看護師の過去問
第106回
午前 問55
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問題
看護師国家試験 第106回 午前 問55 (訂正依頼・報告はこちら)
高齢者の活動と休息のリズムの調整について最も適切なのはどれか。
- 午前中に日光を浴びる機会をつくる。
- 昼食後に入浴する。
- 昼寝をしない。
- 就寝前に水分を多く摂る。
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この過去問の解説 (5件)
01
1 . 午前中に日光を浴びる機会をつくる。は正解です。
2 . 昼食後に入浴する。は不正解です。
食事により交感神経が優位となり休息が十分に取れません。
3 . 昼寝をしない。は不正解です。
昼寝の時間が長いと夜間の睡眠がとりづらくなり、活動と休息のバランスが崩れてしまいます。しかし、高齢者であれば身体が疲労しやすいことも考慮し、適度の昼寝はいいと考えられます。
4 . 就寝前に水分を多く摂る。は不正解です。
水分摂取が多いことより、夜間頻尿となり睡眠が妨げられることが考えられます。
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02
高齢者の睡眠
高齢者は、加齢変化により体内時計が変化して早寝早起きになります。また、睡眠が浅くなりちょっとした音でも目覚めやすくなります。
そのため不眠症をはじめとする睡眠障害につながりやすくなります。
睡眠を保つための生活習慣
・眠る環境を整える
・午前中に日光を浴びる
・入眠時間や起床時間を規則正しくする
・食事時間を規則正しくする
・長時間の昼寝をしない
・体を動かす
・夕食以降に水分を摂りすぎない
・アルコール、カフェイン、ニコチンの摂取を避ける
日光を浴びることで、睡眠ホルモン(メラトニン)の分泌が抑制されて覚醒が促されます。
睡眠ホルモン(メラトニン)は、日光を浴びて14~15時間後に分泌増進が起こるといわれており、朝に日光を浴びると夜には眠くなります。
毎朝、日光を浴びて体内時計をリセットすることが重要です。
2.昼食後は、消化のために消化管に血流を集中させる必要があります。入浴によって皮膚の血管が拡張して内臓の血流が低下し、胃腸の運動が悪くなるため、消化不良を起こしやすくなります。
適切ではありません。
3.適切な時間の昼寝を習慣にすると、夜間睡眠にも良い影響を与えます。30分以下の睡眠が適切で、午後の活動性が高まります。1時間以上の昼寝は、夜間睡眠に影響します。適切ではありません。
4.就寝前に水分を多く摂ると、排尿回数が多くなり夜間に頻回にトイレに行くようになります。
そのために、夜間覚醒する時間が多くなり、不眠につながりやすくなります。適切ではありません。
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03
○ 1 . 午前中に日光を浴びる機会をつくる。
日光浴はセロトニンの生成を促し、活動と睡眠のバランスを整えることができます。
× 2 . 昼食後に入浴する。
食後は消化管の血流が増加することで、脳血流量が低下しており眠気を誘います。さらに入浴は副交感神経優位となり、さらに眠気が増幅するため、夕食後の入浴が適切です。
× 3 . 昼寝をしない。
高齢者は体力が低下しているため、1日を通して活動し続けることは過負荷になります。15分から30分程度の昼寝をすることで、活動量を調整することができます。
× 4 . 就寝前に水分を多く摂る。
寝る前の水分摂取は夜間頻尿につながることがあるため、睡眠不足の原因となってしまいます。
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04
1:○
睡眠は脳幹に存在する松果体から分泌されるメラトニンという物質に左右されています。
メラトニンの生成は結膜から入った日光の量によりコントロールされているため、朝起きた際や午前中のあいだに強い日光を浴びることにより、生成が抑えられます。
一度生成が抑えられると、13〜16時間後に再び生成され始めるため、強い日光を浴びることで体内時計がリセットされるのです。
2:×
眠気は深部体温によりコントロールされており、深部体温が低下している過程で出現します。
昼食後の午後1時〜2時ごろ入浴してしまうと、深部体温が低下してくる2時〜3時に眠気が出現し、典型的な昼夜逆転の要因となるため避けるべきでしょう。
万一眠るにしても、30分程度の午睡で起きられるような対策をとる必要があります。
3:×
年齢とともに筋力量が低下し、体力も落ちていきます。
そのため活動ばかりでは疲労が蓄積し、身体に無理をさせる危険性もあります。
高齢になると、疲労の蓄積は一晩の睡眠では解消されず、結果普段からの活動量の低下から生活リズムの乱れが始まります。
決して昼寝(午睡)をしないという訳ではなく、リフレッシュできる30分程度に止めておき、その後の午後にまた身体を動かす活動を行い、正しい生活リズムを保てるよう心がけることが重要です。
4:×
就寝前に水分を多く摂ると、加齢により膀胱の伸縮率が減少し、最大容量が低下するために夜間に排尿のため目が覚めてしまい、そこから寝付けないというような生活リズムの乱れの原因になります。
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05
〇1.→午前中に日光を浴びると睡眠の質を左右するメラトニンのもととなる物質(セロトニン)の生成が促進されたり、体内時計がリセットされ、生活リズムを整えることにつながります。
✕2.→一般的に入浴は副交感神経を優位にし、眠気を誘うため、夕食後の入浴がよいと言われます。ただし食直後は避けるようにします。
✕3.→長時間の昼寝は昼夜逆転を招くため、避けた方がよいですが、高齢者は体力も低下し、疲れやすいため短時間(30分程度)の昼寝であれば、特に問題ありません。
✕4.→就寝前に水分を多く摂ることで、夜間頻尿につながり、結果として睡眠の妨げになってしまうため望ましくありません。
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