看護師の過去問
第106回
午後 問188

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問題

看護師国家試験 第106回 午後 問188 (訂正依頼・報告はこちら)

病的な老化を示すのはどれか。
  • 肝臓の萎縮
  • 動脈の粥状硬化
  • 毛様体筋の機能低下
  • 心筋の弾性線維の減少
  • 膀胱の平滑筋の線維化

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は2です。

老化には生理的老化と病的老化があります。
生理的老化とは加齢に伴う生理的な機能低下のことをいい、骨量低下、動脈壁の肥厚・弾力性低下、年齢相当の記憶力低下、水晶体弾力低下などがあげられます。
病的老化は、生理的老化の過程が著しく加速され、病的状態を引き起こすことを指します。骨粗しょう症、粥状動脈硬化、アルツハイマー病、肺線維症などが病的老化に当てはまります。

1 .
老化によって肝臓は委縮します。

2 .
上記でも述べたように老化と共に、動脈は壁の肥厚・弾力性が低下します。粥状軟化が起こることは病的老化であり、動脈硬化へとつながります。

3 .
加齢により水晶体の弾力性が低下し、それに伴い、毛様体筋の機能も低下します。それによって老視が生じます。

4 .
加齢に伴い心筋の弾性線維が減少し、心機能も低下していきます。左室肥大傾向となる特徴があります。

5 .
膀胱の外側にある平滑筋が線維化します。それにより膀胱容量が低下し、頻尿になったり、排尿困難を引き起こしたりします。

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02

老化とは、加齢に伴って生じる不可避的で、不可逆的な身体内での起こる現象を言います。また、遺伝的要因や環境的要因などによって、個人差が大きいものです。老化には生理的老化と病的老化の二つに分類されます。生理的老化は、上に述べた誰にでも起こる老化のこと、病的老化は認知症や骨粗鬆症など誰にでも起こるとういうわけではないものを言います。

1.肝臓や腎臓、肺の萎縮は加齢に伴う生理的老化の一つです。

2.動脈の粥状(じゅくじょう)硬化とは、動脈硬化の一つです。動脈の壁の間にLDLコレステロールが入り込んでしまい、お粥のようなドロドロした固まり「粥腫」ができることを言います。「粥腫」とは、プラークやアテロームとも呼ばれます。このプラークやアテロームが原因で狭心症や、脳梗塞などが引き起こされる危険性があります。この一番の要因は高脂血症です。よって、これは病的老化の一つです。

3.毛様体とは、眼球の中に存在するもので、毛様体筋と毛様体小帯によって構成されています。毛様体の働きによって、水晶体の厚さを調節、つまり遠近の調節を行っています。これらの機能低下に伴って、遠視つまり老眼の状態となります。

4.心臓は老化に伴い、弾力性が低下した心筋を用いて抵抗性の増した血管へ血液を送り出すために、その代償として肥大・肥厚します。心筋の弾性線維の減少は生理的老化です。

5.平滑筋とは、自分の意思でコントロールできない筋肉で、不随意筋とも呼ばれます。膀胱内では、平滑筋の収縮で尿を排出するので排尿筋と呼ばれ、内尿道口の周囲では肥厚して、膀胱括約筋を作っています。これらの硬化に伴って、頻尿や排尿困難、失禁などが起こります。

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03

1.✖
肝臓は一般に予備能が大きく、老化の現れにくい臓器ですが、肝細胞数の減少や肝血流の減少に起因して、加齢とともに萎縮していきます。
2. 〇
加齢により動脈硬化が起こり、粥状硬化,中膜石灰化,および細動脈硬化が現れます。
3. ✖
加齢により水晶体を支える毛様体筋が衰え、水晶体の伸縮がスムーズにできなくなるのが老視の原因と考えられています。
4. ✖
加齢により心臓では、心筋細胞が減少し、間質の線維化が進み、運動負荷に応える余力が失われていきます。
5. ✖
加齢により膀胱の外側を覆う平滑筋が線維化し、弾水性が低下、萎縮することで膀胱容量が低下します。

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