看護師の過去問
第107回
午後 問195

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問題

看護師国家試験 第107回 午後 問195 (訂正依頼・報告はこちら)

筋骨格系の加齢に伴う変化が発症の一因となるのはどれか。
  • 肺結核( pulmonary tuberculosis )
  • 骨盤臓器脱( pelvic organ prolapse )
  • 前立腺肥大症( prostatic hyperplasia )
  • 加齢黄斑変性( age-related macular degeneration )
  • 慢性閉塞性肺疾患< COPD >( chronic obstructive pulmonary disease )

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この過去問の解説 (3件)

01

1.誤りです。
肺結核の原因は結核菌への感染によるものです。骨格筋系の加齢に伴う変化が原因となることは考えにくいです。

2.正解です。
加齢に伴い骨盤内の筋肉や靭帯が衰退していくと、臓器を支える力が弱くなったりスペースができることで、骨盤内臓器脱を起こす可能性があります。骨盤内臓器脱を起こしやすい臓器は、子宮・直腸・膀胱などです。

3.誤りです。
前立腺肥大症も加齢に伴い前立腺が肥大する傾向にありますが、骨格筋の変化ではなくホルモンの変化であると考えられています。

4.誤りです。
加齢性黄斑変性は、加齢に伴い眼の黄斑という組織に老廃物が蓄積し、黄斑が変性することで生じると言われています。加齢による骨格筋系の変化が原因ではありません。

5.誤りです。
慢性閉塞性肺疾患は、喫煙などが原因で生じる呼吸器疾患です。加齢による骨格筋系の変化が原因ではありません。

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02

1.肺結核とは、結核菌による呼吸器感染症で、全結核症の8割を占めます。
  2週間以上持続する咳などを主訴として来院し、胸部X線や胸部CT像にて
  病変を認め、喀痰塗抹検査やPCR法にて結核菌と同定したときに診断され
  ます。初感染後、比較的早期に発病する初感染結核症と、初感染後長期間
  経ってから発病する既感染発病といい、多くは後者の方です。
  初感染後、ほとんどの菌は自然治癒しますが、一部の菌は体内に潜伏し生
  存しています。それらの菌が何らかの原因、例えば加齢などで免疫力が低
  下したことで肺結核症を発病する状態が既感染発病と言います。こちらの
  方が臨床で診断される結核症の大部分を占めます。筋骨格系の加齢に伴う
  変化が発症の一因となる病気ではないでしょう。

2.骨盤臓器脱とは、骨盤内にある臓器(子宮、膀胱、直腸、小腸など)がだ
  んだん下がってきて、膣から体外に出てしまう病気のことを言います。脱
  出する臓器により、子宮脱、膀胱瘤、直腸瘤、小腸瘤、膣脱などと呼ばれ
  ます。原因は骨盤底筋や靭帯などの支えが緩むことです。ではなぜ支えが
  緩むのか、まずは経腟分娩を繰り返すことです。次に加齢。これらによ
  り、骨盤底筋が弛緩し臓器を支えることが難しくなってしまいます。さら
  に慢性的に腹圧をかける行為として、肥満や喘息なども慢性的な咳、便秘
  などが挙げられます。加齢に伴う筋骨格系の変化が発症の一因となる病気
  となるでしょう。

3.前立腺肥大症とは、加齢とともに、前立腺の内腺が腺腫状に肥大し排尿障
  害を起こす疾患です。性ホルモンの不均衡が原因と考えられ、55歳以上の
  男性に多く、70歳を過ぎると約93%にのぼると言われています。

4.加齢黄斑変性とは、加齢に伴い網膜の中心部である黄斑に障害が生じ、見
  ようとするところが見えにくくなる病気です。

5.慢性閉塞性肺疾患(COPD)とは、有毒な粒子やガスの吸入によって生じ
  た肺の炎症反応に基づく進行性の気流制限を呈する疾患です。主な原因は
  喫煙です。慢性的な咳嗽・喀痰や労作時呼吸困難といった症状がありま
  す。

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03

正解は2です。

1.肺結核は、空気中に存在する結核菌を吸い込むなどして、体内に取り込まれます。免疫機能の関係からすぐに結核を発症するのではなく、加齢、ストレス、糖尿病やHIVなどで免疫力が低下すると、結核菌が活発化しはじめ、その後、炎症を起して肺組織が破壊され、空洞形成や壊死巣が形成されていきます。

2.出産や加齢、肥満によって骨盤底筋群が傷ついたり緩む(骨盤底障害)と、支えを失った骨盤内臓器が膣をめがけて落ちてくることがあります。これが子宮脱などの骨盤臓器脱(性器脱)です。

3.性ホルモンの働きが関与、中高年になって男性ホルモンを含む性ホルモン環境の変化が起こることにより、前立腺が肥大すると考えられています。

4.加齢により、網膜の中心部である黄斑に障害が生じ、見えにくくなる疾患です。

5.COPDの最大の原因は喫煙であり、喫煙者の15~20%がCOPDを発症します。

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