一般的に、創傷の治癒過程は①出血凝固期、②炎症期、③増殖期、④成熟期の4段階があります。
①出血凝固期:簡単に言うと、「かさぶた」(出血による凝固塊)により、皮膚が欠落した部分をふさいで止血する時期です。
②炎症期:白血球(好中球、単球、マクロファージ等)が集まって、細菌や死んだ組織を食べます。簡単に言うと「掃除の時期」です。「掃除」をするには、人手(白血球等)とエネルギー(タンパク質や酸素)が必要です。なので、血管が拡張して、人手とエネルギーを運びやすくします。また、白血球は水の中で泳ぐので、血管を拡張させ、水分を創内に漏れ出させます。この漏れ出た水分が「滲出液」(しんしゅつえき)です。つまり、「滲出液」の中は白血球等がたくさん泳いでいます。ですので、止血がしっかりされていれば、細菌等を殺すため、「滲出液」は創内に留まります。
③増殖期:簡単に言うと、「肉」を作り直す時期です。新しい血管を作ってインフラを整え(新生血管の塊を「肉芽組織」ともいう)、「肉芽」(まさに「肉」の「芽」)を作ります。つまり、「創傷周囲の線維芽細胞が活性化」し、「肉芽の形成が促進される」時期です。
④成熟期:簡単に言うと、「皮膚」を作り直す時期です。皮膚の下の肉が再建されたので、最後に皮膚が再建される段階です。つまり、「創の収縮」が起こって、「上皮化」がなされる時期です。
以上のことから、正解は「3」です。