看護師の過去問
第106回
午後 問217

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問題

看護師国家試験 第106回 午後 問217 (訂正依頼・報告はこちら)

Aちゃん(11歳、女児)。眼瞼浮腫がみられたため、眼科を受診し治療を受けたが改善しなかった。その後、Aちゃんと母親が下腿の浮腫に気付き眼科の医師に相談したところ、特発性ネフローゼ症候群( idiopathic nephrotic syndrome )を疑われたため、小児科のある病院を紹介され受診した。

Aちゃんは、ステロイド治療の開始後10日で尿蛋白が陰性となり、浮腫等の症状が改善した。入院後3週、ステロイド薬の副作用(有害事象)として、満月様顔貌が出現している。他に明らかな副作用(有害事象)は出現していない。ステロイド薬の内服を続けながら退院することになった。
Aちゃんの退院後の生活について指導する内容で適切なのはどれか。
  • 日光を避ける。
  • 体重の測定は毎日行う。
  • 1か月は学校を欠席する。
  • 入浴ではなくシャワー浴とする。
  • 満月様顔貌が気になる場合もステロイド薬の内服を続ける。

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この過去問の解説 (3件)

01

1 . 日光を避ける。
×不正解
ステロイド治療と日光の関連はありません。よって、日光を避ける必要はないため、不正解です。

2 . 体重の測定は毎日行う。
×不正解
ステロイドの影響で食欲が亢進し、体重が増加することがありますが、体重を毎日測る必要はありません。

3 . 1か月は学校を欠席する。
×不正解
ステロイドの内服量が多い、もしくは内服期間が長くなると易感染状態になります。帰宅後にうがい、手洗いをする等感染予防が必要です。しかし学校を欠席する必要はありません。よって、不正解です。

4 . 入浴ではなくシャワー浴とする。
×不正解
ステロイド治療中に入浴制限はありません。よって、不正解です。

5 . 満月様顔貌が気になる場合もステロイド薬の内服を続ける。
〇正解
Aちゃんは11歳で外見について気になる年ごろですが、ステロイドの治療で満月様顔貌、中心性肥満は避けられません。しかし、ステロイド薬を中断することで症状が再発・悪化したり、ステロイド離脱症候群と呼ばれる、吐き気、血圧低下、倦怠感などの症状が出ることがあります。
ステロイドの内服については医師の指示に従うように説明し、継続するよう指導することが大切です。よって、正解です。

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02

ステロイド内服中の副作用(有害事象)として、満月様顔貌(ムーンフェイス)があります。これは、ステロイドを摂取することで、脂肪の代謝異常が起こるため、体の中心部を中心に脂肪が蓄積されることで起こります。特に、顔には脂肪の代謝に影響を及ぼす細胞が多く存在しているために、顔に脂肪が蓄積しやすいために、顔面様顔貌(ムーンフェイス)が出現します。見た目に影響が出るため、特に思春期の女の子にはつらいことかもしれません。ムーンフェイスは脂肪が蓄積している状態ですので、エネルギーのコントロールをすることで、少しは軽減されるかもしれません。
さらに、ステロイド内服中の副作用として、大切なものとして易感染があります。ステロイド薬は免疫系に抑制的に働きかけるために、起こるものです。このため、特にステロイド内服中は手洗いうがいなどの基本的な感染予防のほかに、予防接種を確実に受けるなどの対策を心掛ける必要があります。先にムーンフェイスの軽減として、エネルギーのコントロールする、ということを言いましたが、低栄養状態は易感染となりやすいため、さらに成長期ということもあり、過剰なエネルギー制限には注意が必要です。
さらに、ステロイド内服中の副作用(有害事象)として、インスリンの働きを阻害するために高血糖となります。そういう意味での食事制限も必要となるかもしれません。
さらに、ステロイドの長期内服によって精神症状にも変化が生じ、不眠の訴えが出るかもしれません。
上記副作用が出ることを退院時に説明し、必要時は受診するよう説明することが退院時の看護として大切な事柄でしょう。

1.ステロイドと日光は関係ありません。

2.ステロイド内服中は脂肪の蓄積があるため、さらに食欲が亢進するため、体重は増加することが考えられますが、毎日体重を測る必要はありません。

3.上記にも説明した通り、易感染状態となりますので、感染予防は大切ですが、1カ月学校を欠席する必要はありません。

4.ステロイド内服中と入浴禁止の関係性はありません。

5.ムーンフェイスはステロイドを減量していくと、自然と軽快します。しかし、ステロイド薬減量中にも離脱症状(発熱、頭痛、嘔吐)などが出現することがあります。さらに病態の再発や悪化の危険性もあるため、自己判断で減量しないように説明することが大切です。

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03

1.✖
ステロイド内服と日光は関連性がないため、日光を避ける必要はないです。

2.✖
ステロイド薬の副作用に食欲亢進、中心肥満、満月様顔貌などがあり、体重増加がみられます。しかし、毎日体重測定する必要はありません。

3.✖
ステロイドの副作用に易感染性があるため、手洗い・含嗽を励行しますが、学校を欠席する必要はありません。

4.✖
ステロイド内服中でも入浴は可能です。

5.〇
医師の指示なくステロイドを中断すると、症状の悪化や再発が起こりやすいため、内服を勝手に中断しないように指導が必要です。

参考になった数0