看護師の過去問
第106回
午前 問93

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問題

看護師国家試験 第106回 午前 問93 (訂正依頼・報告はこちら)

Aさん(53歳、男性、会社員)は、1週前から倦怠感が強く、尿が濃くなり、眼の黄染もみられたため、近くの医療機関を受診し黄疸と診断された。総合病院の消化器内科を紹介され受診した。時々、便が黒いことはあったが、腹痛はなかった。既往歴に特記すべきことはない。来院時のバイタルサインは、体温36.8℃、脈拍68/分、血圧134/82mmHgであった。血液検査データは、アルブミン4.2g/dL、AST〈GOT〉69IU/L、ALT〈GPT〉72IU/L、総ビリルビン14.6mg/dL、直接ビリルビン12.5mg/dL、アミラーゼ45IU/L、Fe27μg/dL、尿素窒素16.5mg/dL、クレアチニン0.78mg/dL、白血球9,200/μL、Hb11.2g/dL、血小板23万/μL、CRP2.8mg/dLであった。

細胞診の結果、クラスⅤで膵頭部癌( pancreatic head carcinoma )と診断された。上部消化管内視鏡検査で十二指腸に出血を伴う膵癌( pancreatic cancer )の浸潤を認め、胃切除を伴う膵頭十二指腸切除術が行われた。術後、中心静脈栄養法〈IVH〉を行ったがインスリンの投与は必要ないと判断された。経過は良好であり、食事が開始された。
このときのAさんに対する説明で適切なのはどれか。
  • 便秘が起こりやすい。
  • 脂質の制限は不要である。
  • カロリー制限が必要となる。
  • ダンピング症状が起こりやすい。

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この過去問の解説 (3件)

01

1 . 便秘が起こりやすい。
×不正解
Aさんは胃の部分切除をしているので、ダンピング症候群の症状の一つ、下痢を起こす可能性があります。便秘になる可能性は低いので、不正解です。

2 . 脂質の制限は不要である。
×不正解
脂質は膵臓から分泌されるリパーゼという消化酵素でモノグリセリドと脂肪酸、グリセロールなどに分解されます。膵臓の一部を切除しているので、脂質の分解に影響が出る可能性があるので、脂質摂取の制限をします。よって、不正解です。

3 . カロリー制限が必要となる。
×不正解
膵臓には血糖値をコントロールするグルカゴンやインスリンを分泌します。手術によって、これらのホルモンの分泌にも影響が出る可能性があるのですが、Aさんはインスリンが必要ないということなので、血糖値が安定していると考えられます。よって、カロリーの制限は不要なので、不正解です。

4 . ダンピング症状が起こりやすい。
〇正解
ダンピング症候群は、胃切除後の患者さんが摂取した食物が急速に小腸に流入するために起こります。
●早期ダンピング症候群では、動悸、めまい、冷汗、顔面紅潮、全身倦怠感、腹痛、下痢、悪心、嘔吐などの腹部症状があります。
●後期ダンピング症候群では、食後2~3時間して低血糖が原因による頭痛や倦怠感、冷汗、めまい、手指のふるえなどが現れます。

Aさんは居の一部を切除しているので、ダンピング症候群になる可能性があります。よって、正解です。

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02

設問上、胃を切除するとありますので、胃を切除した後は下痢になりやすいため1は×です。

2の脂質の制限については膵臓からでる消化酵素の分泌が低下するため、制限は必要ですので×です。

3のカロリー制限も現在高血糖などを起こしておらず、インスリンも不要な状態なので不要です。よって、×です。

4については胃切除後ですので、ダンピングを起こすので〇です。

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03

正解は 4です
1 . 胃切除後は消化不良を起こしやすく、下痢になりやすいです。
2 . 膵臓から出ている消化酵素リパーゼの分泌低下が考えられるため、脂質の消化不良を起こすことが考えられます。
3 .インスリン投与も必要ないと判断されているため、 カロリー制限は必要ありません。
4 . 〇胃切除を行っていると、ダンピング症状が起こりやすくなります。

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