看護師の過去問
第106回
午後 問197
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問題
看護師国家試験 第106回 午後 問197 (訂正依頼・報告はこちら)
胃食道逆流症( gastro - esophageal reflux disease )について正しいのはどれか。2つ選べ。
- 食道の扁平上皮化生を起こす。
- 上部食道括約筋の弛緩によって生じる。
- 食道炎( esophagitis )の程度と症状の強さが一致する。
- プロトンポンプ阻害薬が第一選択の治療法である。
- Barrett〈バレット〉上皮は腺癌の発生リスクが高い。
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この過去問の解説 (3件)
01
胃食道逆流症とは、下部食道括約筋圧の低下により、胃酸などの胃内容物が食道に逆流することで生じる病態です。症状は、食後や食間に胸やけ、前胸部痛、悪心を認めます。診断には内視鏡が有用で、逆流性食道炎では粘膜の障害が認められます。
1 .
食道粘膜は扁平上皮で覆われており、胃や腸は円柱上皮という別の粘膜で覆われています。そのため、胃酸が食道に逆流することで食道粘膜は円柱状上皮化を起こし、胃粘膜に近い粘膜に置換されます。
2 .
食道内圧測定により、下部食道括約筋圧の低下が見られます。
3 .
内視鏡にて粘膜障害を認める場合は食道炎との診察になりますが、粘膜障害を認めないものを非びらん性胃食道逆流症といいます。しかし、自覚症状の強さと内視鏡による病変とは必ずしも一致しないといわれています。
4 . 正解です。
胃酸分泌抑制薬(プロトンポンプ阻害薬、H2ブロッカーなど)が第一治療選択薬です。そのほかにも制酸薬や胃粘膜保護薬の使用があります。ヘリコバクター・ピロリ菌の除去は行わず、薬物療法で改善が見られない場合は内視鏡治療や外科的治療が検討されます。
5 . 正解です。
食道粘膜層の扁平上皮細胞が、胃粘膜組織の円柱上皮細胞に置き換えられる病変をバレット上皮細胞といます。バレット上皮細胞は食道腺癌の発生リスクが高いです。
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02
1.5.食道の上皮細胞は本来扁平上皮です。下部食道粘膜が胃食道逆流による粘膜障害の再生過程において、円柱上皮に置き換わったものをBarrett粘膜と言います。このBarrett粘膜は食道腺癌の発生母地となります。
2.胃食道逆流症は、①下部食道括約筋(LES)圧の低下、②食道平滑筋の蠕動運動の消失、③腹圧の上昇(妊娠や肥満など)、④胃術後の胃酸逆流、などのいくつかの成因が重なり、食道に胃酸が逆流し、症状が現れます。
3.びらんを認める場合(逆流性食道炎)もありますが、症状と内視鏡所見が一致しない場合も多々あります。
4.プロトンポンプ阻害薬は、胃酸分泌の最終過程である、プロトンポンプの作用を抑制することで、胃酸の分泌を抑制する作用があります。胃食道逆流症の第一選択の治療法です。
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03
食道は扁平上皮、胃や腸は円柱上皮という粘膜で覆われています。GERDでは食道に、円柱上皮化生がみられることがあります。
2✖
食物が胃に入ると、胃からガストリンが分泌されます。ガストリンは下部食道括約筋を収縮させ、胃内容物の逆流を防ぎます。
3.✖
食道炎の程度と症状の強さは、必ず一致するわけではありません。
GERDの自覚症状は、胸やけと呑酸です。特に、空腹時や夜間の胸やけが特徴的です。他に喉の違和感、咳き込む、声がかれるなど、食道以外の症状が出ることもあります。しかし、症状がない場合(無症候性逆流性食道炎)もあります。
4. 〇
胃酸の分泌を抑えるプロトンポンプ阻害薬が第一選択の治療法です。
5. 〇
バレット食道は腺癌の前駆病変であるため、悪性化に対する内視鏡検査を1~2年毎に実施することが推奨されています。
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