看護師の過去問
第107回
午前 問74
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問題
看護師国家試験 第107回 午前 問74 (訂正依頼・報告はこちら)
創傷の治癒過程で炎症期に起こる現象はどれか。
- 創傷周囲の線維芽細胞が活性化する。
- 肉芽の形成が促進される。
- 滲出液が創に溜まる。
- 創の収縮が起こる。
- 上皮化が起こる。
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この過去問の解説 (4件)
01
1、創傷周囲の繊維芽細胞が活性化するのは、増殖期です。
2、肉芽の形成が促進されるのは増殖期になります。
4、創の収縮が起こるのは増殖期です。
5、上皮化が起こるのは増殖期になります。
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02
①出血凝固期:簡単に言うと、「かさぶた」(出血による凝固塊)により、皮膚が欠落した部分をふさいで止血する時期です。
②炎症期:白血球(好中球、単球、マクロファージ等)が集まって、細菌や死んだ組織を食べます。簡単に言うと「掃除の時期」です。「掃除」をするには、人手(白血球等)とエネルギー(タンパク質や酸素)が必要です。なので、血管が拡張して、人手とエネルギーを運びやすくします。また、白血球は水の中で泳ぐので、血管を拡張させ、水分を創内に漏れ出させます。この漏れ出た水分が「滲出液」(しんしゅつえき)です。つまり、「滲出液」の中は白血球等がたくさん泳いでいます。ですので、止血がしっかりされていれば、細菌等を殺すため、「滲出液」は創内に留まります。
③増殖期:簡単に言うと、「肉」を作り直す時期です。新しい血管を作ってインフラを整え(新生血管の塊を「肉芽組織」ともいう)、「肉芽」(まさに「肉」の「芽」)を作ります。つまり、「創傷周囲の線維芽細胞が活性化」し、「肉芽の形成が促進される」時期です。
④成熟期:簡単に言うと、「皮膚」を作り直す時期です。皮膚の下の肉が再建されたので、最後に皮膚が再建される段階です。つまり、「創の収縮」が起こって、「上皮化」がなされる時期です。
以上のことから、正解は「3」です。
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03
創傷は①出血凝固期、②炎症期、③増殖期、④成熟期、の4つのプロセスを
経て治癒していきます。
①出血凝固期
血小板により止血し、血小板から細胞再生因子が放出されます。
②炎症期
細胞再生因子により好中球やマクロファージなどが集まり、創内の
細菌や微小異物は損傷部から除去され、創の清浄化が進みます。
③増殖期
創内の清浄化が進むと、炎症期とは異なる細胞再生因子が分泌される
ようになります。創内の線維芽細胞や血管内皮細胞が自由に移動し
分裂することで、コラーゲンや毛細血管、つまり肉芽組織を作ります。
④成熟期
増殖期の肉芽組織が再構築され、創面が皮膚で被われ治癒となります。
よって、創傷周囲の線維芽細胞が活性化・肉芽の形成が促進されるのは
増殖期、滲出液が創に溜まるのは炎症期、創の収縮が起こる・上皮化が
起こるのは成熟期となり、正解は3.となります。
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04
創傷治癒過程
①出血凝固期
出血は凝固因子、血小板により止血し凝血塊となり、血小板から増殖因子・サイトカインが放出されます。
②炎症期
好中球やマクロファージなどの炎症細胞浸潤が起こり、壊死組織が貪食され創が清浄化されます。
③増殖期
細胞再生因子が分泌され、コラーゲンや血管新生、肉芽組織が作られます。さらに上皮化、創収縮の2つの機序で創面積が縮小していきます。
④成熟期
瘢痕組織が形成され、数ヵ月かけて白く軟らかく成熟化していきます。
正解の3番以外は、全て増殖期で生じる創傷治癒過程です。
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