下痢、体重減少、貧血、腹痛等です。
Aさんの場合、38.0℃以上の発熱があり、下痢や血便、貧血、体重減少等の症状が出現しています。よって、急性増悪を考え、身体に負担をかけないように清拭を選択したと考えられます。

4. ×貧血
→Aさんは貧血であり、倦怠感はあるも、めまいやふらつき等の貧血症状は出ていない為、この場合は潰瘍性大腸炎の増悪を疑ったことでの清拭の選択の方が適切と考えられます。

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02

正解:3
1、プレドニゾロンを内服して考えられる副作用は、易感染、骨粗しょう症などありますが、内服を開始して1日しか経っていなので、副作用出現リスクは低いと考えられます。そのため入浴は可能なので、1は不適切です。

2、点滴の刺入部を保護すれば入浴は可能なので、2は不適切です。

3、潰瘍性大腸炎の症状は、血便が主で、下痢、腹痛、発熱、体重減少、嘔気・嘔吐、貧血などを伴います。Aさんは血便、下痢、腹痛、発熱、貧血の症状が出ており、倦怠感もあることから急性憎悪を懸念し、清拭を提案したと考えられます。

4、AさんはHb低値であることから貧血と考えられますが、潰瘍性大腸炎による急性憎悪のリスクが高いことから、清拭をすすめたと考えられるので、4は不適切です。

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03

1 . ×プレドニゾロンの内服
ステロイド剤の副作用は高血糖、骨粗鬆症、易感染などがありますが、開始してから日が浅く、副作用症状の出現リスクはまだ低いです。十分に観察を行った上で、入浴はできると考えます。

2 .× 点滴静脈内注射の実施
刺入部を防水保護して、入浴可能です。

3 . ○急性増悪
潰瘍性大腸炎の症状として、下痢、血便などがあります。重症化すると発熱、体重減少、貧血などの全身症状を引き起こすとされています。
Aさんはすでに、頻回に下痢、血便があり、体温38℃の高熱に加え、臨床データーから貧血も出現しており、急性憎悪に注意する必要があり、清拭を実施したと考えられます。

4 . ×貧血 貧血による症状が強く出ていれば、清拭の方が望ましいですが、問題文からは潰瘍性大腸炎の急性憎悪のリスクの方が高いと考えられ、適していません。

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