看護師の過去問
第107回
午後 問191

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問題

看護師国家試験 第107回 午後 問191 (訂正依頼・報告はこちら)

過換気でみられるのはどれか。
  • 骨格筋の弛緩
  • 血中酸素分圧の低下
  • 体循環系の血管の収縮
  • 代謝性アルカローシス
  • 血中二酸化炭素分圧の上昇

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この過去問の解説 (3件)

01

過換気とは、簡単に言うと過呼吸のことです。精神的な原因が主である、過換気症候群が知られていますが、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)や、肺梗塞、肺線維症などの身体疾患が原因で起こる過換気もあります。
肺で行う呼吸とは、酸素を吸い込み、二酸化炭素を吐き出すことです。これにより体内のpHを調節しています。換気量が増えると、PaCO2は低下して体内はアルカリ性に傾きます。これを呼吸性アルカローシスと言います。
PaCO2とは簡単に言うと、体内血中の二酸化炭素の濃度です。換気量が増えると、二酸化炭素はどんどん排出されるため、体内の二酸化炭素の濃度は減少します。当然、呼吸数は増加している状態のため過呼吸、他めまいやしびれ、テタニーと呼ばれる低Ca血症の症状が見られることがあります。また、アルカローシス(体内がアルカリ性に傾く状態)になると、末梢血管や脳血管が収縮します。そのため頭痛やめまいの症状が見られます。

1.骨格筋の弛緩は起こりません。テタニーで手足のしびれやけいれんなどが
  見られます。
2.低下するのは、血中の二酸化炭素の量です。
3.アルカローシスになることで体循環の血管の収縮が起こります。
4.アルカローシスにはなりますが、代謝性ではなく、呼吸によって起こるの
  で呼吸性です。代謝性は主に腎臓での出来事です。
5.血中二酸化炭素分圧は低下します。

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02

正解は3です。

パニック障害や極度の不安、緊張などにより、激しく何度も必要以上に呼吸をしてしまう状態になると、血液中の炭酸ガス濃度が低くなり、呼吸中枢による指令により呼吸が抑制され、呼吸困難を感じます。



1.3.血液がアルカリ性に傾くことにより、血管の収縮が起き、手足のしびれ、筋肉の痙攣・収縮が起こります。

2.5.血中二酸化炭素分圧は低下し、逆に酸素分圧は正常より上昇します。

4.代謝性アルカローシスとは、呼吸とは関係せずに、嘔吐や、低カリウム血症などにより、水素イオンが過剰に排泄されて、体内血中がアルカリ性に傾いた状態のことをいいます。問題の過換気とは呼吸障害なので、当てはまりません。

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03

1.誤りです。
過換気を通してCaイオンが低下したり、不安による交感神経の活性化によって筋肉は硬直します。

2.誤りです。
過換気では、酸素分圧ではなく二酸化炭素分圧が低下します。

3.正解です。
過換気に伴う不安から交感神経が優位になり、血管収縮が引き起こされます。このことから痺れなどの症状が出現します。

4.誤りです。
たしかに、過呼吸によって血中二酸化炭素量(pHを低くする酸)が減少し、体はアルカリ性に傾きます(アルカローシス)。しかし、過換気は代謝性ではなく呼吸性のアルカローシスです。

5.誤りです。
(2)で解説したとおり、過呼吸によって二酸化炭素分圧は低下します。

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