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看護師の過去問 第107回 午前 問105

問題

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Aさん( 50歳、男性 )は、23歳で統合失調症( schizophrenia )を発症し、精神科病院へ5回入院したことがある。1年前に、被害妄想が原因で隣人に暴力を振るい措置入院となった。入院後2か月で自傷他害の恐れは消失し、医療保護入院へ切り替えられたが、幻覚や妄想があり家族へ1日に何回も電話をかけていた。その後は家族へ電話をかける回数が減り、病棟での生活も安定してきた。幻聴は続いているが、自分の身の回りのことは自分で行えるようになった。作業療法も継続して参加できていることから、退院を検討することになった。

Aさんの退院について、両親は「退院は反対。入院前のように隣人とトラブルになるのではないかと不安です。私達も高齢になってきたので負担が大きいです」と話した。
このときの両親への看護師の対応で適切なのはどれか。
   1 .
退院後に活用できる社会資源について情報提供する。
   2 .
Aさんの主治医に入院の継続を依頼するよう勧める。
   3 .
Aさんの現在の病状を隣人に説明するよう勧める。
   4 .
退院の承諾は家族の義務であることを伝える。
( 看護師国家試験 第107回 午前 問105 )
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この過去問の解説 (3件)

1
1.正解です。
両親の発言から、自分たち家族だけではAさんの対応をしきれないことに対する不安が伺えます。Aさんが地域社会で生活していくことを支援する社会資源を紹介することは適切な対応であると考えられます。

2.誤りです。
Aさんは病状が安定しているため、次は地域社会で生活しながら自立訓練をしつつ、再燃予防をする段階となります。入院を継続することは不適切です。

3.誤りです。
隣人の理解を得ることは必要ですが、ただ病状を説明することは最も適切な対応ではないと考えられます。

4.誤りです。
退院の承諾は必ずしも家族の義務とはいいきれません。Aさんとその家族が安心して退院できるよう、退院後の生活環境を整える支援が必要です。

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0
正解は 1 です。

○1. 環境の変化で精神状態が不安定になることも考えられます。
   作業療法や日常生活のサポートを継続することは効果的です。
   また、両親は高齢でありAさんの退院に対し不安もあるため、
   活用できる社会資源について情報提供する必要があります。

×2. Aさんは生活状況が安定し退院を検討する時期です。
   両親が退院への不安を感じており、両親への支援が必要です。

×3. 病状は個人情報なので、本人の同意なしに情報提供することは
   勧めるべきではありません。

×4. 退院の承諾は家族の義務ではないので、両親の不安を傾聴し
   適切な支援を行う必要があります。

0
正解は1です

自立支援医療などの制度、就労支援センターや生活支援センターなどの社会復帰施設、役所や保健所などの公的機関、精神科病院やデイケアなどの医療機関、ソシャルワーカーなどの人的支援などの情報提供を行い、患者や家族に社会的支援の活用を勧めることで、安心して生活できる環境づくりをすることが重要です。

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