看護師の過去問
第106回
午前 問32
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問題
看護師国家試験 第106回 午前 問32 (訂正依頼・報告はこちら)
放射線療法について正しいのはどれか。
- Gyは吸収線量を表す。
- 主に非電離放射線を用いる。
- 電子線は生体の深部まで到達する。
- 多門照射によって正常組織への線量が増加する。
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この過去問の解説 (4件)
01
2.放射線療法に用いられる放射線は、X線・電子線・γ線・β線などがありま
す。これらはエネルギーが大きく、細胞がある一定量以上の放射線を受け
るとその増殖力を失い細胞死に至るという原理を応用したものです。電離
放射線と言います。非電離放射線は紫外線の一部、可視光線、赤外線、テ
レビ・ラジオ等の電波などのエネルギーの小さい電磁波のことです。
3.身体深部の病巣に効果的に働くのは高エネルギーX線などで、電子線は体
表面に近い病巣に適しています。
4.1か所の病巣に対して、1方向から放射線を照射する線量より少ない線量
を2方向以上から照射する方法を言います。それぞれ1か所から照射する
線量は少ないですが、それを2か所以上から照射するため、病巣での必要
な放射線量は確保できます。1か所から照射される線量は少ないため、皮
膚などの正常な組織への影響を軽減させることができます。正常組織への
線量を少なくすることが目的なため、設問は間違いです。
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02
〇1.→Gy(グレイ)は吸収線量を表す。
✕2.→放射線療法は電離放射線を用いる。
✕3.→電子線は線量によって到達できる距離が決まっており、表在性の腫瘍への照射や術中照射に適する。
✕4.→多門照射は2方向以上から線束を集中させてピンポイントに照射するため、正常組織への線量は少ない。
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03
Gyはグレイと呼び、放射線によって人体などに与えられたエネルギーをあらわす単位です。放射線の特徴は物質にぶつかると、放射線が持っている物質がその物質に吸収されることなので、その時のエネルギー量のことを吸収線量と言います。
2、放射線治療ではX線、γ線、電子線などを使って治療がおこなわれるので、非電離放射線は誤りです。
3、電子線の特徴は体の浅い部分で大きなエネルギーを放出して、皮膚癌など表在性腫瘍に治療効果を出します。
4、多門照射は一か所の病巣に2方向以上から放射線を照射する方法で、目的は正常組織への影響を最小限にすることなので、正常組織への線量が増加するは間違いです。
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04
1:○
「Gy」は「グレイ」と読み、放射線の単位です。
放射線が物質にぶつかると、放射線が持っているエネルギーがその物質に吸収されます。その際のエネルギー量を測る単位のため「吸収線量」とも呼ばれます。
「J/kg (ジュール/キログラム)」とも表され、1Gyは物質1kgあたりが1Jのエネルギーを受け取ったということを表します。
ちなみに1Jは約0.24cal(カロリー)です。
2:×
非電離放射線とは、原子や電子を電離させるのに必要なエネルギーを持たない放射線のことであり、例えば音波や可視光線、あるいはマイクロ波や低周波などのことです。
放射線療法で主に使用されるのはX線、γ線、電子線などですので、電離放射線を使用していることになります。
3:×
電子や光子が物質に対して与えたエネルギーを深さ方向に測定した値を深部量百分率(PDD)と言います。
放射線療法の場合、深部量百分率(PDD)が高いのはX線やγ線であり、電子線はX線に比べると、到達できる距離(飛程)が限定されており、それ以上の深部領域には到達できません。
そのため、強い照射力を持つが腫瘍がある部分より浅い範囲・深い範囲両方に吸収されてしまうX線と、照射能力はX線に比べれば落ちるものの腫瘍部位より深くは到達できない電子線の両方が使い分けて利用されているのです。
そのことから設問の内容は不適切と判断できます。
4:×
多門照射法とは、放射線を一方から放射する一門放射法とは違い、いくつかの方向からある1点に対し、集中して照射させる方法です。
照射方向が複数のため、それぞれの放射線は少なくて済むにもかかわらず、集中させた腫瘍部位への効果は一門放射法と変わらないことが特徴であり、腫瘍部よりも浅い部分の正常組織への影響が少なくて済むというメリットがあります。
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