看護師の過去問
第109回
午前 問111
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問題
看護師国家試験 第109回 午前 問111 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文を読み以下の問いに答えよ。
在胎 39 週 4 日で、正常分娩で出生した児。出生体重 3,000 g 、身長 48.0 cm 。出生直後、児に付着していた羊水をふき取り、インファントラジアントウォーマーの下で観察を行った。体温 37.5 ℃、呼吸数 56 /分、心拍数 150 /分、呼吸音は異常なし。
看護師は観察を終え、温めておいたベビー服を着衣させ、同様に温めておいた寝具を用いて準備をしたコットに児を寝かせた。コットは壁際や窓辺を避け、空調の排気口からの風が当たらない場所に配置した。
生後 3 日。看護師が朝の観察を行った時の児の状態は、体温 37.0 ℃、呼吸数 40 /分、心拍数 130 /分。体重 2,680 g 。顔面と胸部の皮膚に黄染が認められる。その他の部位は淡紅色である。手関節と足関節の皮膚に落屑がある。尿は 6 回/日、便は 2 回/日で移行便である。
児の状態で生理的特徴から逸脱しているのはどれか。
在胎 39 週 4 日で、正常分娩で出生した児。出生体重 3,000 g 、身長 48.0 cm 。出生直後、児に付着していた羊水をふき取り、インファントラジアントウォーマーの下で観察を行った。体温 37.5 ℃、呼吸数 56 /分、心拍数 150 /分、呼吸音は異常なし。
看護師は観察を終え、温めておいたベビー服を着衣させ、同様に温めておいた寝具を用いて準備をしたコットに児を寝かせた。コットは壁際や窓辺を避け、空調の排気口からの風が当たらない場所に配置した。
生後 3 日。看護師が朝の観察を行った時の児の状態は、体温 37.0 ℃、呼吸数 40 /分、心拍数 130 /分。体重 2,680 g 。顔面と胸部の皮膚に黄染が認められる。その他の部位は淡紅色である。手関節と足関節の皮膚に落屑がある。尿は 6 回/日、便は 2 回/日で移行便である。
児の状態で生理的特徴から逸脱しているのはどれか。
- 体温
- 呼吸数
- 皮膚色
- 体重減少率
- 皮膚の落屑
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この過去問の解説 (3件)
01
2、新生児の呼吸回数は、30~60回/分が基準範囲なので、40回/分の呼吸回数は正常です。
3、胎児のときに使用していた古い赤血球が、出生をきっかけに壊されて、新しい赤血球へ生まれまわります。古い赤血球が壊されることによって一時的に血液中のビリルビンが増えます。
新生児は消化器系も未熟なので、ビリルビンの排泄が追い付かず黄疸として現れます。これを生理的黄疸といい、生後2~3日目ぐらいから肌が黄色くなりはじめ、生後5日目がピークと言われています。したがって、生後3日目の黄染は正常と言えます。
4、産まれたばかりの新生児は、身体の中に便や尿が多く溜まっています。これらは、出生後体の外へ排泄されていくのですが、出生後1週間のうちに排泄するのが多いと言われています。
また、新生児は不感蒸泄が多く、それらを排泄する量が、母乳やミルクを飲む量より多いと、差し引きで体重が減ってしまうため、生理的体重減少が起こります。
生理的体重減少は産まれてから1~2週間程度で元の体重に戻ると言われています。生理的体重減少はどれくらいであれば正常かというと、出生体重から10%以内の減少であれば正常と言われています。
この事例の場合は、3000g(出生体重)-2680g(現在の体重)から出生体重3000gで割って、100をかけることで計算できます。これによって10.7%という答えになり、正常から逸脱していることがわかります。
5、産まれるまでは、児の皮膚は羊水や胎脂に守られているのですが、出生することによって空気にさらされ、胎脂も除去するので一気に乾燥します。
それによって、一時的に皮膚がめくれる「新生児落屑」がおきますが、毎日保湿をすることによって改善する生理的な反応なので、問題はありません。
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02
(解説)
この問題では、新生児の正常な子宮外生活適応の状況について詳しく理解しておく必要があります。
新生児は、生後2.3日は飲む量に比べ、便や尿、汗などの不感蒸泄によって体から出る水分量が多いため、一時的に体重が減少します。これを生理的体重減少といい、約一週間で出生体重に戻り、その後増加していきます。生まれたときの体重から考えて10%程度の体重減少であれば正常であると考えます。
この問題では、出生体重は3000g、生後3日目では2680gとなっており、320gの体重減少が見られています。体重減少率を計算すると、10.7%であり、10%以上になるため異常であると判断できます。よって、正解は「4」になります。
(補足)
他の選択肢については、以下の通りです。
1. 体 温:新生児の体温の正常値は36.5~37.5℃であり、この児の体温は正常になります。
2. 呼吸数:新生児の呼吸の正常値は40~50回/分であり、この児の呼吸数は正常になります。
3. 皮膚色:児の皮膚色は、顔面と胸部の皮膚に黄染が認められるが、その他の部位は淡紅色となっています。生後3日目でみられる生理的黄疸の範囲内のため正常になります。
5. 皮膚の落屑:新生児の皮膚は、生後2~3日ころには乾燥気味となり落屑がみられるようになります。よって、この児の手関節と足関節の皮膚にみられる落屑は正常であると考えられます。
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03
1,2 正常です。
3 皮膚の黄染は、生理的黄疸です。生後4~5日でピークを迎え、生後1週間を過ぎると自然に消えます。
4 生理的体重減少率を計算すると、10.7%です。体重が減り過ぎているのが分かります。
生理的体重減少率=(生まれたときの体重ー現在の体重)÷生まれたときの体重✕100
5 皮膚の再生のため、問題ありません。
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