看護師の過去問
第109回
午前 問69
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問題
看護師国家試験 第109回 午前 問69 (訂正依頼・報告はこちら)
Aさん( 68 歳、男性)は、筋萎縮性側索硬化症( amyotrophic lateral sclerosis )<ALS>のため在宅療養中で、気管切開下で人工呼吸器を使用し、要介護 5 の認定を受けている。
Aさんに提供される訪問看護で適切なのはどれか。
Aさんに提供される訪問看護で適切なのはどれか。
- 医療保険から給付される。
- 特別訪問看護指示書を受けて実施される。
- 複数の訪問看護事業所の利用はできない。
- 理学療法士による訪問は給付が認められない。
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この過去問の解説 (3件)
01
訪問看護は、訪問看護師等が在宅で療養生活を送っている方の看護を行うサービスです。
主治医から訪問看護指示を受けて行われます。
訪問看護には、介護保険または医療保険が適用されます。
①介護保険による対象者
・第 1 号被保険者
65歳以上の方で、要支援・要介護と認定された人
・第 2 号被保険者
40歳以上65歳未満の方で、以下の16特定疾病疾患の対象者で要支援・要介護と認定された人
<16特定疾病疾患>
・がん ・関節リウマチ
・筋萎縮性側索硬化症 ・後縦靱帯骨化症
・骨折を伴う骨粗鬆症 ・初老期における認知症
・進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病 ・脊髄小脳変性症
・脊柱管狭窄症 ・早老症
・多系統萎縮症 ・脳血管疾患
・糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
・閉塞性動脈硬化症 ・慢性閉塞性肺疾患
・両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症)
②医療保険による対象者
・厚生労働大臣が定める疾病等や精神科訪問看護が必要な方(認知症は除く)
・病状の悪化等により特別訪問看護指示期間にある方(ただし、特別訪問看護指示は月に14日間のみ有効)
<厚生労働大臣が定める疾患等>
・末期の悪性腫瘍 ・多発性硬化症
・重症筋無力症 ・スモン
・筋萎縮性側索硬化症 ・脊髄小脳変性症
・ハンチントン病 ・進行性筋ジストロフィー症
・パーキンソン病関連疾患(進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、パーキンソン病(ホーエン・ヤールの重症度分類がステージ三以上であって生活機能障害度がⅡ度またはⅢ度のものに限る。))
・多系統萎縮症(線条体黒質変性症、オリーブ橋小脳萎縮症及びシャイ・ドレーガー症候群)
・プリオン病 ・亜急性硬化性全脳炎
・ライソゾーム病 ・副腎皮質ジストロフィー
・脊髄性筋委縮症 ・球精髄性筋委縮症
・慢性炎症性脱髄性多発神経炎
・後天性免疫不全症候群 ・頚髄損傷
・人工呼吸器を使用している状態
1. →ALSかつ人工呼吸器を使用しており、厚生労働省が定める疾患等に該当しますので、医療保険の対象となります。
2. →訪問看護が週3日までしか利用できない方で、急性増悪時や終末期などにより、頻回の訪問看護が必要になった場合に、主治医から特別訪問看護指示書を受けて対応します。
3. →複数の訪問看護ステーションは、同一日に訪問看護の提供はできません。しかし、それぞれ異なる日に訪問するのであれば、複数の訪問看護事業所を利用することは可能です。
4. →指定訪問看護の実施者は、保健師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士です。
理学療法士や作業療法士、言語聴覚士は、訪問しリハビリテーションを提供します。
その際にも、要支援・要介護認定を受けている方は介護保険の適応となり、がん末期や難病の場合は要介護高齢者であっても医療保険の適応となります。
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02
(解説)
訪問看護には、介護保険と医療保険の2種類の利用形態があります。
要介護者は、原則介護保険によって、訪問看護を利用することができ、要介護度に応じてケアプランに組み込むことができる範囲であれば利用制限はありません。
一方、医療保険による訪問介護には、「1 日1回(90 分程度)、週 3 日まで。1箇所の訪問看護ステーションから、看護師は 1 人対応」といった利用制限がありますが、必要な人には必要なだけ利用できるように、以下の3つの場合は、利用制限が外れるように設定されています。
① 主治医から「特別訪問看護指示書」が発行された場合。
② 「厚生労働大臣が定める疾病等」に該当する場合。
③ 「厚生労働大臣が定める状態等」に該当する場合。
この問題のAさんの場合、「厚生労働大臣が定める疾病等」に定められている、筋萎縮性側索硬化症・人工呼吸器を使用している状態に該当するため、訪問看護の利用は医療保険の適用になります。
よって、正解は「1」になります。
(補足)
他の選択肢については、以下の通りです。
2について
:特別訪問看護指示書の適応になるのは、①肺炎や心不全などの急性増悪、②疾病に関わらず終末期であること、③退院直後であることの3つの場合になります。この場合、Aさんには当てはまらないため、正解には該当しません。特別訪問看護指示書は、月に1回受けることができ、最長14日間は、頻回な訪問看護を一時的に利用できるようになります。ただし、気管カニューレを使用している状態、真皮を超える褥瘡の状態にある場合は、1月に2回まで訪問看護指示書を交付できることになっています。
3について
:同一日に複数の訪問看護ステーションによる本門看護の提供はできないことになっています。それぞれ異なる日に訪問するのであれば、複数の訪問看護事業所の利用は可能です。よって、正解には該当しません。
4について
:訪問看護事業所には、看護師だけではなく、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士も十字しており、理学療法士の訪問リハビリテーションも給付を受けることは可能です。よって、正解には該当しません。
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03
訪問看護
疾病や障がいなどがあり、居宅で療養をしながら生活をされている方で、主治医から訪問看護指示書をうけて行われます。
要支援者または要介護者は、原則介護保険の適用されます。要支援者または要介護者であっても、厚生労働大臣が定める疾病等の方、急性増悪による頻回な訪問が必要な方、精神科訪問看護の対象者は医療保険の適用となります。
厚生労働大臣の定める疾病等
・末期の悪性腫瘍・多発性硬化症
・重症筋無力症・スモン・筋萎縮性側索硬化症
・脊髄小脳変性症・ハンチントン病
・進行性筋ジストロフィー症
・パーキンソン病関連疾患(進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、パーキンソン病(ホーエン・ヤールの重症度分類がステージ三以上であって生活機能障害度がⅡ度またはⅢ度のものに限る。))
・多系統萎縮症(線条体黒質変性症、オリーブ橋小脳萎縮症及びシャイ・ドレーガー症候群)
・プリオン病・亜急性硬化性全脳炎
・ライソゾーム病・副腎皮質ジストロフィー
・脊髄性筋委縮症・球精髄性筋委縮症
・慢性炎症性脱髄性多発神経炎
・後天性免疫不全症候群・頚髄損傷
・人工呼吸器を使用している状態
2.訪問看護が、週3回まで利用できない方で、急性増悪等で週4日以上の訪問看護が必要となった場合に、主治医から訪問看護指示書とは別に特別訪問看護指示書で対応します。
特別訪問看護指示書は、基本的に月1回、最長14日間です。
3.厚生労働大臣が定める疾病等や気管カニューレ等の特別な管理が必要とする方や病状の悪化等により特別訪問看護指示期間にある方は、週4日以上かつ、1日に2~3回の難病等複数回訪問看護での利用ができます。ただし、複数の訪問看護ステーションは、同一日に訪問看護の提供はできません。
4.指定訪問看護の実施者は、保健師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士です。
理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士による訪問看護は、その訪問が看護業務の一環としてのリハビリテーションを中心としたものである場合に、看護職員の代わりに訪問させるという位置づけのものです。1回当たり20分以上訪問看護をすることとし、1人の利用者につき週6回を限度として算定します。
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