看護師の過去問
第106回
午後 問186
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問題
看護師国家試験 第106回 午後 問186 (訂正依頼・報告はこちら)
チェーンソーの使用によって生じるのはどれか。
- じん肺( pneumoconiosis )
- 視力低下
- 心筋梗塞( myocardial infarction )
- 肘関節の拘縮
- Raynaud〈レイノー〉現象
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この過去問の解説 (3件)
01
1. じん肺
じん肺は炭坑夫などの職業で引き起こされます。粉塵の吸入による肺の線維増殖性変化を主体とした拘束性換気障害を来します。数年~数十年かけて最終的には肺線維症に至ります。
2. 視力低下
視力低下はVDT作業等により引き起こされることが多いです。予防としては①照明を明るく(300ルクス以上)する。②作業前後に軽い運動をする。③同一作業を反復しない。④一連作業は1時間以内、次の連続作業の間には10~15分の作業休止時間を設ける。⑤背もたれがあり傾きを調整できる椅子を用いる。⑥ディスプレイとは40cm以上の視距離を確保するなどがあります。
3. 心筋梗塞
心筋梗塞は、主に冠状動脈の動脈硬化により引き起こされる疾病です。生活習慣による動脈硬化や、ストレス過多や勤務時間が不規則な場合に多くみられるといわれています。
4. 肘関節の拘縮
チェーンソーは肘関節に負担がかかるとは言えない作業のため、当てはまらないと考えます。
5. Raynaud〈レイノー〉現象 正解です。
チェーンソーなどの振動工具の使用による障害にはレイノー現象や関節・骨の変形があげられます。レイノー現象とは、5~15分持続する手指の蒼白発作。非操作中でも発生し、特に寒冷で誘発されます。
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02
1.じん肺とは、粉じんの吸入による肺の線維増殖性変化の主体とする疾患を言います。粉じんの量、種類、吸入機関で症状が異なります。基本的には、長期にわたる粉じんの吸入があり、乾性咳嗽、呼吸困難の症状を呈します。有名なところで言うと、アスベストによるものがあります。職業歴から鑑別を行います。チェーンソーの使用は長期間にわたるものは考えにくいので、この場合は不正解です。
2.視力低下が出現する職業性疾患として、近年挙げられているのがVDT症候群です。パソコンなどの画面、つまりビジュアル・ディスプレイ・ターミナル(VDT)を長時間使用することで出現する眼や体の不調のことを言います。VDT作業によって引き起こされるものと、作業内容も定義されており、チェーンソーは関係ありません。
3.心筋梗塞は、心臓の栄養血管である冠状動脈の閉塞により心筋が壊死に陥る疾患です。ストレスや生活習慣、喫煙習慣などが原因となります。
4.レイノー現象とは、寒さの刺激やストレスなどから四肢の先端の動脈が攣縮する現象です。攣縮により、手指が蒼白、チアノーゼのようになります。原発性と二次性のものに分けられ、原発性のなかにチェーンソーなどによる振動に伴って出現すると言われており、職業性疾患のなかに、チェーンソーによる手指や前腕の末梢血管障害と規定されています。
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03
1.×
じん肺法は「粉塵を吸入する事によって肺に生じた線維増殖性変化を主体とする疾病」と定義されています。職業性肺疾患で、主に鉱山での作業、研磨作業、トンネル工事や陶器職人など、日常的に粉塵を吸入する環境での仕事により、発症します。
2.×
視力低下を伴う職業性疾患にVDT症候群(Visual Display Terminal Syndrome)があります。パソコンなど表示機器を使用した作業を長時間続けたことにより、発症します。
3.×
ストレスや食べ過ぎ、運動不足、喫煙などの生活習慣が要因となりやすい疾患です。
4.×
ケガや脳梗塞などにより、長時間肘関節に負担がかかったり、筋組織に血液がいきわたらなくなるなどの要因があげられます。よって、チェーンソーの使用と肘関節の拘縮に直接の関連性はないと考えます。
5.◯
チェーンソーの振動刺激により、誘発された血管攣縮による手指などの皮膚の色調変化です。皮膚の色が蒼白、紫色、発赤の順で変化します。
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