看護師の過去問
第106回
午前 問61

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問題

看護師国家試験 第106回 午前 問61 (訂正依頼・報告はこちら)

Aさん(16歳、女子)。身長160cm、体重40kg。1年で体重が12kg減少した。Aさんは6か月前から月経がみられないため婦人科クリニックを受診し、体重減少性無月経( amenorrhea due to weight loss )と診断された。
今後、Aさんの無月経が長期間続いた場合、増加することが予想されるのはどれか。
  • 血糖値
  • 骨吸収
  • 体脂肪率
  • エストロゲン

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この過去問の解説 (4件)

01

正解は2です。



1 . 血糖値は×
体重減少により体内の糖は消耗するため、低血糖となると考えられます。


2 . 骨吸収は〇
体重減少により、
〔視床下部〕
ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)×

〔脳下垂体前葉〕
卵胞刺激ホルモン(FSH)×
黄体化ホルモン(LH)×

〔卵巣〕
卵胞ホルモン(エストロゲン)×
黄体ホルモン(プロゲステロン)×

この仕組みの中で、エストロゲン分泌が減少することにより、体内の骨吸収が促進されてしまい、骨粗しょう症のリスクが高まります。


3 . 体脂肪率は×
食事摂取できておらず体重減少しており、たいしぼうりつはげんしょうしています。


4 . エストロゲンは×
現在月経が停止しているという記載からは、女性ホルモン分泌は止まっているため、エストロゲン・プロゲステロンは減少します。

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02

正解2.骨吸収


脳の視床下部は排卵をコントロールしていますが、急激な体重減少が女性ホルモンの生成に影響を及ぼし、排卵が停止して無月経につながります。
思春期の女性において、低エストロゲン状態が長く続くと無月経になり、子宮内膜の萎縮や骨塩量の低下を招きます。骨吸収が進み骨粗鬆症につながってしまいます。


1.体重減少しているので、食事の摂取量も減少していると考えられ、血糖値は低めの値を示すと思われます。


3.体重減少しており、BMI15.6でやせの数値になっています。体脂肪率も低下していると考えられます。


4.無月経が起こっているので、エストロゲンは低下しています。

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03

正解は 2 です。
体重減少性無月経とは、体重が短期間で極端に減少することにより、生命維持の危機感から脳視床下部から卵巣に向かって指令される排卵がストップしてしまい、それにより無月経となる状態です。
× 1 . 血糖値
急激な体重減少が原因であるため、血糖値は下がっていることが予想されます。

○ 2 . 骨吸収
病態としては閉経と同様の機序であるため、骨吸収が亢進し、骨粗しょう症のリスクが高くなります。

× 3 . 体脂肪率
痩せていることが問題となる疾患であり、体脂肪率は低くなる傾向にあります。

× 4 . エストロゲン
エストロゲンは生理前に増加するホルモンであり、月経が停止してしまっている状態では減少していることが予想されます。

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04

正解は 2 です

体重減少性無月経とは、体重の急激な増減によりホルモンバランスが崩れ、月経が止まってしまう病気で、無理なダイエットや拒食に陥るような若い女性に多く、治療して体重が回復してもすぐには月経が伴わない可能性もあります。
将来の妊娠・出産を見据えた長期的な管理が必要となる疾病です。

1:×
急激に体重が”減少”しているため、反対に血糖値は低いことが予測されます。

2:○
急激に体重が減少すると、まず
1、脳の視床下部からの性腺刺激ホルモン放出ホルモンが減少
2、下垂体前葉からの性腺刺激ホルモンが減少
3、卵巣ホルモンのエストロゲン、プロゲステロンが減少
という作用を辿ります。

そして最終的に影響を受けるエストロゲンの減少状態は閉経後の女性と同じような動態であり、骨吸収が促進され骨粗鬆症の要因となります。

3:×
Aさんの現時点でのBMIは15.6であり、体脂肪は少ないと言えるでしょう。

4:×
エストロゲンは子宮内膜を厚くさせる作用を持つ卵胞ホルモンであり、月経が止まっている状態では減少していることが予測されます。

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