看護師の過去問
第107回
午前 問95

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問題

看護師国家試験 第107回 午前 問95 (訂正依頼・報告はこちら)

Aさん( 55歳、男性 )。胃癌( gastric cancer )のため胃全摘出術を受けた。術中の出血量は300mLで、輸血は行われなかった。既往歴に特記すべきことはない。入院時身長166cm、体重78kg。手術後1日、硬膜外持続鎮痛法が行われているが、Aさんは創部痛が強いため呼吸が浅く、離床はできていない。このときのバイタルサインは、体温37.1℃、呼吸数22/分、脈拍120/分、血圧162/90mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度< SpO2 >93%( 鼻カニューラ2L/分酸素投与下 )。Hb13.8g/dL。尿量60mL/時。意識清明、心音および呼吸音に異常なし。頸静脈怒張なし。下肢に浮腫なし。創部に熱感や発赤を認めない。腹腔ドレーンからは少量の淡血性排液があるが、膿性ではなく、異臭もない。

手術後14日、Aさんは食後に出現していた症状が落ち着き、退院が決まった。
Aさんへの退院指導の内容で適切なのはどれか。
  • 1回の食事量を増やす。
  • 海草を積極的に摂取する。
  • 食後の冷汗が出現した際には身体を温める。
  • 空腹時はコーヒーなどの刺激物の摂取を避ける。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は 4 です。

1、1回の食事量は多くするのではなく、少なくする必要があります。消化機能が落ちているので、負担を減らすため、少量ずつの食事を回数を増やして食べるように指導しましょう。

2、海藻は繊維質が非常に多くいので、消化機能が低下しているAさんには不向きです。

3、食後に冷や汗の症状が出た時には、冷えているのではなく、ダンピング症候群の症状だと考えられます。この時には横になるなどして、安静に過ごす必要があります。

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02

正解:4. 空腹時はコーヒーなどの刺激物の摂取を避ける。

胃全摘出後は、胃容量の低下や消化機能の低下などが起こるため、食生活に気を付ける必要があります。
・消化の良い食べ物をよく噛んで、ゆっくり食べる。
・食事の一回量を少なくし、分食にする。
・食後はしばらく休むようにする。
・たんぱく質、鉄分、ビタミンを十分摂取する。
(胃液の分泌が減少し、鉄分の吸収が悪くなるため。)
・コーヒー、アルコールなどの刺激物は、胃液の分泌を抑え、胃の粘液を刺激し、気分不快を起こしやすくなるため控えた方が良い。

1. →1回量は少なくし、分食にすることが望ましいです。

2. →海藻は消化が悪いため、あまり食べない方が良いです。

3. →食後の冷や汗は早期ダンピング症候群によるものであり、数分〜数十分で改善しますので、横になるなど安静に過ごすことが望ましいです。

参考になった数0

03

正解は 4 です。

胃全摘手術により、胃に食べ物を貯め、ゆっくり小腸へ運ぶ機能が低下し、
消化機能も低下するため、消化の良い物を1回に少量ずつ、ゆっくり摂取
することが大切になります。また、胃は鉄・ビタミン・カルシウムの吸収に
関わる臓器のため、これらの栄養素を積極的に摂取すると良いです。

×1. 1回の食事量は減らします。

×2. 海草や繊維質の野菜は消化が悪いため、最初は避け、徐々に少量ずつ
   摂取を始めます。

×3. 食後の冷汗は、ダンピング症候群による症状の1つです。
   食後30分以内に起こる早期ダンピング症候群の場合は、
   頭を高くし横になり、安静にすることで数十分で改善します。
   食後2~3時間に起こる後期ダンピング症候群の場合は、
   飴や氷砂糖の摂取・甘い飲み物の摂取など糖質の補給が必要です。
   また、食後2時間頃におやつを摂取すると予防に有効です。

○4. コーヒーなどの刺激物は胃液の分泌を促す働きがあり、空腹時に
   摂取することで胃酸で胃がただれてしまう原因となるため、
   避けるよう指導が必要です。

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