看護師の過去問
第106回
午前 問80
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問題
看護師国家試験 第106回 午前 問80 (訂正依頼・報告はこちら)
Aちゃん(6歳、女児)は、左上腕骨顆上骨折( left supracondylar fracture of humerus )と診断され、牽引治療のために入院した。医師からAちゃんと家族に対し、牽引と安静臥床の必要性を説明した後、弾性包帯を用いて左上肢の介達牽引を開始した。
Aちゃんに対する看護で適切なのはどれか。
Aちゃんに対する看護で適切なのはどれか。
- 食事を全介助する。
- 左手指の熱感を観察する。
- 抑制ジャケットを装着する。
- 1日1回は弾性包帯を巻き直す。
- 痛みに応じて牽引の重錘の重さを変更する。
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この過去問の解説 (3件)
01
左上腕骨顆上骨折は、肘関節のすぐ上にある骨を骨折するものです。転落や転倒の際に腕をまっすぐ前に突き出して手をついてしまうことが原因です。
1 . 「食事を全介助する。」
骨折していない右手で食事できると考えます。右手がきき手でなければ、食べやすいように食事形態を変更したり、自助具を使用したりして対応できます。この時期の食事行動は発達においてとても大切ですので、入院中であっても出来るだけ自分でやってもらえるように関わっていく必要があります。
2 . 「左手指の熱感を観察する。」は×
熱感があるのは骨折部位の周辺であって、指先ではありません。
3 . 「抑制ジャケットを装着する。」は×
抑制は本人に身体の危険が潜んでいる危険時にのみ行うことを考慮します。また年齢から、説明をすればいいこと・いけないことの理解はでき、医療を適切に受けることが出来ると考えられます。
4 . 「1日1回は弾性包帯を巻き直す。」は〇
幹部にお締め付けにより、神経障害や皮膚トラブルが発生することが考えられます。幹部の観察を良く行い、包帯を巻きなおすことが重要です。
5 . 「痛みに応じて牽引の重錘の重さを変更する。」は×
医師の指示をなくして、勝手にけん引の重さを変えてはいけません。
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02
左上腕骨顆上骨折は肘関節のすぐ上のあたりを骨折する病態で、小児(特に3〜8歳)に多くみられます。
転落や転倒の際に腕をまっすぐ前に突き出してしまうことが原因で、歩き始めで不安定だったり、活発に動くものの転倒時にうまく対応できないため、そのような特徴となるのです。
牽引療法は主に、肘関節の腫れが著しい場合に行います。
腫れが引いたのち、牽引により骨が元の位置に戻っていればギプス固定、骨の断面同士がずれていれば、手術により鋼線を刺して正しい位置で固定するという治療法をとります。
1:×
今回Aちゃんが受傷しているのは左手です。
利き手についての記載がないため決めつけはできませんが、きちんとセッティングを行えば、食事の解除は必要ないと考えられます。
6歳という年齢からも、退院後の自立度を上げるために安易な介助は望ましくありません。
2:×
熱感を観察すべきなのは腫れが予測される骨折部周囲です。
反対に設問にある手指は、冷感や皮膚の変色がないか等をチェックし循環障害が起きていないかの確認を行う必要があります。
3:×
骨折による疼痛のため活動量はそう多くはないでしょうし、6歳であれば就学児ですので、安静の必要性を説明すれば理解できるものと考えられます。
いきなりはじめからの抑制は必要ないでしょう。
4:○
弾性包帯は一般的な包帯とは違い、巻いてある部分の皮膚は包帯自体の収縮により締め付けられます。
その影響による循環障害や神経障害、また皮膚表面トラブルや骨折部の観察のため、最低1日に1回は巻き直すことが必要です。
5:×
重錘(おもり)の重さは骨のズレの状態によって、医師が計算し決めています。
疼痛があるとはいえ看護師が勝手に判断し変えて良いものではありません。
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03
2についても血流障害を評価する目的があるので、熱感ではなく冷感や色調の変化を観察する必要があるため×です。
3の抑制ジャケットに関しては、安静についてはある程度言葉で説明してわかる年齢なので、必要性はあまり感じないため×です。
4弾性包帯の皮膚の状態を観察するためにも、1日1回の巻き直しは必要であるため〇です。
5は痛みに応じて変えるのは、看護師の業務ではないため×です。
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