看護師の過去問
第107回
午前 問78

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問題

看護師国家試験 第107回 午前 問78 (訂正依頼・報告はこちら)

Aちゃん( 8歳、女児 )は、白血病( leukemia )の終末期で入院しているが、病状は安定している。両親と姉のBちゃん( 10歳 )の4人家族である。
Aちゃんの家族へ看護師が伝える内容として適切なのはどれか。
  • 「Aちゃんは外出できません」
  • 「Bちゃんは面会できません」
  • 「Aちゃんが食べたい物を食べて良いです」
  • 「Aちゃんよりもご家族の意思を優先します」
  • 「Aちゃんに終末期であることは伝えないでください」

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この過去問の解説 (4件)

01

正解は 3 です。

終末期医療の看護では、基本的に家族の希望は取り入れられるものは全て叶えられるように援助していきます。病状が安定しているということなので、できる限り希望が叶うよう、Aちゃんの食べたい物を食べられるよう家族に伝えておくのが正しいでしょう。

1、終末期においては家族や本人の希望があれば、外出させてもらえることが多くなります。患者や家族にとって外出をするということが大きな意味を持つので、希望があった時には心残りないように外出できる援助計画を立てましょう。

2、終末期はどんな病状だったとしても、面会をしたい人ができるように援助するのが基本です。できる限り、本人の負担が少なくなるよう配慮する必要はありますが、面会を制限するのではなく、面会時間の調整などで本人に最善の状況となるよう援助していきます。

4、Aちゃんの意識が残っているので、家族よりも本人の意思を優先するのが正しいでしょう。

5、終末期であることを本人に告知するかどうかは非常に難しい問題ですが、患者のことを最もよくわかっている家族などが決定権を持っています。看護師は告知の有無を決定する立場ではありません。

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02

正解:3. 「Aちゃんが食べたい物を食べて良いです」

終末期では、子どもに生じる身体的・心理的苦痛の緩和に努めることが必要です。
また、子どもが亡くなった後の両親、兄弟へのケアにつながる関わりを大切にすることが重要です。

Aちゃんの意思を尊重し、食べたい物を食べられるよう援助します。


1. →病状は比較的安定しているため、外出し、家族との時間を過ごすことが出来るように支援します。

2. →残された時間を兄弟と関わることが出来るよう、面会出来る環境を整えることが必要です。

4. →Aちゃんの意思を第一に尊重することが望ましいです。

5. →終末期であることをAちゃんに伝えるかは難しい判断であり、ご家族とも相談が必要ですが、Aちゃん自身は症状などから様々なことを感じていると推察されるため、身体的・心理的サポートをしていくことが重要です。

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03

正解は 3 です。

白血病の終末期とあり、緩和ケアにおけるターミナルケアが必要となります。
患者・家族のQOL向上と家族のサポートに焦点を当て、身体的ケア・精神的
ケア・社会的ケアを行います。

身体的ケア:投薬など、穏やかに生活できるよう痛みの緩和を目指します
精神的ケア:家族と過ごす時間を作る・好きな音楽をかける・写真を飾る・話を
      聞くなど、感情に寄り添い精神面の安定を目指します
社会的ケア:ソーシャルワーカーに相談・話し相手になるなど、社会的な立場や
      役割に対する喪失感の軽減を目指します

Aちゃんの病状は安定しており、身体的ケアはできていると考えられます。
8歳で社会的な立場や役割に対する喪失感の実感はあまりないと考えられ、
精神的ケアを行います。
子どもであっても意思を尊重することが重要であり、不安やストレス、
今大事にしたいことなど気持ちが表出できるよう関わる必要があります。
Aちゃんが食べたいと希望すれば、その意思を尊重し食べても良いと説明する
のが適切となり、3.が正解です。

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04

この設問で問われているテーマは「終末期の医療」です。近年の「終末期の医療」では、年齢に関わらず、「本人の意思」を尊重することに、重きがおかれてきています。また、「本人の意思を尊重」するために、自分に何が起こっているのかを知ってもらうため、「病状の告知」も積極的に行われるようになってきています。この設問においても、「Aちゃん」の意思が尊重されることが重要な視点になります。

その他、この設問を解く際のポイントは、「8歳」、「白血病」、「病状は安定している」ことです。「白血球」とは、簡単にいうと「白血球のガン」です。治療では正常な白血球も含めて抗ガン剤で叩くことになるので、細菌等と戦う白血球が少なくなり、結果、感染しやすい状態になります。ですので、治療中は「他者との接触」や「生物の摂取」にかなり制限がかかります。

ここで話を設問に戻します。Aちゃんは「8歳」で「白血病」の「終末期」で「病状は安定」しています。つまり、「ある程度の理解力がある年齢」であるため、「自分の体のことを知った」上で、「自分の意思」に基づいて、「最期の時(終末期)」を「病状」に合わせながら過ごす時期にあります。看護師にとっては、病状を見ながら、Aちゃんの意思に基づいて、「好きなことをする」のを支える時期にあります。「病状は安定」しているので、「好きな人に会い」「好きなものを食べる」こともできます。

以上のことから、正解は「3」です。

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