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看護師の過去問 第106回 午後 問187

問題

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Aさん(61歳、男性)は、水分が飲み込めないため入院した。高度の狭窄を伴う進行食道癌( advanced esophageal cancer )と診断され、中心静脈栄養が開始された。入院後1週、Aさんは口渇と
全身倦怠感を訴えた。意識は清明であり、バイタルサインは脈拍108/分、血圧98/70mmHgであった。尿量は1,600mL/日で、血液検査データは、アルブミン5g/dL、AST〈GOT〉45IU/L、ALT〈GPT〉40IU/L、クレアチニン1.1mg/dL、血糖190mg/dL、Hb11.0g/dLであった。

Aさんの口渇と全身倦怠感の要因として最も考えられるのはどれか。
   1 .
貧血
   2 .
低栄養
   3 .
高血糖
   4 .
腎機能障害
   5 .
肝機能障害
( 看護師国家試験 第106回 午後 問187 )
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この過去問の解説 (3件)

2
正解は3です。

1. 貧血
Hbは赤血球に含まれる血色素量のことで、肺でのガス交換に重要な役割を担っています。Hbが減少する状態を貧血といいます。男性のHbの基準値14-18g/dLであり、Hb11.0g/dLは貧血であるといえます。しかし口渇の原因としては考えにくいため、正解とは言えません。

2. 低栄養
栄養状態をはかることが出来るアルブミンの正常値は4.0-5.5g/dLです。A氏のアルブミン3.5g/dLは低栄養ですが、低栄養は口渇の原因と考えにくいので、不正解です。

3. 高血糖 正解です。
高血糖になると尿中に糖が増加します。糖によって腎臓の尿細管内の浸透圧が上昇し、尿細管での水の再吸収が行われなくなることで多尿となり、口渇がみられます。またインスリン不足により糖代謝が悪化するので全身倦怠感の症状も出現します。血糖値の正常値は60~100mg/dL(空腹時)のため190mg/dLは高血糖といえます。

4. 腎機能障害
クレアチニン1.1mg/dLは正常範囲であり、腎機能障害は考えにくいです。男性正常値:0.68~1.14mg/dL

5. 肝機能障害
AST、ALTともにほぼ正常範囲のため、肝機能障害は考えにくいです。正常値:AST=8~40IU/L、ALT=3~35IU/L

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0
中心静脈栄養とは、鎖骨下静脈、内頸静脈など太い静脈からカテーテルを通し、カテーテル先端を右心房付近の上大静脈まで到達させます。これにより、末梢静脈の穿刺が困難な場合の血管確保、高カロリー輸液、急速な大量輸液、中心静脈圧の経時的測定などが可能となります。高カロリー輸液は、高濃度の糖質と各種の電解質からなっています。これらを踏まえて、検査データや選択肢を見ていきます。

1.貧血とは、赤血球の量が減少し、それに伴い全身に酸素を運ぶことができなくなる状態であるため、全身に症状が出現します。めまいや立ちくらみ、動悸、息切れ、疲れやすい、全身倦怠感などがあります。問題文にある、全身倦怠感は出現しそうですが、口渇は出現しません。貧血の判断は、この問題文にあるHb(ヘモグロビン)の値で判断することができます。Hbの基準値は男女差がありますが、この問題文は男性なので、男性の場合は13~17g/dlです。やや基準値よりは下回っていますが、臨床的には今すぐ処置を講じなければならない値ではないでしょう。

2.低栄養とは、エネルギー量とタンパク質の欠乏した状態を言います。自覚症状として、免疫力の低下や体力の低下、よって病気にかかりやすい、認知機能の低下、もしかしたら全身倦怠感もあるかもしれません。でも、口渇は出現しないでしょう。低栄養の場合の判断はこの場合、アルブミン値を見ると良いでしょう。アルブミンとは血清タンパク中の約70%を占めるタンパク質です。基準値は3.8~5.3g/dlです。基準値内です。

3.高血糖とは、血液中のブドウ糖の濃度が高くなった状態を言います。自覚症状としては、口渇、多飲、多尿、全身倦怠感などがあります。この問題文の(空腹時)血糖の値を見てみましょう。(空腹時)血糖の基準値は70~110㎎/dlです。Aさんは大幅に基準値より高い状態です。

4.腎機能障害は、その名の通り、腎臓の機能に障害が出現することを言います。腎臓の機能はとても簡単に言うと、体内の老廃物と必要なものをろ過して分別し、老廃物を尿として排泄する機能です。その機能に障害が生じるので、おのずと体内に老廃物がたまり、全身倦怠感や浮腫などが出現します。口渇は出現しません。腎機能障害を判断するために、この問題文にある、尿量、クレアチニンの値を見てみましょう。一日尿量の基準値は500~2000ml/日と幅広いです。だいたい1000~1500ml/日ともいわれています。あとは、どのくらい飲用しているかなどで個人差が大きいでしょう。しかし、Aさんは大きく逸脱していません。クレアチニンとは、アミノ酸の一種、クレアチニンが代謝されてできる物質です。尿酸などと同じく老廃物で、腎臓でろ過されて、再吸収されずに尿へ排泄されます。つまり、血液中のクレアチニン値が高い場合、尿として排泄されていないということが考えられます。クレアチニンの基準値は0.7~1.3㎎/dlです。

5.肝機能障害とは、肝臓の機能に障害が出現することを言います。肝臓の機能が多々あるので、表しきれませんが、自覚症状としては、全身倦怠感、黄疸、微熱、かゆみなどの皮膚症状などがあります。肝機能障害を判断するために、AST、ALTの値を見てみましょう。ASTは肝臓内に多く、ALTは肝臓にしか存在しない酵素です。どちらも肝臓に障害が生じると高値を表します。ASTは肝臓以外にも存在しているため、ASTのみが高値を示している場合は、肝臓以外の疾患も疑ってみる必要があります。基準値はASTが30IU以下、ALTは30IU以下で、基準によりも少し高値を示していますが、肝機能障害には口渇は出現しません。

0
1.✖
貧血で口渇は出現しないです。
2.✖
低栄養では口渇は出現しないです。
3.〇
口渇は高血糖症症状の1つです。 さらに、インスリン不足により糖代謝が悪化して全身倦怠感が起こっていると考えられます。
4.✖
腎機能障害では口渇は出現しないです。
5.✖
肝機能障害では口渇は出現しないです。

<基準値>
Hb: 男性 14~18g/dl
アルブミン: 3.8~5.3g/dl
空腹時血糖: 70~110㎎/dl未満
クレアチニン: 0.7~1.3㎎/dl
ALT: 30IU/以下
AST: 30IU/以下

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