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看護師の過去問 第106回 午後 問216

問題

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Aちゃん(11歳、女児)。眼瞼浮腫がみられたため、眼科を受診し治療を受けたが改善しなかった。その後、Aちゃんと母親が下腿の浮腫に気付き眼科の医師に相談したところ、特発性ネフローゼ症候群( idiopathic nephrotic syndrome )を疑われたため、小児科のある病院を紹介され受診した。

Aちゃんは排尿回数が減少し、全身に浮腫が認められた。血圧は110/68mmHgであった。尿検査を行い、尿蛋白4袷であった。血液検査は、アルブミン1.3g/dL、総コレステロール350mg/dL、クレアチニン0.4mg/dL、Na130mEq/L、K4.5mEq/Lであった。特発性ネフローゼ症候群( idiopathic nephrotic syndrome )と診断され入院した。
Aちゃんが摂取を制限する必要があるのはどれか。
   1 .
ナトリウム
   2 .
カリウム
   3 .
蛋白質
   4 .
水分
   5 .
リン
( 看護師国家試験 第106回 午後 問216 )
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この過去問の解説 (3件)

1
1 . ナトリウム
〇正解
浮腫が強い場合にはナトリウムの摂取制限をします(0~4g/日)。よって、正解です。

浮腫が軽減すればナトリウムの摂取は緩和されます。また、利尿期に入った時には、低ナトリウム血症にならないように注意が必要です。

2 . カリウム
×不正解
治療が始まり、利尿期に入ると多くのカリウムが失われます。よって、摂取制限は必要ありません。普通量の摂取が求められます。
よって、不正解です。

3 . 蛋白質
×不正解
ステロイド薬への反応がある症例では蛋白質の制限は必要ありません。

反対に高蛋白質の食事を継続していると、糸球体の過剰ろ過を促し、腎機能低下の原因となります。
そのため、蛋白質の摂取量は制限~普通量とすることが推奨されています。

4 . 水分
×不正解
乏尿、顕著な浮腫が持続している場合には水分摂取制限が必要なこともありますが、Aちゃんは治療が始まったばかりなので、水分摂取制限はまだ必要ありません。よって、不正解です。

5 . リン
×不正解
ネフローゼ症候群の治療がうまくいかず、腎不全になった場合にはリンの摂取制限が必要になってきますが、現段階では血液データを見ても腎不全を起こしているわけではないので(クレアチニン0.4mg/dLは正常)、リンの摂取制限は必要ありません。よって、不正解です。

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0
ネフローゼ症候群の治療は、ステロイドによる薬物療法と、食事療法がおこなわれます。
浮腫は、体内に水分が貯留している状態のことですが、体内のどこに水分が貯留しているかといういうと「間質」という、細胞と細胞の間の隙間にたまっています。この隙間にたまっている液体を、組織液や間質液と言います。通常はこの組織液は全体の水分量の20%程度しかありません。通常は、この組織液と血管内液・リンパ液は絶えず移動しているため、それほど貯留はしませんが、膠質浸透圧が低下することで、増加し、浮腫が出現します。この膠質浸透圧に深く関与しているのが蛋白質です。浸透圧とは、濃度の違う液体を半透膜で区切った場合、中の液体は濃度の薄い方から濃い方へ、濃度が同じになるように移動します。これを体内に置き換えると、半透膜は血管壁、血漿と組織液になります。通常はNa⁺が浸透圧に関与しますが、このNa⁺は分子量が小さいため、自由に血管壁の間を移動します。しかし、蛋白質は分子量が大きいため、血管壁を自由に移動できません。そのため、通常は血漿内の方が蛋白質量が多いため、それにより浸透圧に差が生まれ、水分が間質から血漿へ移動します。しかし、低蛋白血症の場合、血漿内の蛋白質の濃度が低いため、水分が間質からあまり移動しないため、水分が間質に貯留します。それが浮腫の原因です。

1.血液中の水分やNa⁺は通常、腎臓にある糸球体で濾過され、一部が尿細管で再吸収されたあと、尿として排泄されます。ネフローゼ症候群は糸球体が障害されますので、水分やNa⁺が排泄されなくなり、Na⁺の濃度は上昇します。Naとは塩分(NaCl)のことです。想像したらわかりますが、塩気が効いたら喉が渇きますね?Na⁺の濃度が上昇すると、全体的に濃度が濃くなりますので、水分を引き込みます。その結果、浮腫が出現します。このため、浮腫が強い場合には塩分(Na⁺)の制限をします。

2.Kの基準値は3.7~4.8mEq/Lです。Aちゃんの値は基準値内です。ネフローゼ症候群の薬物療法として、ステロイド内服が行われますが、ステロイド内服によって、Kの値が減少しますので、カリウムの摂取制限をする必要はありません。

3.検査結果の中でアルブミンは、数ある蛋白質が血清中に含まれるなかで、50~70%の大部分を占めています。アルブミンの基準値は3.8~5.3g/dlですが、Aちゃんは1.3g/dlと低値です。大人のネフローゼ症候群の場合、蛋白質の摂取制限をします。しかし小児の場合、ステロイド療法を開始して2週間以内に尿蛋白が減少することが多いため、蛋白質の摂取を制限する必要はありません。成長期ということもあり、年齢に応じた必要量を摂取しても問題ないとされています。

4.浮腫が強く、血圧も高値であれば水分制限も必要ですが、血圧も基準値内ですので、制限しません。

5.生体内でのリンは、その80~90%が骨や歯に含まれカルシウムとともに共存しています。通常、リンは尿として排泄されますが、腎臓が障害されるとリンが排泄されなくなり、血中にリンが貯留します。蛋白質の多くにリンが含まれています。腎不全の状態となればリンの制限も必要ですが、小児の場合は、ステロイドを内服すれば多くの場合、腎不全の状態となることは避けられるため、リンの制限は必要ありません。

0
1. 〇
浮腫が強いため、ナトリウムの制限が求められます。

2.✖
ステロイド治療を開始した場合、低カリウム血症になりやすいため、カリウムの摂取制限は必要ありません。

3.✖
大人の場合はたんぱく質の摂取制限が推奨されることがありますが、小児の場合はステロイド治療を開始すると、2週間以内に尿蛋白が減少することが多く、腎不全に進行する可能性は低いです。年齢に応じたたんぱく質摂取が適当と考えられています。

4.✖
浮腫や高血圧のある時期、ステロイドを大量に服用している時期を除いて、水分制限は不必要です。

5.✖
リン制限が必要なのは腎不全を発症した時です。

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