(正解) 1
(解説)
せん妄は、意識混濁・錯覚・幻覚・精神運動興奮・不安などを伴った意識障害であり、高齢者に多くなります。せん妄の予防は、せん妄のリスク因子である環境要因や急性病態、認知機能や感覚の維持・回復など、毎日の細かなかかわりが重要になってきます。せん妄が場合によっては、鎮静が必要になってくることもあり、日常生活の活動性の低下につながります。その結果、安静臥床状態から全身が脆弱化や認知機能が低下し、せん妄を発症するリスクが高くなります。したがって、早期離床を促し、規則正しい生活を支援していくことが、せん妄の予防になります。よって、正解は「1」になります。
(補足)
他の選択肢については、以下の通りです。
2について
:夜間の照明やモニター音などの過度な刺激は抑えることで、せん妄の悪化を予防することはできますが、夜間の睡眠障害や昼夜逆転を防ぐためにも、夜は暗くし、昼間は明るくするなどの環境調整が必要です。よって、正解には該当しません。
3について
:家族や知人の面会は、患者の精神的安定をもたらすため、制限する必要はありません。よって、正解には該当しません。家族には、せん妄やその予防方法などについて理解してもらうことが大切であり、協力が得られれば、時計やカレンダー、写真やクッションなど家族のものを置いてもらうことで、精神的安定につながります。
4について
:睡眠障害から昼夜逆転し、せん妄の発症につながることがあるため、夜間の睡眠のリズムが崩れないように日中はなるべく起きているように働きかけることが必要です。よって、正解には該当しません。