看護師の過去問
第106回
午後 問180

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問題

看護師国家試験 第106回 午後 問180 (訂正依頼・報告はこちら)

Aさん(27歳、男性)は、地震によって倒壊した建物に下腿を挟まれていたが、2日後に救出された。既往歴に特記すべきことはない。注意すべき状態はどれか。
  • 尿崩症
  • 高カリウム血症
  • 低ミオグロビン血症
  • 代謝性アルカローシス

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は2です。

がれきの下敷きになったり、長時間に重い物質に圧迫され血流障害が起きることを挫滅(クラッシュ)症候群といいます。クラッシュ症候群は血流が再開した際に崩壊した筋細胞からカリウムやミオグロビンが漏出し、高カリウム血症による心房細動や、抗ミオグロビン血症による腎不全が生じます。

1 . 尿崩症
尿崩症は、抗利尿ホルモンの不足で多量の尿が排泄される疾患です。クラッシュ症候群には関係がありません。

2 . 高カリウム血症 正解です。
上記でも述べたように、血流障害後、血流が再開した際に破壊した筋細胞から血液中にカリウムが漏出し、高カリウム血症が出現します。心房細動へ移行することがあるため注意が必要です。

3 . 低ミオグロビン血症
上記でも述べたように、血流障害後、血流が再開した際に破壊した筋細胞から血液中にミオグロビンが漏出し、高ミオグロビン血症が出現します。腎不全へ移行することがあるため注意が必要です。

4 . 代謝性アルカローシス
代謝性アシドーシスへの以降が考えられます。

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02

阪神淡路大震災を契機に広まった災害医療として、クラッシュ症候群というものがあります。クラッシュ症候群とは、がれきなど重いものに上肢や腰部、大腿部などが長時間下敷きになったのち、助け出されたことで圧迫から解放されたときに起こるものです。筋肉が長時間圧迫されると、筋肉の細胞が障害され、それに伴いカリウムやミオグロビンというたんぱく質が圧迫部位に蓄積されます。圧迫から解放されたと同時に、それが急速に全身に広がり、高カリウム血症、高ミオグロビン血症となります。特に高カリウム血症となると、致死性の不整脈を引き起こし、心停止に至ります。
2時間以上の圧迫はクラッシュ症候群を疑います。さらに、高カリウム血症の症状として、しびれや脱力感などもあります。
治療としては、早期の透析治療が必要となります。

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03

クラッシュ症候群とは、
地震などの災害時に、四肢の筋肉が長時間圧迫され、そこから解放された後に起こる全身症状のことです。圧迫された筋肉からカリウムが漏出することで、高カリウム血症による致死性不整脈を起こします。

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