看護師の過去問
第106回
午前 問33
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問題
看護師国家試験 第106回 午前 問33 (訂正依頼・報告はこちら)
Alzheimer〈アルツハイマー〉病で正しいのはどれか。
- 基礎疾患として高血圧症( hypertension )が多い。
- 初期には記銘力障害はみられない。
- アミロイドβタンパクが蓄積する。
- MRI所見では前頭葉の萎縮が特徴的である。
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この過去問の解説 (4件)
01
認知症とは、何らかの原因で記憶障害を中心に、脳の機能障害が持続的に進行し、日常生活に支障を来すようになった状態を指します。
認知症の原因は脳の病気や外傷です。変性性認知症と脳血管性認知症の2つに大別できます。その中でも、アルツハイマー型認知症は変性性認知症に分けられ、脳の神経細胞が脱落して、脳全体が萎縮する病気です。認知症の原因として最も多い病気です。
アルツハイマー型の原因は、βアミロイドたんぱくという異常なたんぱく質が蓄積するため脳の萎縮が進むためだと確認されています。
1.高血圧との関係性などは現在研究中であり、基礎疾患であると断定できる
研究結果はありません。
2.認知症のほとんどの患者に見られる症状、物忘れがあります。
記銘力とは新たに体験したことを覚える能力のことです。認知症の患者で
は、過去のこと、例えば子供のころのことや旧姓などは覚えていますが、
最近のこと、例えば歳を取ったこと自体を忘れてしまうことはよくあるこ
とです。
3.上記にも説明している通り、βアミロイドたんぱくという異常なたんぱく
質が蓄積することで脳の萎縮が進みます。
4.頭部CTやMRIで、海馬と頭頂葉の萎縮を生じます。前頭葉の萎縮を生じる
のは、前頭側頭型認知症(ピック病)です。
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02
✕1.→高血圧症はアルツハイマー病との関連が示唆されるが、現在は研究中である。
✕2.→記銘力低下はアルツハイマー病の初期段階から見られる。
〇3.→アルツハイマー病では脳内に多くの アミロイドβタンパクが蓄積する。
✕4.→アルツハイマー病のMRI所見として、脳全体の委縮、特に海馬の委縮が特徴的である。
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03
アルツハイマー病ではアミロイドβタンパクが脳内に蓄積して、アミロイド斑を形成するので、3が正解です。アミロイド斑を形成した後、神経細胞が死滅し始めます。
1、アルツハイマー病を発症する人に基礎疾患は特にないことが多く、原因不明の病気と言われています。家族性に発生する人の数はわずかで、ほとんどは散発性に発生します。
2、初期に見られる症状は記銘力障害、見当識障害、不安、抑うつなどになります。その後、判断力低下、失語、失認、失行などが起こり、末期には人格崩壊、寝たきり状態になることもあります。
4、頭部CTやMRIで頭頂葉・側頭葉・海馬の委縮が見られるのがアルツハイマー病の特徴です。
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04
1:×
一説では高血圧との関連が強いと言われている部分もありますが、基礎疾患と言えるほどまで繋がりが解明されているわけではありませんので、この設問の回答としては不適切です。
2:×
記銘力障害とは、新しく体験したこと、話した内容などを記憶にとどめておくことができなくなる障害です。
例えば、つい数分前に行ったことを忘れてしまい、もう一度行おうとしたり、会話の内容を忘れて同じ話を始めたりという症状として現れます。
これはアルツハイマー病の一番特徴的な症状であり、この症状をきっかけに受診して発症が判明するということも少なくないため、この選択肢が述べていることは逆になります。
3:○
アルツハイマー病患者の脳内では、記憶をつかさどる海馬と呼ばれる部分にタンパク質が沈着し、神経をつなぐニューロンが機能低下および死滅していることが確認されています。
そのために記憶力、記銘力に障害が起こり、症状が発現するのです。
4:×
選択肢3の通り、海馬の神経細胞が死滅により萎縮しますが、それ以外にも脳全体の萎縮が顕著なのもアルツハイマー病の特徴です。
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