看護師の過去問
第106回
午前 問62

DV防止法


1 . 「婚姻の届出をしていない場合は保護の対象とはならない。」は×
婚姻していなくても、内縁の妻といわれる人たちにも適応されます。


2 . 「暴力を受けている者を発見した者は保健所へ通報する。」は×
保健所ではなく、配偶者支援センター及び警察署に通報することが定められています。


3 . 「暴力には心身に有害な影響を及ぼす言葉が含まれる。」は〇
身体的暴力の他にも、精神的に傷ついた場合も暴力とみなされます。


4 . 「母子健康センターは被害者の保護をする。」は×
被害者の保護をするのは配偶者支援センター及び福祉事務所です。
母子保健センターは母子の保健指導や健康検査を行う機関です。

正解３．暴力には心身に有害な影響を及ぼす言葉が
　　　　含まれる。


配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律（DV防止法）

配偶者からの暴力に係る通報、相談、保護、自立支援等の体制を整備し、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護を図ることを目的とする法律です。

「配偶者」には、婚姻の届出を出していないいわゆる「事実婚」を含みます。男性、女性の別を問いません。また、離婚後も引き続き暴力を受ける場合を含みます。

「暴力」は、身体に対する暴力又はこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動を指します。

生活の本拠を共にする交際相手からの暴力について、この法律を準用することとされています。

（内閣府男女共同参画局　配偶者暴力防止法参照）


１・「配偶者」には、婚姻の届出を出していないいわゆる「事実婚」を含みますので、対象になります。


２．配偶者からの暴力を受けている者を発見した者は、その旨を配偶者暴力相談支援センター又は警察官に通報するよう努めなければならないとされています。
保健所への通報ではありません。


４．配偶者暴力相談支援センター、都道府県警察、福祉事務所、児童相談所、その他の都道府県又は市町村の関係機関その他の関係機関は、被害者の保護を行うに当たっては、その適切な保護が行われるよう、相互に連携を図りながら協力するよう努めるものとするとあります。
母子健康センターが行うものではありません。

正解は　3　です。
× 1 . 婚姻の届出をしていない場合は保護の対象とはならない。
婚姻の届出をしていなくても、事実上婚姻関係にある場合は保護の対象となります。

× 2 . 暴力を受けている者を発見した者は保健所へ通報する。
通報するのであれば、配偶者暴力相談支援センターか警察です。

○ 3 . 暴力には心身に有害な影響を及ぼす言葉が含まれる。

× 4 . 母子健康センターは被害者の保護をする。
被害者の保護を担うのは、配偶者暴力相談支援センター、都道府県警察、福祉事務所等都道府県又は市町村の関係機関その他の関係機関となっています。

正解は　3　です

DV防止法とは、現在の配偶者または過去にそうであった者、または届出はしていなくとも、事実上婚姻関係と同様の状態にある者からの暴力を受けている被害者の保護および暴力の防止、自立の保護を目的とする法律です。

1：×
上記の通り、第一章の総則内に「婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含み」と定義されています。

2：×
第二章、第六条に「配偶者暴力相談支援センター又は警察官へ」通報するようにと定められています。

3：○
第一章第一条に「配偶者からの暴力」には"身体に対する暴力"だけではなく"心身に有害な影響を及ぼす言動"と定義されているため、言葉も含まれます。

4：×
第一章、第九条に被害者の保護は「配偶者暴力相談支援センター、都道府県警察、福祉事務所等都道府県又は市町村の関係機関その他の関係機関」がそれぞれ連携を図りながら協力するよう務める、と定められています。

母子健康センターは妊娠中の妊婦や胎児に対して、健康診断や保健指導等の保険サービスを行う機関であり、保護は担っていません。


配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律ーe-Gov
http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=413AC1000000031&openerCode=1