下垂体腺腫とは、脳の一部の「下垂体」と言う部分に腫瘍が生じる病気のことです。下垂体は各種ホルモン腺のホルモンの分泌量の増減や、分泌時期の設定の高度な調節を担っています。
下垂体腺腫を発症すると、生命活動に必須な各種ホルモン分泌に異常をきたし、様々な症状が出現します。下垂体腺腫自体はほとんどが良性なものであり、がんのように転移をしたりはしません。が、ホルモンの分泌に影響が及ぶため、何らかの治療が必要となります。
1.褐色細胞腫は副腎髄質にできる腫瘍です。
2.下垂体腺腫は脳の一部、下垂体にできる腫瘍ですが、トルコ鞍という骨の
くぼみにはまっています。トルコ鞍に下垂体がはまっており、そこに腫瘍
が存在しているため、トルコ鞍は拡大します。
3.下垂体腺腫を発症すると、①ホルモン分泌過剰、もしくは低下に関連した
症状、②腫瘍そのものが拡大することによって起きる症状、の2つの症状
に分けられます。視野障害は②による症状です。
下垂体のすぐ近くに、視交叉という左右の視神経が一緒になる場所が存在
するため、視野の欠損が現れます。典型的な症状として視野の外側(両
方)が見えにくくなります。(両耳側半盲)
4.ほとんどの場合は経過観察ですが、腫瘍が大きい場合には手術が用いられ
ます。この場合の手術は経蝶形骨洞的下垂体腺腫摘出術という方法がとら
れ、具体的には、鼻の穴から内視鏡や顕微鏡を使って蝶形骨洞と呼ばれる
副鼻腔を経て腫瘍にたどりつき摘出します。