看護師の過去問
第107回
午前 問69

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問題

看護師国家試験 第107回 午前 問69 (訂正依頼・報告はこちら)

性周期が規則的で健常な成人女性において、着床が起こる時期に血中濃度が最も高くなるホルモンはどれか。
  • アルドステロン
  • プロゲステロン
  • エストラジオール
  • 黄体形成ホルモン< LH >
  • 卵胞刺激ホルモン< FSH >

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この過去問の解説 (4件)

01

正解は 2 です。

プロゲステロンは受精後6~7日目に着床が起こる頃に、黄体から多く分泌され、体温が上昇します。

1、アルドステロンは副腎皮質から分泌されるステロイドホルモンで性周期と無関係なので間違いです。
3、エストロゲンはエストロン、エストラジオールエストリオールの総称で、エストラジオールは卵巣で生産されて排卵前に値が高くなります。
4、黄体形成ホルモンは排卵直前に高値となります。
5、卵胞刺激ホルモンは卵胞を発育させる働きがあるので、卵胞期が最も高くなります。

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02

正解は 2 です。

×1. アルドステロンとは、副腎皮質から分泌されるステロイドホルモンの
   1つで、電解質や水分のバランスを調節する作用があります。
   性周期には関連性がありません。

○2. プロゲステロンとは、黄体や胎盤より分泌される黄体ホルモンで、
   排卵後に多く分泌し、体温上昇・排卵抑制・乳腺発育など妊娠を
   維持する作用があります。

×3. エストラジオールとは、卵胞ホルモン(エストロゲン)の主要成分です。
   卵巣から分泌されるステロイドホルモンで、排卵直前に多く分泌し、
   子宮内膜の増殖、子宮頚管粘液の分泌や子宮収縮性の促進などに
   作用します。

×4. 黄体形成ホルモン< LH >とは、下垂体前葉から分泌される
   生殖腺刺激ホルモンの1つで、排卵直前に多く分泌し、卵胞を成熟
   させ排卵を促します。排卵後は黄体を刺激し、プロゲステロンの
   分泌を促します。

×5. 卵胞刺激ホルモン< FSH >とは、下垂体前葉から分泌される
   生殖腺刺激ホルモンの1つで、排卵直前に多く分泌し、黄体形成
   ホルモン< LH >とともに未熟な卵胞を発育させ、エスロトゲンの
   分泌を促します。

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03

正解:2. プロゲステロン

月経周期のホルモン変動

<卵胞期>
①月経開始と同時に、卵胞刺激ホルモン(FSH)の血中濃度がわずかに上昇し、卵巣でいくつかの卵胞が成長を開始します。
②卵胞刺激ホルモン(FSH)の血中濃度が低下し、卵胞のうち1つだけが発育を続けて成熟していきます。この卵胞からエストロゲンが分泌されます。

<排卵期>
③黄体形成ホルモン(LH)の血中濃度が急激に上昇し始まってから16〜32時間後に排卵が起こります。(LHサージ)
④エストロゲンの血中濃度がピークに達し、さらにプロゲステロンの血中濃度も上昇し始めます。

<黄体期>
⑤黄体形成ホルモン(LH)と卵胞刺激ホルモン(FSH)の血中濃度は低下していきます。
⑥破れた卵胞は卵子を放出した後に閉鎖し、黄体に変化して、プロゲステロンを分泌するようになります。エストロゲンの血中濃度は高いまま維持され、この2つのホルモンによって子宮内膜が厚くなっていき、妊娠に適した環境となります。
⑦妊娠が成立しなかった場合、黄体は退化してプロゲステロンを分泌しなくなり、エストロゲンの血中濃度も低下し、厚みを増していた子宮内膜が崩れて剥がれ落ち、月経が起こります。 (→①に戻る。)


1. →アルドステロンは、副腎皮質から分泌されるホルモンで、腎臓に作用してナトリウムと水の再吸収を促進し、循環血漿量増加を促し血圧を上昇させる働きがあります。
月経周期には関係していません。

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04

「女性の性周期」をテーマにした問題です。性周期は暗記するしかありません。性周期の流れとホルモンの働きは頻出問題ですので、よく覚えておきましょう。

簡単に説明すると、性周期は以下のようになります。

①脳の視床下部からゴナドトロピン放出ホルモン(性腺刺激ホルモン放出ホルモン:GnRH)が分泌
②GnRHに刺激されて、下垂体前葉からゴナドトロピン(性腺刺激ホルモン)が分泌
③ゴナドトロピンに刺激されて、性腺から卵胞刺激ホルモン<FSH>が分泌され、子宮内の卵胞が成熟
④成熟した卵胞がエストロゲン(卵胞ホルモン)を分泌
⑤エストロゲンが子宮内膜を増殖
⑥卵胞からのエストロゲンが血中にどんどん増えると、その刺激で下垂体前葉から黄体形成ホルモン<LH>が急激に放出される(これを「LHサージ」という)
⑦LHサージの約36時間後に「排卵」が起こる(排卵のタイミングで精子が卵子に到達すれば「受精」となる、「着床」は受精後約6~7日後に起こる)
⑧排卵後の卵胞は「黄体」になり、エストロゲンとプロゲステロン(黄体ホルモン)を分泌する
⑨妊娠した場合は、「黄体」からエストロゲンとプロゲステロンが分泌され続ける
⑩妊娠していない場合は「黄体」は萎縮し、子宮内膜は剥がれ、月経となる
⑪血中のエストロゲン濃度が低下すると、脳の視床下部からゴナドトロピン放出ホルモン(性腺刺激ホルモン放出ホルモン:GnRH)が分泌される(①に戻る)

この①~⑪(⑨を除く)の過程は約28日周期で起こります。一般的にいう「生理」です。

ここで設問に戻ると、「着床が起こる時期」は、少なくとも「排卵後」ですから、「黄体」がエストロゲンとプロゲステロンを分泌している時期に重なるのがわかります。

よって、正解は「2」です。

ちなみに選択肢1.の アルドステロンは、「副腎皮質ホルモン」であり、性周期に関係しません。腎臓の尿細管や集合管に作用して、電解質や水分の再吸収などに関与します。

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