看護師の過去問
第106回
午前 問56

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問題

看護師国家試験 第106回 午前 問56 (訂正依頼・報告はこちら)

加齢による咀嚼・嚥下障害の特徴で正しいのはどれか。
  • 咳嗽反射が低下する。
  • 口腔内の残渣物が減る。
  • 唾液の粘稠度が低下する。
  • 食道入口部の開大が円滑になる。

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この過去問の解説 (5件)

01

正解は1です。


1 . 咳嗽反射が低下する。は正解です。
普通は食べ物は食道を通って胃に到達しますが誤って気管に入り込むことがあります。その際に異物を吐き出す動作(咳嗽)を行います。しかし加齢に伴い、その機能が低下し、異物がそのまま肺に入り込み誤嚥性肺炎となる事例がとても多いです。


2 . 口腔内の残渣物が減る。は不正解です。
加齢に伴い飲み込む力(嚥下)機能が低下、唾液量の減少により、口腔内残渣物は増加します。


3 . 唾液の粘稠度が低下する。は不正解です。
加齢に伴い唾液量減少で口腔内の粘ちょう度はアップします。


4 . 食道入口部の開大が円滑になる。不正解です。
加齢に伴い、食道全体が細くなり、蠕動運動も緩慢になります。

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02

正解1.咳嗽反射が低下する。


高齢者の嚥下機能

高齢者は、加齢とともに歯の欠損、舌の運動機能低下、咀嚼能力低下、唾液分泌低下、口腔感覚低下、味覚低下などが起こります。
嚥下時に喉頭の挙上が不十分で、喉頭の閉鎖が不十分になり誤嚥しやすくなります。
咽頭反射が低下することで、誤嚥時に咳嗽反射が起こりにくくなります。



2.かみ砕いた食べ物を、舌により軟口蓋に押し付けて口腔から咽頭に送ります。高齢者は、舌の運動が低下しているため、口腔に残差物が残りやすくなります。正しくありません。


3.高齢者は、唾液の分泌が低下しているため、唾液の粘稠度は高くなります。正しくありません。


4.高齢者は、食道入口部の開大が制限されて咽頭の残留が増加します。正しくありません。

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03

正解は 1 です。
○ 1 . 咳嗽反射が低下する。
加齢とともに全身の筋力低下が生じ、嚥下や咳嗽に関する筋力も同様に低下します。また神経系の反応も鈍くなるため、咳嗽反射は低下してしまいます。

× 2 . 口腔内の残渣物が減る。
舌の動きが鈍くなるため、口腔内残渣物は増えてしまいます。

× 3 . 唾液の粘稠度が低下する。
高齢者は筋力が少ないため脱水になりやすく、また飲水を控える傾向があるため、唾液量が減少します。結果として唾液の粘稠度は高まります。

× 4 . 食道入口部の開大が円滑になる。
食道入口部にある筋力も同様に低下するため、その動きは鈍くなります。

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04

正解は 1 です

1:○
加齢による筋力の低下や腱の伸びなどで、食道と気管を切り替える喉頭蓋の動きが鈍くなり、正しく気管を塞ぐことができなくなります。

その上、その気管に異物が入り込んだ際に感知する神経も鈍麻していたり、感知しても咳を起こすための腹筋や横隔膜の動き、また肺活量が不十分で、気管内の異物を充分に押し出すことができないことが多くなります。

2:×
年齢による歯の欠損や入れ歯の不安定さ、また顎の筋力の低下などにより、噛む力、嚥下する力が衰え、口腔内の残渣は”増加”します。

3:×
加齢により体内の水分量も減少し、口腔内の分泌腺の働きも弱くなり、唾液の”分泌量”自体が減少するため、口腔内での粘稠度は”増強”します。
そうなると、余計に嚥下しにくくなります。

4:×
食道入口部、つまり噴門周囲も平滑筋という筋肉で囲まれています。
年齢を重ねると、自分の意識で動かせる横紋筋だけではなく、意識して動かせない平滑筋の動きも弱まってくるため、腸の動きも鈍り、便秘の原因となります。

同様に、噴門部周囲の平滑筋の動きも鈍り、 食道入口部の開大はぎこちなくなり、食欲の低下や胃もたれ、逆流性食道炎や逆流による誤嚥性肺炎の要因となります。

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05

→正解は1.です。

〇1.→加齢に伴い、咳嗽反射は低下し、誤嚥性肺炎のリスクが増大します。

✕2.→加齢に伴い、唾液量の減少や嚥下能力の低下により口腔内残渣物は増加します。

✕3.→加齢に伴い、唾液量が減少し、粘稠性は増します。

✕4.→加齢に伴い、食道開口部の開大が円滑でなくなるため、誤嚥などが起こりやすくなります。

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