看護師の過去問
第108回
午後 問177
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問題
看護師国家試験 第108回 午後 問177 (訂正依頼・報告はこちら)
出生前診断を目的とした羊水検査で適切なのはどれか。
- 先天性疾患のほとんどを診断することができる。
- 診断された染色体異常は治療が可能である。
- 合併症として流早産のリスクがある。
- 妊娠22週以降は検査できない。
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この過去問の解説 (3件)
01
1)×
染色体検査は専門の医師や技師が目で見て診断をしています。ダウン症やその他の染色体異常でも、染色体数が増減する異常に関しては、まず診断は正確に行えます。
ですが、染色体の構造の異常に関してはわからない場合があります。また、目で見てもわからないような非常に細かい異常については発見できません。
2)×
出生前診断は、出生前に胎児の状態や疾患等の有無を調べておくことによって、生まれてくる赤ちゃん の状態に合わせた最適な分娩方法や療育環境を検討することを主な目的に行われます。
疾患があるとわかっても、胎内治療としてできることは少なく、出産後に備えて心の準備や環境を整えることができるという考え方です。
3)○
羊水検査は、母体の腹部に針を刺して、子宮内の羊水中に含まれる胎児の細胞を採取します。
そのため、流産や破水等のリスクが約 0.3%あります。
さらに、出血、子宮内感染、早産、羊水塞栓症、母体障害(穿刺による血管や腸管出血)などが生じる可能性もあります。
4)×
羊水検査は、妊娠15~17週頃が適しています。
妊娠の早期は羊水量が十分でなく、羊水検査には不向きとされています。
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02
1は、染色体の診断になるので、すべての診断は出来ないので間違いです。
2は、染色体異常が発見された時は、根本的治療はないので間違いです。
3は、羊水検査は穿刺を伴うため、出血や破水などの合併症を伴う可能性があるので正解です。
4は、妊娠15周以降で検査可能なので間違いです。
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03
1 . 先天性疾患のほとんどを診断することができる。
×不正解
羊水検査では胎児の染色体を顕微鏡で観察します。そのため、染色体疾患全般が対象となり、先天性心疾患や口唇口蓋裂などの先天性疾患は羊水検査では診断ができません。
2 . 診断された染色体異常は治療が可能である。
×不正解
羊水検査は出生前診断のうち、結果が確定する「確定的検査」と呼ばれます。検査で陽性となったときにはその染色体疾患の根本的な治療はできません。
そのため、羊水検査を受ける前に、なぜ検査を受けようと思ったのか、検査の結果がどのような意味を持つのか、検査結果でどう行動していくのかなどの臨床遺伝専門医や認定遺伝カウンセラーによる遺伝カウンセリングが妊婦や家族にとって意思決定の手助けとなります。
3 . 合併症として流早産のリスクがある。
○正解
羊水検査の穿刺によるリスクには破水、出血、子宮内感染、早産、羊水塞栓症、母体障害、流産・死産などが挙げられます。
4 . 妊娠22週以降は検査できない。
×不正解
妊娠15週以降なら子宮内の羊水の量が十分量確保できるので、羊水検査が可能となります。
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