看護師の過去問
第107回
午後 問180
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問題
看護師国家試験 第107回 午後 問180 (訂正依頼・報告はこちら)
Aさん( 75歳、男性 )。1人暮らし。慢性閉塞性肺疾患< COPD >( chronic obstructive pulmonary disease )のため、2年前から在宅酸素療法を開始し、週に2回の訪問看護を利用している。訪問看護師はAさんから「最近、洗濯物を干すときに息が苦しくて疲れるが、自分でできることは続けたい」と相談された。
Aさんの労作時の息苦しさを緩和する方法について、訪問看護師が行う指導で適切なのはどれか。
Aさんの労作時の息苦しさを緩和する方法について、訪問看護師が行う指導で適切なのはどれか。
- 労作時は酸素流量を増やす。
- 呼吸は呼気より吸気を長くする。
- 動作に合わせて短速呼吸をする。
- 腕を上げるときは息を吐きながら行う。
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この過去問の解説 (3件)
01
COPDとは、タバコ煙を主とする有害物質を長期に吸入・曝露することで生じる肺の全身性炎症疾患で、完全には正常に戻らない気流閉塞を呈する状態をいいます。
労作時は、肩や胸の筋肉を腕を支える為に使うので、その間にそれらの筋肉を呼吸に使う事ができないため、息苦しさが現れます。
1.酸素流量は主治医により決められ、看護師が判断し、増量してはいけません。
2.息こらえをせずに、動作と呼吸を合わせます。呼気ではエネルギー消費量が少ないため、動作が楽にできます。息を鼻から吸った後、軽く口をすぼめて時間を長めにかけて(吸うときの約2~5倍)、口から息を吐くことを呼吸法としています。
3.動作に合わせてゆっくりと呼吸することを指導します。
4.力を入れるとき、動作をするときは、息を吐きながら行うと楽になることが多いです。
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02
酸素流量は医師の指示にもとづいて決定されます。指示がない限りは勝手に変更することはできません。また、過剰な酸素投与はCO2ナルコーシスを引き起こす可能性があるため、むやみに酸素投与をすることは不適切です。
2.誤りです。
COPDの患者は、吸気よりも呼気を長くすることが望ましいです。吐くことを意識することで、自然と吸うことができます。
3.誤りです。
COPDの患者は、動作に合わせてゆっくり吐くような呼吸法を取ることで、楽に動作を行うことができます。
4.正解です。
(3)の解説の通りです。また、口すぼめながら息を吐くことを意識することが望ましいです。
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03
1.酸素は吸入しすぎるとCO2ナルコーシスとなることもあり、つまり毒とな
りえます。酸素の流量は医師の指示を守る必要があり、看護師の判断で変
更してはいけません。
2.COPDの呼吸困難を改善する呼吸法として口すぼめ呼吸があります。口を
すぼめて「ふー」「すー」と呼吸します。吸気と呼気の比は1:3~5にな
るように呼気にやや抵抗をかけます。労作時に口すぼめ呼吸を行うこと
で、呼吸数を減少させ、運動耐容能やADLが改善すると言われています。
3.短速呼吸を実際にしてみるとわかると思いますが、労作時ではなくてもか
なりきついと思います。動作に合わせてゆっくり呼吸をするように指導し
ます。
4.これも実際にやってみるとわかりやすいですが、息を吸うときと吐くと
き、どちらが力を使っているようでしょう?一般的には息を吐くときに動
作を行うと楽になることが多いでしょう。
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