看護師の過去問
第107回
午前 問114

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問題

看護師国家試験 第107回 午前 問114 (訂正依頼・報告はこちら)

Aさん( 82歳、男性 )。妻との2人暮らし。障害高齢者の日常生活自立度( 寝たきり度 )判定基準はランクJ。Aさんは搔痒感のために皮膚科を受診し、老人性皮膚搔痒症( pruritus senilis )と診断され、抗ヒスタミン内服薬が処方された。身長165cm、体重55kg。Aさんの趣味は散歩で、毎日1km程度を歩いている。

初診から1か月後、皮膚科の外来でAさんは「薬を飲み始めてから、口の中が渇いて食べにくい」と話した。
この状況から、Aさんに障害が起きていると考えられる摂食・嚥下の段階はどれか。
  • 先行期
  • 準備期
  • 咽頭期
  • 食道期

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この過去問の解説 (3件)

01

解答、2
口渇は抗ヒスタミン内服薬の副作用と、摂食・嚥下の準備機に障害が起きていると考えられます。
摂食・嚥下の段階(摂食・嚥下の5期モデル)は以下のとおりです。
先行期・・・食べ物の認知、食欲を感じる段階
準備期・・・咀嚼し、食塊を形成する段階
口腔期・・・食塊を口腔から咽頭へ送り込む段階
咽頭期・・・食塊を咽頭から食道へ送り込む段階
食道期・・・食塊を食道から胃へ送り込む段階
また、摂食は「食べること」、嚥下は「飲み込むこと」を指します。

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02

正解は 2 です。

摂食嚥下は5期にわかれています。
①先行期
 食物の形や硬さ、温度などを認識する段階です。
 障害されると、食物と認識できず食動作が始まらない・
 ペースがわからず次々と口に詰め込むなどの様子が見られます。
②準備期
 食物を唾液とよく混和し、飲みやすい形状にまとめる段階です。
 障害されると、押しつぶしたりできず食事に時間がかかるなどの
 様子が見られます。
③口腔期
 食物を舌でまとめ食塊形成したり、咽頭に送り込む段階です。
 障害されると、食物が多量に残留したり、
 舌によるコントロールができず咽頭に食物が落下してしまい、
 窒息につながることがあります。
④咽頭期
 一時的に呼吸が停止することで鼻咽腔が閉鎖し、
 自然に嚥下反射が起こる段階です。
 障害されると、嚥下反射のタイミングがずれて誤嚥します。
⑤食道期
 食物を食道の蠕動運動によって胃へ送る段階です。
 障害されると、逆流や停滞が生じたり、
 逆流物の誤嚥や通過障害などが見られます。

Aさんは「口の中が渇いて食べにくい」と話しているので、
抗ヒスタミン内服薬の副作用である口渇に加え、
準備期の障害が起きていると考えられます。

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03

正解は2です。

各段階について説明します。
1.先行期:食物の視覚や嗅覚でを認知し、量や食べ方、食べる早さなどを認識し、姿勢などを整えて食物を受け入れる準備を行う段階です。
2.準備期:口から食物を取り込み、歯、舌、 頬部等で囲まれた口腔内で食塊を形成して、嚥下する段階です。
3.咽頭期:摂取した食物を咽頭から食道に送り込む段階です。
4.食道期:食物が咽頭から送られてくると、食道入口部が一過性に開大して蠕動運動により、食物を食道の下方に送り込む段階です。

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