看護師の過去問
第109回
午前 問66

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問題

看護師国家試験 第109回 午前 問66 (訂正依頼・報告はこちら)

Aさん( 25 歳、男性)は、統合失調症( schizophrenia )と診断された。抗精神病薬の内服を開始した 2 日後、Aさんはそわそわして落ち着かず「足がムズムズする」と歩き回るようになった。
Aさんにみられている状態はどれか。
  • アカシジア
  • ジストニア
  • ジスキネジア
  • ミオクローヌス

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この過去問の解説 (3件)

01

正解:1. アカシジア


統合失調症は、幻覚や妄想、まとまりのない思考や行動、意欲の欠如などの症状を示す精神疾患です。
根本的な原因はまだ不明ですが、統合失調症になりやすい要因を持つ人が、生活する上で過度のストレスを受けること等がきっかけとなり発症すると考えられています。
好発年齢は、思春期〜30歳前後とされています。

治療方法は、薬物療法と心理社会的な治療(リハビリテーションや精神療法)を組み合わせて行います。

抗精神病薬は比較的副作用が少ないですが、以下のような副作用が見られることがあります。
・アカシジア
 そわそわしてじっと座っていられない、足がむずむずする
・ジストニア
 筋肉の一部がひきつる、ろれつが回らない
・ジスキネジア
 口などが勝手に動いてしまう
・ミオクローヌス
 筋肉がピクピク小刻みに動くことによる不随意運動
・パーキンソン症状
 体がこわばって動きが悪い、震える、よだれが出る

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02

正解1.アカシジア

統合失調症

幻覚や妄想という症状が特徴的な精神疾患です。それに伴って、人々と交流しながら家庭や社会で生活を営む機能が障害を受け(生活の障害)、「感覚・思考・行動が病気のために歪んでいる」ことを自分で振り返ることが難しくなりやすい(病識の障害)、という特徴を併せもっています。

治療は、薬物療法と心理社会的な治療を組み合わせて行います。

抗精神病薬に特徴的な副作用
・アカシジア
そわそわしてじっと座っていられない
・パーキンソン症状
体がこわばって動きが悪い、震える、よだれが出る
・ジスキネジア
口などが勝手に動いてしまう
・ジストニア
筋肉の一部がひきつる

参考になった数1

03

(正解) 1
(解説)
アカシジアは静座不能症とも訳され、座ったままじっとしていることができず、そわそわと動き回るという特徴が見られます。抗精神病薬の副作用として出現することが多いですが、一部の抗うつ薬や胃腸薬によっても引き起こされることがある症状です。ほとんどの場合には、原因となる薬剤を服用した数日後に出現しますが、まれに同じ薬剤を数か月間内服した後に出現することもあります。この問題では、Aさんは、抗精神病薬を内服し始めたばかりであること、そわそわして落ち着かない、「足がムズムズする」といった言動から、アカシジアが出現していると判断することができます。よって、正解は「1」になります。

(補足)
他の選択肢については、以下の通りです。
2.ジストニア
:意思とは関係なく、無意識のうちに筋肉がこわばってしまう不随意運動の一つをジストニアと呼びます。原因は、脳からの指令異常であると言われています。よって、正解には該当しません。

3.ジスキネジア
:ジスキネジアは、脳の神経伝達物質であるドパミンによる運動調節機能がうまく働かなくなって起こるとされています。主に口唇や舌、顔、手足などの特定の筋肉に出現し、自分の意思とは関係なく、止めてもまたすぐに出現してしまうという特徴があります。原因は、脳や神経疾患の症状の一つとして起こることもあれば、抗精神病薬の副作用として出現する場合もあります。Aさんも抗精神病薬を内服していますが、ジスキネジアが手足に出現した際の実際の症状は、手が勝手に不規則に動く、手指を繰り返し曲げ伸ばしする、立ったり座ったり同じ動きを繰り返す、足指がくねくね動く、体幹がくねくね動いてじっとしていられないなどであるため、正解には該当しないと考えられます。

4.ミオクローヌス
:ミオクローヌスは、不随意運動の1つで自分の意思・意識とは関係なく繰り返し起こる、電撃的で突発的な体の一部の素早い筋肉運動のことを指します。限局的であれば、筋肉の一つがピクっとする程度ですが、複数の筋が迅速で周期的な収縮をすることもあります。よって、正解には該当しません。

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