看護師の過去問
第106回
午前 問54
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問題
看護師国家試験 第106回 午前 問54 (訂正依頼・報告はこちら)
高齢者の看護において目標志向型思考を重視する理由で最も適切なのはどれか。
- 疾患の治癒促進
- 老化現象の進行の抑制
- 病態の関連図の作成の効率化
- 生活全体を豊かにするケアの実践
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この過去問の解説 (5件)
01
目標志向型思考とは、自身の目標を掲げ、今後の展望を見据えた考え方のことです。
1 . 疾患の治癒促進、は不正解です。
高齢者となると全身の機能低下に伴い、疾患の治癒も難しくなります。それを促進しようとする行動は、その悩みを解決し、健康増進へと向かう行動です。これを「問題解決型思考」といいます。
2 . 老化現象の進行の抑制、は不正解です。
目標としては掲げる人がいるかもしれませんが、高齢者が実際に一番老化現象を実感し、進行を抑制するにはどうしたらいいのかを考えます。これも「問題解決型思考」による行動です。
3 . 病態の関連図の作成の効率化、は不正解です。
なぜ病気になったのかの理解をする上で行う行動で、これも「問題解決型思考」による行動です。
4 . 生活全体を豊かにするケアの実践、は正解です。
これは患者のQOLを維持・向上することにつながります。つまり、「目標志向型思考」といえます。
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02
目標志向型思考
高齢者の望む生活に注目し、生活全体を豊かにすることを目標にケアを行い、個人の持っている能力を発揮できるようにすることを目標にしている思考過程をいいます。
目標志向型思考アプローチ
患者の個別的・個性的な新しい人生をどのように創るかという問題意識に立って、社会的存在としての参加レベルの目標と具体的生活像である活動レベルの目標を同時に決めて、それらを実現するための心身機能や構造レベルの目標を決めます。相互関係を重視しながら目標の実現に向けてプログラムを作り、実行していきます。
1.疾患の治癒促進は、問題解決型思考からの考え方になります。今起こっている問題に対して解決策を考えていきます。
2.老化現象の進行の抑制は、問題解決型思考からの考え方になります。今起こっている問題に対して解決策を考えていきます。
3.病態の関連図の作成の効率化は、今ある問題点を明確にする手段になります。問題解決型思考においてのプロセスです。
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03
× 1 . 疾患の治癒促進
× 2 . 老化現象の進行の抑制
× 3 . 病態の関連図の作成の効率化
1~3までは問題解決型思考であり、高齢者に生じている健康障害に対してケアを行う考え方です。
○ 4 . 生活全体を豊かにするケアの実践
目標志向型思考とは残像機能を活かして、その人が望む生き方ができるようにケアを行う考え方であるため、つまり生活の質を向上させるようなケアの実践を行うことです。
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04
1:×
2:×
3:×
上記3つの選択肢は、急性期の看護計画を作成する際に利用される「問題解決型思考」に基づいた考え方です。
4:○
目標志向型思考は、対象者の現時点で持ちうる力と意欲に着目し、その対象者が「希望する生き方」を目標に掲げて判断します。
その際に必要とされるのが「生活全体を豊かにするケア」ですので、この選択肢が正解です。
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05
高齢者は加齢に伴う身体機能の低下に加え、慢性疾患を抱えながら生活していることも少なくありません。そのため高齢者ケアでは残存機能を活かし、その人が望む生活の実現に目を向けたケアが重視されます。これを【目標志向型思考】と言います。
これに対し、健康である状態を阻害している問題を見つけ、問題解決に向けたケアを行う考え方を【問題解決型思考】といい、選択枝1.~3.はこれに該当します。
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